今月の花譜 2019.6.

5月20日から始まったファーストライブ「不可解」のCFで、わずか83秒で目標金額の500万を達成。ストレッチゴールの1000万も6分で達成し、最終日6月10日には4000万を達成。

CF開始当初、個人的には「ギリギリ1000万まで行ければ良いかな」程度の考え方だったが、1分以内で最高額7万がsold outになり、1分ちょっとで500万が達成された瞬間に観測者(果ては、共犯者)の熱量に驚かされた。

このCFの伸びも話題を呼び、彼女の歌を聴く人が増えたようで、CFが増えれば増えるほど観測者も増えるというような現象が起こっていたらしい。
本人もこの伸びには驚いており、

戸惑いを隠せなかったようで、すっかりふにゃふにゃになってしまっていた。それはまあ、そうだと思う。プレッシャーと思わずにライブに臨んでもらいたい。ちなみに私も一般チケット(D席)を奇跡的に入手できたので、ライブ現地に行ってきます。

6月5日にはオリジナル曲「過去を食らう」を投稿。

どちらかと言えばテンポの速い、「かっこいい」系の曲調。で、今までに無かった歌詞の詰め込み方でさらに花譜の可能性が拓かれた。カンザキイオリはボカロPだが、ボカロPっぽい曲調と言われればそうかもしれない。

MVの舞台になっているのは新宿。花譜はVインスタグラマーとしても存在しており、現実に在るものとして(いわゆる2.5次元)私たちと共在している。そのことをぐっと実感させられる。
さらに、MVの中で制服と袖まくり・フード外し(夏装備)を披露した。通称花譜ード(フードを模した巨大な魚のような生物)も街中を駆け回っており、””活き活きとした””MVとなっている。これも、今までの無機質だったり、孤独感・寂寞とした雰囲気を基調としたMV(例えば「雛鳥」)と対照的である。

6月12日にカバー「bin」(猫アレルギー)投稿。

ファンク系の曲。こちらもまた新しい花譜の世界と言えると思う。気だるげのラップ調を花譜ワールドで展開している。

裏話。かわいい。

6月28日、映画「ホットギミック」公開。「ホットギミック」自体のPVはこちら。

そして28日にCD発売・22時「夜が降り止む前に」MV公開。

PVで流れていたサビの盛り上がりもさることながら、メロの寂しげな空気からサビへの歌い上げ、ラスサビの高らかに歌い上げる花譜と伴奏の盛り上がりまで、ずっと鳥肌が立つ。
映像は集合住宅から川原という、人が集まる場所から人が対話する場所への移動。「ホットギミック」、原作は未読なのでコメントはできないが、何かあるのかもしれない。

最後に。CF最終日(6月10日)に投稿された花譜運営からのnoteによるコメント。

以前、「花譜運営は花譜を心底大切に思っている」という話をしたが、このnoteを読んで、よりいっそう花譜運営の、花譜にかける情熱の一端をしれた気がする。
Vtuberの熱量は止まることを知らずに拡大し続けている。その中で、「誰かの目に付く」とか「大きなイベントに入れる」というのは、それだけで彼/彼女/それの魅力が強いということを意味する。私も少しはVtuberを追いかけている身だけれど、そういう中で花譜運営が「奇跡的に観測された存在」というのは間違っていないと思う。
プロでもない、そして運営や収録との接触が難しい環境であるにも関わらず、そして中学生だったという非常に困難を伴う状態であったにも関わらず、そしていったんは諦めた運営が、Vsingerという存在に希望を託して「花譜」と出会ってデビューさせたこと。これは紛れもない奇跡だと思う。
多くの人々が、環境や大人の都合で振り回されて、その能力を深く沈めてしまっていることはある。それはいわゆる学問的な天才だとか、こういった芸能の才能が触れられるのだが、SNSの発達(pixivやツイッター)、あるいはプロでなくても能力を開示できる場が拡がった(ニコニコ動画がその好例だろう)ために、様々な人が様々な才能を開示できるようになった。そこで、これまでのビジネス的な観点になるべく縛られない形で花譜をデビューさせ、彼女に合わせてマネジメントするというのは強い決断じゃないかな、と勝手に思う。

(記事引用)
>私達は、花譜のこの不確かで脆い才能が、インターネットやクリエイティブやテクノロジーが介在し、“今彼女が出来ないこと”を補完することで、今後どう変化してゆくのか?

>いつの日かリアルのアーティストと肩を並べても遜色の無い、現実とバーチャルを越境出来るアーティストとなり得るのか?

>表現者全体にとって、転換期であるこの時代だからこそ起き得る”出来事”に興味があります。唯一であり最大の欲望が有るとするなら、そういった事象をなるべく一番近くで観測していたいのです。

そこにビジネスだけではない、理屈だけではない何かがあると信じて。

>そんな無謀な夢を抱きながら、私自身は同時に夢の無い人間でもあります。
(引用ここまで:強調Aikawa)

この部分が、あまりにもリアルすぎて心を掴まされた。理屈とか、理性とか、文章とか、そういうモノで表現しきれない「なにか」、情緒的な「なにか」、そういった不可解な、「よくわからない」ところに、花譜があるのかもしれない。

彼女が、彼女の感情を歌に乗せるように、私たちも、Vだろうが、そうでないにも関係無く、表現を受け取っていくことが、「よくわからない」ことなのかもしれない。

ライブは8月1日。会場は恵比寿・LIQUIDROOM。楽しみである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?