【バスケ】【Bリーグ】2022年GW直前、自分(愛球人)が考える今オフの移籍市場「6つの論点」(その1)。

 はじめに(本記事の趣旨)

 今季(2021-2022シーズン)のBリーグ、RS(レギュラーシーズン)終盤に突入しています。B1の各球団、残り試合は恐らく「5~6試合程度」かなと想像です。
 で、いまは「RS終盤」であり「GW直前」ですけど、この機会に、一バスケファンとして今日から2日連続で、2つのテーマで綴らせて頂こうと思ってます。


 (1)Bリーグが「いますぐにでも取り組んで欲しい、改善して欲しい」と願う「7つのこと」(4月25日月曜日にアップ。[その1][その2][その3]とあります)。
 (2)Bリーグ、今オフの移籍市場、自分が考える「6つの論点」(今回の執筆記事です)。


 この2つがテーマです。これは正直、「自分用メモ」をも兼ねていますけど、CSに突入したらそれがメインになり、こういうことをじっくりと綴れる時間が取れない可能性があるので(まとまった時間という意味で)、RS終盤のこの時期に綴らせて頂こうの感じです。


 2022年オフ、Bリーグの移籍市場、現時点で自分(愛球人)が考える「6つの論点」(要旨)

 今回は、本文を書き進める前に、まず「6つの論点」とは何かということを先に示します。その上で「具体的な考察」を進めます。


 【自分(愛球人)が考える、今オフの移籍市場の「6つの論点」。】
 (1)「齋藤(名古屋D)の海外移籍は起こり得るのか?」
 (2)「ベンドラメ(SR渋谷)は今オフ、残留か移籍か?」
 (3)「比江島(宇都宮)の決断は?もし移籍ならばどこへ?」
 (4)「ロシター(A東京)の島根への移籍は起こり得る?」
 (5)「貴重なアジア枠、D・ラモス(富山)争奪戦の動向は?」
 (6)「ハーパー(京都)は今オフ、残留か移籍か?」



 いま、自分が一バスケファンとして考える「今オフの移籍市場の『6つの論点』」を示させて頂きました。
 移籍市場というのは、1日1日で動向が激しく動きます。どのような展開や結末になるのか、そのドラマ性が自分は大好きです。

 それに、Bリーグの場合、2020年オフに現行のオンザコートルールになり、恐らくこれは固定化される可能性が高いでしょう(個人的には細かい改良が必要と思っていて、これは前回記事の「7つのこと」の[7]で言及させて頂きましたけど、ここではこれはひとまず置いておきます)。2020年オフに採用の現行オンザコートルールで試合レベルが上がったことの影響や、島根、広島といった大型補強に踏み切った(もうあれば、「金の雨を降らした」といってもよいレベルでしょう)球団の存在もあり、「かつてない空前の激動の移籍市場」になりました。

 実際、昨オフの移籍市場では、


 【昨オフの移籍市場で起きた「主な移籍劇」】
 「安藤誓(A東京→島根)」「金丸(三河→島根)」
 「辻(川崎→広島)」「寺嶋(京都→広島)」
 「竹内譲(A東京→大阪)」「岡田(富山→信州)」
 「安藤周(名古屋D→A東京)」「須田(A東京→名古屋D)」
 「フリッピン(千葉→琉球)」「前田悟(富山→川崎)」
 「KJ松井(京都→富山)」「鈴木達(三遠→京都)」
 「田口(千葉→秋田)」「川嶋(三遠→秋田)」
 「寺園(三遠→北海道)」「松脇(富山→三遠)」
 「津山(A東京→三遠)」「西田(新潟→三河)」
 「チェンバース(横浜BC→群馬)」「ロシター(宇都宮→A東京)」



 いま挙げた「有力選手」だけでも、この「20人」が挙がります。
 そう、まさしく「大移動」でしたし、その中には「金丸」「辻」のように「球団の象徴→電撃移籍」というケースもありました。

 そして興味深いのは、いま挙げた選手の多くが「移籍が選手・チームの双方にとってプラスになった」ことです。
 「岡田、寺嶋、西田、フリッピン」等の「有望な若手」は選手としてのステータスを高めましたし、「安藤誓」は失意に終わった昨季からのV字回復どころか「キャリアハイ(しかもMVP級)」のパフォーマンスで、特に今季前半はBリーグの話題の中心にいました。
 そして「金丸」。三河では説明不要の「絶対的エース」でしたけど、移籍した島根では、なんと「半ロールプレイヤー」を受け入れてまで優勝を目指す姿。特にこれはオフザボールや守備面に顕著に表れていて、「『優勝したい』ことへの強い想い」がとても伝わってきます。いまは負傷明けの影響もあり「6thマン」に回っていますけど、「『優勝したい』からってそこまでするのか」と感じるほどに、これがまたしっくりいってます。


