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教養としてのワイン

全体像
1、フランス
ーボルドー地方
・ボルドーが世界一の理由とは?
・ボルドーの雄ペトリュスとルパン

ーブルゴーニュ地方
・ブレンドはNGであるブルゴーニュ。
・格付けが厳しい


2、イタリアとヨーロッパ諸国
ーイタリア
・ゆるい法律
・ピエモンテ州
・トスカーナ州

ーヨーロッパ
・三代酒精強化ワイン

3、新世界
ーアメリカ
・規制か、自由か。
・1920年 禁酒法
・1976年 パリの審判



ーワインマーケティング2つの代表例
・コノスルの自転車マーケティング
・イエローテイルのブルーオーシャンマーケティング

ー補足
・ワインの保存7か条
・テイスティングの ’s’ ステップとは?
・コルクを抜かずに飲める、夢の最新技術 ’コラヴァン’


 どうも、料理人のYUJIです。最近はワインにはまっています。ボトルのワインがなかなかなくならなくて大変です。さて、今回紹介するのは渡辺順子さんの’’教養としてのワイン’’です。この本の興味深いところは他のワイン知識本当は違って、物事の背景が書いてあること、ワインがビジネス的観点で書かれていること、そしてイタリアワインが好きになることです。フランスワインに始まってフランスワインに終わるという言葉がありますが、イタリアもすごいんだなあと感じました。また、物事の背景に関しては例えばアメリカのカリフォルニアはワインの産地であるというのは有名だと思います。でも、その背景を知っている人は珍しいと思います。もちろん、ワインベルトに乗っかっていて日照量もあり気候的・テロワール的にワインに優れているという理由もありますが、実はワイン造りとゴールドラッシュが密接的つながっているということです。18世紀半ばの一攫千金を求めてカリフォルニア方面へ人々が群がります。しかし、思った通りに金が採取できず途方に暮れてしまいます。その中のワイン造りの知識を持つヨーロッパ系がこの土地にブドウを植えてワイン造りへと仕事を変えていったのです。このように物語の背景を知っているとより学ぶことが楽しく感じます。イントロはここまでで、本書は大きく3つに分解できます。フランス、イタリア、そして新世界です。それではフランスのボルドー地方とブルゴーニュ地方から見ていきましょう。


1、フランス
ーボルドー地方
・ボルドーが世界一の理由とは?
・ボルドーの雄ペトリュスとルパン

 ボルドーが世界一になった理由は2つあります。一つはテロワール(気候や土壌などのブドウ作りの総合的な環境)の良さと流通です。ブドウ作りには日照量や降雨量そして土壌が大切です。特にボルドーの土壌は砂利質で土地は痩せているが水はけが良かったのです。また、近くには川が流れていたので、その川を利用して近くのヨーロッパ諸国に輸出することが容易かったということが考えられます。
 ボルドーの雄ペトリュスとルパン。ドルドーニュ川の右岸にあるサンテミリオン地区のサンテミリオン村はブドウ畑で世界で初めて世界遺産に登録されました。そこで作られるこの2つのワインが有名です。

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「ボルドーの雄であるペトリュス」

ーブルゴーニュ地方
・ブレンドはNGであるブルゴーニュ。
・格付けが厳しい

 ボルドー地方のワインはブレンドしてワインを作るのに対して、ブルゴーニュ地方は一つの品種を単一で作るのが主流です。また品種としてはシャルドネとピノノワールが有名です。
 ブルゴーニュ地方はフランス革命をきっかけにブドウ畑の所有が教会から農民へと細分化されました。農民には資金力がないので、小さなワイン畑などがよく見られます。ブルゴーニュ地方で最も有名なのはロマネコンティでしょうか。ブルゴーニュ地方の格付けでは国、地方、村、その上に ’’畑’’ というものが存在していて、どこの畑から生まれたのかということをより重要視します。というのも、単一の品種なのでテロワールの影響をもろに受けるということが考えられます。それに対して、ボルドーはブドウ畑の所有は貴族が大金をはたいて所有権を再度手にすることができました。なので広大な土地でその貴族がブドウ作りに励むことができます。


2、イタリアとヨーロッパ諸国
ーイタリア
・ゆるい法律
・ピエモンテ州
・トスカーナ州

 ルールが厳しいフランスに対して、イタリアは法整備に着手するのが遅く比較的にゆるいワイン法であると言えます。その結果、ワイン造りは多種多様なやり方が生まれワインは多様性が生まれました。そのため、ピンキリまでのワインがありどれが良いワインなのか線引きが難しくなっています。
 イタリアのワインの産地はピエモンテ州とトスカーナ州があります。ピエモンテ州ではバローロ村とバルバレスコ村で作られる赤ブドウ・ネッビオーロが有名です。
 また、トスカーナ地方では藁で放送された’’キャンティ’’があります。有名になりすぎて品質が悪いものが出回りすぎて、より伝統的なものをキャンティ・クラシコと呼んで差別化を図った歴史があります。’’ローマの休日’’にも出てくるので有名です。

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「ローマの休日にも出てくるイタリアトスカーナ地方のキャンティ」

