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2023年読んだ本たち

2023年は特に後半ミステリ小説にハマってたくさん読んだ。本を開けばすぐに行ける非日常へ没頭し、引き込まれて時間を忘れる。小学生の頃に戻ったようで幸せな時間だった。最近の作者をほとんど知らなかったので、本屋さんの店頭や図書館の表紙で選ぶ時間も楽しかった。
ネタバレなしで、印象に残った本を紹介します。

ミステリ・サスペンス系

櫛木くしき 理宇 依存症シリーズ

現在3冊シリーズで出ていて、一応独立しているが1冊目から読んだ方が分かると思う。1冊目の描写が正直あまり得意ではなく、色々想像して嫌な気持ちにもなった。(それくらいうまいし引き込まれた)が、2冊目、3冊目の登場人物の変容や描かれているものについて、目を逸らしても実際に社会にあるものだと、強く感じた。読めてよかった。ぜひシリーズで読んでみてほしい。

息子を六年前に亡くした捜査一課の浦杉は、その現実から逃れるように刑事の仕事にのめり込む。そんな折、連続殺人事件が勃発。捜査線上に、実行犯の男達を陰で操る一人の女の存在が浮かび上がる。彼女は一体何者なのか――。息をするように罪を重ねる女と、最愛の家族を失い死んだように生きる刑事。二人が対峙した時、衝撃の真実が明らかになる。

幻冬舎ホームページより

天祢あまね 涼 希望が死んだ夜に・あの子の殺人計画

この作家さんが地元に根ざしているのか、出てくるエリアにも馴染みがあってよりリアルに思えた。社会が見せる顔、私たちが見ないようにしていること。

神奈川県川崎市で、14歳の女子中学生・冬野ネガが、同級生の春日井のぞみを殺害した容疑で逮捕された。少女は犯行を認めたが、その動機は一切語らない。何故、のぞみは殺されたのか?二人の刑事が捜査を開始すると、意外な事実が浮かび上がって―。現代社会が抱える闇を描いた、社会派青春ミステリー。

内容(「BOOK」データベースより)

夕木 春央 方舟・十戒

謎解き要素もあり、どきどきしながら読み進める。すっと読めるが、最後まで読んだら、もう一度読み返したくなる。現代っぽいエンタメ要素もある小説。

9人のうち、死んでもいいのは、ーー死ぬべきなのは誰か?
大学時代の友達と従兄と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った三人家族とともに地下建築の中で夜を越すことになった。
翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩でふさがれた。さらに地盤に異変が起き、水が流入しはじめた。いずれ地下建築は水没する。そんな矢先に殺人が起こった。だれか一人を犠牲にすれば脱出できる。生贄には、その犯人がなるべきだ。ーー犯人以外の全員が、そう思った。
タイムリミットまでおよそ1週間。それまでに、僕らは殺人犯を見つけなければならない。

Amazon 商品ページより

勝浩 爆弾

どんどん先が読みたくなる、引き込まれる。この本からハマって、他にも「ロスト」「スワン」「マトリョーシカ・ブラッド」など一気に読んだ。

微罪で逮捕された男が、秋葉原の廃ビルで起きた爆発を“予言”した。あと二度あるという爆発を止めようと詰め寄る刑事。だが、男は巧みな話術でその正体すら掴ませない。そんな中、男が口にしたのは四年前に自殺した刑事の名前。警察が目を背けてきたそれが、事件を紐解く鍵か。タイムリミットが次々迫る中で巻き起こる、男と警察の頭脳戦。息をもつかせぬノンストップ・ミステリー!

Amazon 商品ページより

冲方うぶかた とう 骨灰こっぱい

フィクションだとは分かっていても怖い、でも読んでしまう。続きが気になる。冲方さんの他のホラー作品も読むのが楽しみになる作品。

第169回直木賞候補作! 進化し続ける異才が放つ新時代のホラー。
大手デベロッパーのIR部で勤務する松永光弘は、自社の高層ビルの建設現場の地下へ調査に向かっていた。目的は、その現場について『火が出た』『いるだけで病気になる』『人骨が出た』というツイートの真偽を確かめること。異常な乾燥と、嫌な臭い――人が骨まで灰になる臭い――を感じながら調査を進めると、図面に記されていない、巨大な穴のある謎の祭祀場にたどり着く。穴の中には男が鎖でつながれていた。数々の異常な現象に見舞われ、パニックに陥りながらも男を解放し、地上に戻った光弘だったが、それは自らと家族を襲う更なる恐怖の入り口に過ぎなかった。

Amazon 商品ページより

エッセイ、小説

古賀 及子ちかこ ちょっと踊ったりすぐにかけだす

日常をのぞかせてもらい、感性の豊かさに驚かされた。こんなふうに人と人が集まって、のびやかに尊重し合いながら暮らしていけたらいいなぁ。何気なく過ごしている日常を切り取る視点が面白く、古賀さんのお宅にお邪魔させてもらっているみたいな日記。noteでも書いていらっしゃるので、読めます。新刊も2月に出されるみたいで、楽しみ。

土門どもん 蘭 死ぬまで生きる日記

読めてよかったな。これを届けたかった人もいる。カウンセラーさんの力を借りながら、丁寧に自分と向き合っている記録。持って駄目な感情なんてないと、寄り添ってくれる。連載のときから大事に読んでいたエッセイが本の形になって届いて嬉しかった。読み返したい。フヅクエで静かにじっくり向き合って読めたのも良い思い出。

千早 茜 マリエ

家族の形を決めたくない。「子どもを作る」という言葉への違和感。日常にあふれて埋もれて、取り上げないように見ないように過ごしている想いを小説の形にして、ただ結論や説教の形にするでもなく、描いているようで心地よく読み進めた。凛とした彼女のような生活をしたい。背筋が伸びた。

* * *

来年もたくさん本を読む時間を作り出せるように頑張る。最近はオーディブルにもハマっている。ミステリ系はオーディブルでも聞きやすいかもしれない。自分の中で別のことを考えたり反芻できるのはやはり文字で見ることかもしれない。色々な読書体験を試してみるのは楽しい。
おすすめ小説があったら教えてください!

買ってよかったものも、よければ🐈

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