 で、今オフの移籍市場の考察で、「6つの論点」を示させて頂きます。
 「実現可能性」が恐らく高くないだろうことも、正直含まれていますけど、「6つの論点」に共通するのは、「実現すればリーグの勢力図を少なからず(あるいは大きく)変える可能性が高い」ことです。
 では、「6つの論点」の具体的考察へと、話を進めます。


 (論点1)「齋藤(名古屋D)の海外移籍は起こり得るのか?」

 可能性でいえば「10%~30%」です。正直、「高くない」とは思います。
 ですけど一方で、「今オフが海外挑戦の『最大のチャンス』」とも思ってます。




 昨オフの移籍市場のときに、自分がさせて頂いたツイートです。
 正直、「今オフ」という意味でならば、「海外挑戦」があり得ると映る選手は、「齋藤(名古屋D)」1択と思ってます。
 勿論、海外挑戦は、相手があってのことです。ですけど少なくとも、能力的には「挑戦できる能力は既にある」と自分は考えています。

 ここでいう「海外挑戦」とは、現実的には「豪州NBL」ほぼ1択と解釈してます。中国CBAは「給与目当て」の意味合いが強いですし、欧州リーグ(スペイン、イタリア等)は、プレーリズムが独特ですので現時点ではあまり現実的には言えないような…と。
 いま、海外挑戦でだと、中村太地(原州[韓国KBL]。元京都。現在挑戦2年目)のケースがありますし、充実してると伺いますけど、韓国KBLは、Bリーグとさほどレベルに違いはないと伺うので、そう考えると、恐らく「残留or豪州NBL」の2択ではと自分は読んでいます。


 なぜ、齋藤が海外挑戦するかとすれば「豪州NBL」と考えるのか、その理由を下記で示します。


 (1)「リーグのレベル」。「Bリーグよりはレベルが高いけど手が届く」という意味で。それと豪州NBLだと、地理的な関係(距離はあるけど、時差のリスクがほぼないこと)に照らしてもリスクが大きくないこと。
 (2)豪州NBLは、外国人選手に「PG/SG/SF」が多い傾向があること。中位~下位球団ならば声が掛かる可能性は充分あり得るのではと。
 (3)デニスHCといわば「師弟関係」だが、「デニスHCが豪州の出身」であること。海外挑戦の声が掛かれば、デニスHCも球団も「齋藤本人に一任」、つまり海外挑戦に「反対はしないのでは」という読みから。



 結論から述べれば、ポジションが異なるので単純には言えませんけど、
 「一定のまとまった出場時間(例えば「15分~20分程度」)を確保できれば、馬場(現メルボルン。元A東京)と同等クラスのパフォーマンスは示せる可能性は充分にあり得るのでは。」
 と、自分は正直思ってます。
 勿論、逆のケース、はっきり述べれば比江島(宇都宮。かつて「2018-2019」に豪州ブリズベンに挑戦したが、1年持たずに帰国になった)のように「数字的な失敗」になる可能性もあります。ですけど齋藤は、
 「挑戦のステージに立てれば、少なくとも酷いスタッツにはならないかと。」
 と自分は読んでいます。

 ちなみに、齋藤が海外挑戦するとすれば「今オフ」と考える理由は、下記の感じになります。


 (1)「年齢的なこと」。今夏で27歳、いわば全盛期に突入するので、年齢的には「ベストタイミング」と考えられること。海外球団からすれば、30歳より若いことがより望ましいといわれているから。
 (2)今季のパフォーマンス(具体的には後述)。スタッツ的には「MVP級」ではと(見た目のスタッツは安藤誓[島根]が上回るが、「30分換算」でだと齋藤が上回る)。少なくとも「個人としてはBリーグ最高レベルであることを証明している」といえること。
 (3)「カレンダー的なこと」、いわば「代表活動との兼ね合い」。今オフに挑戦の結果、失敗で1年での帰国になっても「五輪の世界最終予選には間に合う」こと。これが来オフだと代表活動との兼ね合いに照らせばリスクの方が大きくなるので、「今オフ」であることがミソ。




 では、自分が今オフに齋藤が海外挑戦があり得るのではという「最大の根拠」としている「今季の個人スタッツ」を示します。


 【今季の「主要7人の日本人PG」の「30分換算でのEFF」】
 (EFF、PPG[得点]、APG[アシスト]、SPG[スティール]、eFG%の順に表記。)
 藤井(川崎)[19.94、16.36、6.52、1.46、55.5%]
 河村(横浜BC)[19.82、12.90、9.51、1.73、47.9%]
 齋藤(名古屋D)[18.19、14.85、7.49、1.50、52.2%]
 ベンドラメ(SR渋谷)[15.22、15.40、4.78、1.66、48.5%]
 富樫(千葉J)[14.73、15.98、7.78、1.08、49.9%]
 安藤誓(島根)[14.30、14.50、5.11、0.71、53.2%]
 寺嶋(広島)[13.67、13.77、4.34、1.37、56.9%]