また、スーパータスカンというイタリアのワイン法を全く無視したものがあります。イタリアのワイン法では地元の品種を使わなければ一番下の格付けになってしまうというルールがあり、このスーパータスカンはこの法律を無視したがためにテーブルワインとしての格付けを一度は受けるが、品質があまりにも良いために特例として上位の格付けをされているワインです。トスカーナ地方では黒ブドウ・サンジュベーゼがあります。

ーヨーロッパ
・三大酒精強化ワイン
 酒精強化ワインとはワインにアルコールを追加して作られるワインです。なぜそんなことをするかというと気温が高いところではワインの品質が悪くなりがちです。そこでアルコール%を高くすることによって、ワインの酸化を防ぐという仕組みです。三大はスペインのシェリー、ポルトガルのポートワイン・マディラがあります。


3、新世界
ーアメリカ
・規制か、自由か。
・1920年 禁酒法
・1976年 パリの審判

 ワインの世界は旧世界と新世界で二分できます。歴史が深いのはヨーロッパを中心とする旧世界、それに対して歴史が浅いのはアメリカ・チリ・オーストリア・ニュー・ジーランド・日本を中心とする新世界です。特徴としては厳しい規制はなく、それぞれ自由にワイン造りができるということです。アメリカのワインは90パーセントがカリフォルニアで作られているとい割れています。またオレゴン州のテロワールはブルゴーニュ地方に似ていると言われ素晴らしいピノノワールも栽培されています。また、カルトワインという超高級ワインがあります。

 実はアメリカでは1920年に禁酒法が施行され庶民がアルコール摂取ができなくなりました。実際にはこの法律を施行した後に闇バーが増えてより治安が悪くなったのではないかとも言われています。

 また、1976年に新世界と旧世界がひっくり返ったという’’パリの審判’’ がありました。アメリがが独立した200年後のことです。以前はやはりフランスのワインが世界で一番で、旧世界のワインはかなり下に見られているという背景がありました。そこでパリのワインの著名人を招いてブランドのコンテストを行いました。そこでなんとカリフォルニアのワインが赤・白の両方で優勝したのです。ちなみに赤の2位はシャトームートンロスチャイルドです。その三年後にはアメリカカリフォルニアワインの父であるロバート・モンダヴィとフランスのシャトームートンロスチャイルドが世界一のカリフォルニアワインを造るというコンセプトのもとにオーパスワンを作り上げました。この二人の顔が描いてあるジャケットがかっこいいです。

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「二人の天才が組んだカリフォルニアワイン・オーパスワン」


ーワインマーケティング2つの代表例
・コノスルの自転車マーケティング
・イエローテイルのブルーオーシャンマーケティング

 

 チリワインの自転車マークが特徴のコノスルというブランドがあります。実は何故これ自転車を描いているのか?ちゃんと理由があるんです。フランスには観客総数が1200万人と呼ばれる自転車の大会・ツールドフランスがあります。その大会のオフィシャルパートナーとして観客へのブランド露出を図ったのです。その結果、売り上げは70パーセント以上も向上したそうです。メディア露出がとても上手です。
 

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「チリワインのコノスル」

 オーストラリアのイエローテイルをご存知ですか?当時アメリカではワインというのは富裕層にしか浸透していなかったのです。なぜなら価格が高かったからです。そこで、ワインを誰にでももっとカジュアルに楽しんでほしいという想い・コンセプトのもとに価格帯を下げた、大衆向けにターゲティングをしてワインの顧客層を広げたのです。まさにブルーオーシャン戦略と言えるでしょう。
 

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「オーストラリアのイエローテイル」

ー補足
・ワインの保存7か条
・テイスティングの ’s’ ステップとは?
・コルクを抜かずに飲める、夢の最新技術 ’コラヴァン’

 

 ワインを保存するのに大切なのは温度・光・湿度です。いかに7か条を書いておきます。
1、13度前後の温度を保つ
2、強い光を当てない
3、湿度60%を保つ
4、ボトルを横にする
5、風を当てない
6、他の匂いを近づけない
7、振動を与えない

4、ボトルを横にするのはなぜか、コルクとワインの液体を触れさせてコルクの乾燥を防ぐためです。

7、振動を与えないというのは主にスパークリングワインです。

 テイスティングというのは主に目で見て、鼻で香り、口で味わうという基本の3つの行動のことです。そのテイスティングをsから始まる動詞8つで表現できます。
See, Swirl, Sniff and Smell, Sip and Swish, Swallow or Spit です。見て、回して、鼻で嗅いで、一口含んで舌にまわす、飲み込むもしくは吐き出す、という行動の一連の流れです。
 最後にコルクを抜かずに飲める、夢の最新技術 ’コラヴァン’ を紹介します。極小のニードルをコルクに刺し、窒素ガスを注入しながらワインをグラスに注ぎます。ニードルで開けた小さな穴はコルクの自然の力で塞がれるそうです。ちなみに値段は¥35,000と意外と安価だったのにも驚きました。

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「コルクを抜かずに飲める、夢の最新技術 ’コラヴァン’」


いかがでしたか?皆さんのオススメのワインを是非コメント欄で教えてください!!


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