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俺のイタリアン 俺のフレンチ〜ぶっちぎりで勝つ競争優位性の作り方〜

一世を風靡した ’俺の〜’ シリーズ。元ブックオフの社長が仕掛けた、革命的なビジネスモデルとは?

さて、今回紹介するのは飲食界に革命を起こしたブックオフの元社長である坂本孝の実業家としての半世紀の自伝です。この本で伝えたいことは未来の実業家に対してビジネスで一番大切なことは競争優位性を作るということです。自分の事業の強みは一体なんなのか、お客さんはなぜ僕たちを好きになってくれるのか、そして参入障壁を高くするということです。三つ星フレンチシェフの米田肇を始めとする料理人の自伝も好きですが、このような飲食業界をビジネス的観点から解く本が大好きです。読んでいてとても面白いです。どんな思惑で業界に革命を起こそうとしているのか、また成功要因は一体なんなのか?それを自分の事業どのように応用することができるのか?読んでてとてもワクワクするような本です。


一番印象に残った一文

 ’’人生の中で一番大切なことは、仕事を好きになって、仕事に没頭して、それを全うすること。それが人生だ。’

という稲盛和夫さんの言葉です。そんな人生が送ることができたら素晴らしいと思います。



この本から学んだ3つのこと
1、競合優位性の重要性
2、cost performance = value >price 
3、経営者目線による料理人の採用条件



まず一つ目はイントロにあるように事業を運営する際はなぜお客さんに選ばれるのか?という強い選択的な動機がなければこの世界では生きる残ることはできません。この世界で自分にしかないことは何なのか、この会社の強みはなんなのか?それを突き詰めて強みを伸ばして一点突破することが大切ある。また、俺のシリーズでは2つの勝ちパターンを掛け合わせて競合優位性を高めています。それは、’’立ち飲み×ミシュラン’’ です。この二つの勝ちパターンを掛け合わしてsomething new を創造したことが成功要因だったのであると思います。僕の競合優位性は料理、とりわけ和食の魚料理を積み上げていきます。そこにスパイスとして英語・スペイン語を掛け合わせます。
つまり

My Competitive Advantage = Chef x Global

ということになります。そしてとても大切なことはこの料理人としてのスキルをどれだけ高みを目指せるかというところに尽きます。会社とはチームですので、自分の強みを料理にして他の人に苦手なところ、つまり数字であったり、クリエイティブの分野を補ってもらい最終的なアウトプットにシナジーを創り出すからです。

 二つ目は cost performance = value >price  についてです。よくコスパがいい!という言葉を聞きますが、このコスパを分解していきましょう。簡単に言うと、価値が価格を上回っているという状況です。

俺のシリーズでいう価値
・一流店でも使うような上等な食材
・ミシュランでの経験を持つ一流の料理人

価格
・低価格(単価¥3,000)での提供。

この二つの要素の差が開けば開くほど、コスパの値は大きくなり感動を生むということです。つまりいかに付加価値をつけることができるかということ。僕の元上司もとにかく価値にこだわる人でした。本当の意味でのビジネスマンとはこのような人なのかもしれません。自分がどんな価値をこの世界に提供することができるのか、少し改まって考える時が来たのかもしれない。

 最後に経営者目線で見る料理人の採用です。僕は30最頃に自分の事業をしますが、それまでは雇用される側です。なので、どのような観点で欲しい人材となれるか?ということを初めに知ることができれば非常に役が立ちます。いかに条件。あくまで一例にすぎませんが。

1、ミシュランといった一流レストランでの経験(技術)
2、人格者(性格)
3、社長本人が食べてみてうまいと思えるかどうか。

はい、とてもシンプルですね。


内容
1、競合優位性 〜俺の〜
2、実業家としての歴史 〜10戦8敗の人生〜 
3、ブックオフ 〜FCは世のため〜
4、経営 〜稲盛和夫〜


1、競合優位性 〜俺の〜
俺のイタリアンを始めとするシリーズのコンセプト;

一流の料理人が一流の食材をジャブジャブ使いリーズナブルな価格で提供する

というものです。消費者目線で見るとこんなありがたい話はないが、経営する側で見ると、え、そんなことできるの?!原価が80%とかってありえないでしょ?経常利益が残るわけないじゃん、、、。でも実は残るんです。そこには数字的な根拠がしっかりあり、その数字に全員でまっしぐらするというから驚きです。16坪で月商1910万というから驚きを隠せません。なんと生産性の高いことか。

