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今でもみかんは大好きだいっ!

紀子の食卓観た。

みんな楽になりたくて、自分と周りに役割とかあり方とかを押し付ける。家族っていうのはまさにその1つで、血で繋がってるとか言ったって、何か物理的に繋がっていることはないんだから結局は人間の集まりでしかない。当人たちが拒否すれば、それは脆く崩れ去る。

子供のことを何もわかっていなかった家族と、レンタル家族のスタッフが演じる理想的な家族と、どういう違いがあるのだろう。コインロッカーに入れられて一度捨てられた子供に、もう一度家族としてやっていこうって、それは本当の家族といえるのだろうか。家族ごっこでしかないんじゃないか?そしたら、プロの役者が演じる方がよっぽど家族らしい家族ができるんじゃないか?

家族ってなんだ。

バラバラの家族と、レンタルされた完璧な家族、いったいどっちが家族らしいんだろう?



答えはどちらでもかまやしない。

どちらも嘘だ。嘘っぱち。本物の家族なんて存在しない。みんな自分のことを考えるのに必死なんだ。自分は自分の関係者であることで、いっぱいいっぱいなのだ。

この世は生きていくにはあまりにも複雑すぎる。

だから、嘘でいい。嘘でなにが悪いか?


欺瞞だけれど、何一つ真実はないけれど、みんなで一緒にすき焼きを食べよう。そしてたまには、昔のことを思い出して笑おう。楽しい思い出だ。嘘でも、過ごして来た時間は事実なんだ。

俺は最後のクライマックスで、何もかもがめちゃくちゃになっても、幻想の中のみかんちゃんが、今でもみかんが大好きなことに、俺はほっとした。

みんな紀子の食卓を見てください。



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