2023年読んだ本たち
2023年は特に後半ミステリ小説にハマってたくさん読んだ。本を開けばすぐに行ける非日常へ没頭し、引き込まれて時間を忘れる。小学生の頃に戻ったようで幸せな時間だった。最近の作者をほとんど知らなかったので、本屋さんの店頭や図書館の表紙で選ぶ時間も楽しかった。
ネタバレなしで、印象に残った本を紹介します。
ミステリ・サスペンス系
櫛木 理宇 依存症シリーズ
現在3冊シリーズで出ていて、一応独立しているが1冊目から読んだ方が分かると思う。1冊目の描写が正直あまり得意ではなく、色々想像して嫌な気持ちにもなった。(それくらいうまいし引き込まれた)が、2冊目、3冊目の登場人物の変容や描かれているものについて、目を逸らしても実際に社会にあるものだと、強く感じた。読めてよかった。ぜひシリーズで読んでみてほしい。
天祢 涼 希望が死んだ夜に・あの子の殺人計画
この作家さんが地元に根ざしているのか、出てくるエリアにも馴染みがあってよりリアルに思えた。社会が見せる顔、私たちが見ないようにしていること。
夕木 春央 方舟・十戒
謎解き要素もあり、どきどきしながら読み進める。すっと読めるが、最後まで読んだら、もう一度読み返したくなる。現代っぽいエンタメ要素もある小説。
呉 勝浩 爆弾
どんどん先が読みたくなる、引き込まれる。この本からハマって、他にも「ロスト」「スワン」「マトリョーシカ・ブラッド」など一気に読んだ。
冲方 丁 骨灰
フィクションだとは分かっていても怖い、でも読んでしまう。続きが気になる。冲方さんの他のホラー作品も読むのが楽しみになる作品。
エッセイ、小説
古賀 及子 ちょっと踊ったりすぐにかけだす
日常をのぞかせてもらい、感性の豊かさに驚かされた。こんなふうに人と人が集まって、のびやかに尊重し合いながら暮らしていけたらいいなぁ。何気なく過ごしている日常を切り取る視点が面白く、古賀さんのお宅にお邪魔させてもらっているみたいな日記。noteでも書いていらっしゃるので、読めます。新刊も2月に出されるみたいで、楽しみ。
土門 蘭 死ぬまで生きる日記
読めてよかったな。これを届けたかった人もいる。カウンセラーさんの力を借りながら、丁寧に自分と向き合っている記録。持って駄目な感情なんてないと、寄り添ってくれる。連載のときから大事に読んでいたエッセイが本の形になって届いて嬉しかった。読み返したい。フヅクエで静かにじっくり向き合って読めたのも良い思い出。
千早 茜 マリエ
家族の形を決めたくない。「子どもを作る」という言葉への違和感。日常にあふれて埋もれて、取り上げないように見ないように過ごしている想いを小説の形にして、ただ結論や説教の形にするでもなく、描いているようで心地よく読み進めた。凛とした彼女のような生活をしたい。背筋が伸びた。
* * *
来年もたくさん本を読む時間を作り出せるように頑張る。最近はオーディブルにもハマっている。ミステリ系はオーディブルでも聞きやすいかもしれない。自分の中で別のことを考えたり反芻できるのはやはり文字で見ることかもしれない。色々な読書体験を試してみるのは楽しい。
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