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冬季限定「しっぽく」うどん

午後1時。
昼ごはんの時間を敢えてズラして、とある店へ向かった。この時間になれば、昼のピークも過ぎて大体のお店は空いてくるはずだ…と思ったが甘かった。
行ったお店の店内は満席で入れない。

「20〜30分かかります」

お店の方にそう伝えられる。
ウソだろ?もう1時過ぎてるのに。
でもこの時点で代わりの選択肢はない。
了承してお店の前でしばし待機。待っている間にも後ろに人が続々と並んでいく。

そのお店の名前は「麺ごころ にし平」。
宮崎では珍しい讃岐うどんのお店だ。宮崎のうどんは、やわらかくてコシがない。一方にし平は、その真逆でコシが強くてボリューミー。昼時には多くのお客さんで賑わっている。

にし平には、冬季限定の隠れメニューがある。
そのうどんを「しっぽく」という。今日ここに来たのもそれが目当てだ。

「お待たせしました」

麺ごころ にし平のしっぽくうどん 650円(税込)

目の前に運ばれてきた器には、うどんが見えないくらいたくさんの野菜が載っている。
にんじん、水菜、ネギ、ダイコン、里芋、ゆず、レンコンなど、まだまだたくさん。冬が旬の野菜をふんだんに使ってある。

なんといっても、この「しっぽく」最大の魅力は、野菜の美味しさだ。
まず、野菜からとった出汁が格別に美味い。レンゲで一口すすると「鬼滅の刃」の煉獄さんばりに「うまい!うまい!うまい!」と連呼してしまいたくなる。

そして、野菜も柔らかくなるまで煮てあるので、ダイコンやニンジンは口の中でホロホロと崩れ、味も野菜自体の甘みを存分に感じられる。仮にニンジンが嫌いな人でも、コレを食べたらきっと克服できるだろうなと思うくらい美味しい。

麺ごころ にし平の麺はコシが強い讃岐うどん

一方で、野菜がメインだとお腹いっぱいにならないのでは?と思うかもしれない。それを支えてくれるのがコシが強い讃岐麺だ。出汁との絡みもよく、相性抜群。この一杯で十分満足できる。そして値段は税込650円。
もはや「神うどん」と言っても過言ではない…と個人的には思っている。

あっという間に食べ終えてお会計。
しっぽくって何月までやってるんですか?
いつまでこの味を楽しめるのかを聞いてみた。

「3月くらいまではいけると思います」

それを聞いて一安心。まだしばらくは、このしっぽくを味わうことができそうだ。

店を出ると、風が冷たい。
時間を確認すると、午後2時前。しっぽくの余韻に浸りながら、足早に午後の仕事へと戻った。

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