単価 x 席数 x 回転率 = 売上

をざっと導き出し、もし月にこれだけお客さんが来て、これだけ売上を立てることができたら原価がこの%だとしても利益が〇〇残るぞ!というそろばんを弾き、実現してしまうというからもう凄すぎます。〜俺の〜では銀座8丁目ドミナント戦略を取っており、本物が集まる銀座という地で俺のイタリアン、フレンチ、割烹を展開しています。
 なぜ東京から京都、大阪、また海外へと展開せずに一ヶ所だけなのか?それは近くに数多くの自社の異なる形態を店舗することによって、横のつながりを持ち改善を繰り返して互いに切磋琢磨させるという考えがあるようです。〜俺の〜シリーズの競合優位性は先ほども触れた通り、本物の食材を一流の料理人が調理しそれをありえないくらいリーズナブルで提供するというシンプルなものです。さらなる参入障壁を作り出すために新たに JAZZ の演奏を取り入れたそうです。革新は止まりません。

2、実業家としての歴史 〜10戦8敗の人生〜
独立後にオーディオ販売事業で大敗したという過去があります。理由としてはありきたりな事業をしてもお客さんは来ない。何か斬新なものがないとダメだ!と思い、古本屋のブックオフを開始したそうです。

3、ビックオフ 〜FCは世のため〜
 ブックオフは1000店舗に至るまで全国にありました。現在は電子書籍が流行していますが、僕はやはり紙の本が大好きです。そしてめちゃくちゃ自分が感じたことなどを書き込むのが大好きです。

ブックオフのビジネスモデル(収益化)はこのようなシンプルなものです。

・1000円の定価の本がある。
・100円で仕入れる
・500円で販売する

このような非常にシンプルなものです。フランチャイズというと金儲け的な悪いイメージがありますが、あくまで世の中のためという強い思いがあるようです。このような背景には一人の男の影響がありました。

4、経営 〜稲盛和夫〜

アメーバ経営(一つの大きな組織でありながら、個々のチームが一つの組織であるかのようにする経営体制。=全員参加経営。)で有名な京セラの会長である、稲盛和夫の存在です。彼が最も伝えたいことは ’’利他’’ です。自分のためではなく、世のため、人のため、ということです。正直、僕は極めて自己中心的です。むしろ、それの方がいいと思っています。20代は自分のことのみ考えて、料理という切り口でもって、世界を知り、自分を知り、自分への投資をしようと思っています。そして30代では事業を設立し、自分の強みを生かして、世の中のために自分を成長させてくれた恩返しとしてこの世界に貢献(利他)しようと思っています。なので20代はとことん、自己中を極めたいと思っています。
 
これが稲盛和夫の経営12カ条です。

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               「京セラ・稲盛和夫の経営12カ条」

心得1にあるように、〜俺の〜の社員さんが語るには、理念の共有が成功した要因の一つであるようです。末端の社員にも会社が持つビジョンが物凄く伝わっているそう。なので、やる意義が生まれる。つまり金銭的報酬ではなく、意味的報酬が享受できるということです。 
 また経営する際には〜俺の〜社長の坂本さんが語るには、物心両面の幸福を追求しているそうです。
1、精神的な幸福
人にとって最も幸せなことは成長を感じることです。だから、マネージャー層が人が活躍して成長を感じることができる環境を整備する。これがとても大切なことである。

人に教える、人が育つ、人が成長する、

このサイクルをいかに回すことができるかということです。

2、経済的な幸福
〜仕組みで勝って、人で圧勝する。〜
やはり給料をたくさん渡すためには儲けなければいけません。それはビジネスモデル的に利益率を追求することであったり、お客さんに来ていただくために競合優位性を追求することにあたります。そしてそれを達成してみんなで分配・山分けして社員の経済的な幸福を願うということです。


最後に

いかがでしたか?みなさんは〜俺の〜シリーズに来店されたことがありますか?僕は仙台に住んでいるので、ぜひ東京に行った際は来店しようと思っています。

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