 スタッツを見ると、「30分換算でのEFF」が最も高いのは、実は藤井(川崎)です。どの項目も、軒並み高いことが伝わります。
 同様のことは、河村(横浜BC)にもいえます。周囲の選手にもう少し恵まれればとも感じますけど、「味方を活かす技術」でならば「既に現役no.1」だろうと自分は思ってます。

 で、齋藤。ここで特に伝えたいこととして
 「『スコアリング(得点能力)、アシスト、守備能力』を高いレベルで備えている」
 ことです。特に、守備能力。「30分換算のスティール」が「1.50」ですけど、「数値以上に高い守備能力」を自分は強く感じてます。
 「172cm」とサイズには恵まれてませんけど、それを補って余りある「頭脳的な守備」ができること。

 実際、今季「京都vs名古屋D」(12月11日)を生観戦させて頂きましたけど、「齋藤は攻守両面で京都のガード陣(鈴木達、會田、細川)を圧倒してました」から。京都を応援する立場では、「天を仰ぐような絶望感」を感じましたけど、一バスケファンとしては「齋藤、生で観るとすごいなあ、かっこいいなあ…」と感じましたので。

 いま、守備能力を強調させて頂きましたけど、齋藤の本質って、それだけではないのです。ここで、齋藤の「選手としての特徴」を示させて頂こうと思います。

 【齋藤拓実(名古屋D)、「選手としての特徴」。】
 (1)「バスケIQ」の高さ。攻守両面で高い「状況判断能力」。「背中に目がついてるのか」と思う場面が試合中にほぼ必ずある。
 (2)(「状況判断能力」と関係するけど)「プレーの引き出し」の多さ。例えばパス一つをとってもいくつもの種類が。
 (3)「スコアリング能力」。爆発力が高い。特に「フローターシュート」が齋藤の代名詞。
 (4)「FT%の高さ」。直近3年間では「82.7%→85.3%→89.0%」と、いずれも「80%超え」。
 (5)「守備能力の高さ」。身長は「172cm」と、海外選手に比してだと小柄だが、特にスティールは直近3年間の30分換算で「1.29→1.34→1.50」と高い数値にある。



 そう、繰り返しになりますけど、海外挑戦への「機は熟している」、これが自分が特に伝えたいことです。
 今季、名古屋DはCS出場を叶えました。それは齋藤が導いた道といってよい。組み合わせ次第ではありますけど、「CS準決勝進出」は可能性は低くないのではと(「エサトンがいれば」という注釈付きになる感じはあるが)。

 それこそ、齋藤が海外挑戦するかどうかは、「齋藤自身が何を望むのか」「声が掛かる球団があるか」、この2点であると思ってます。
 ちなみに今オフの齋藤の国内移籍の可能性については「ない。シンプルに、する理由がないでしょ?」が自分の解釈です。「『齋藤らしさ』を最大級に表現できる場所」にできていると映りますし、球団の資金力もありますので。




 いま、豪州NBLの2人の外国人選手(アメリカ人)をリンク添付させて頂きました。
 「Peyton Siva」「Josh Magatte」。いずれも今オフのBリーグの新外国人候補と自分は読んでいます(勿論、実際に来日するかは別ですけど)。

 一つの目安として、齋藤はいま挙げた2人に比してどうかと。
 得点(PPG)に目を瞑り、「アシスト(APG)と守備に活路を求める」でならば、充分に通用し得ると自分は読んでますけど。
 (実際、「P・シバ」は守備力、「マガッテ」はアシスト能力を持ち味としている感じのようです。)


 では、「齋藤の海外挑戦の可能性」を、なぜ「今オフの移籍市場の6つの論点」の1つ目にしたのかといえば、「単純に見たいからだし、可能性はあると考えるから」です。勿論、齋藤の海外挑戦が現実になれば、名古屋Dは後継の正PGの補強が必要になるので、も理由の一つです(尤も齋藤の海外挑戦が現実になれば、その場合の正PGの補強は外国人で対応の可能性が高いとは思ってますけど。名古屋Dは「ストレッチ4」で張本がいるので、この方向性により説得力が出てくるんですよね)。


 (論点2)「ベンドラメ(SR渋谷)は今オフ、残留か移籍か?」

 【ベンドラメ礼生(SR渋谷)、今季成績[30分換算]。】
 (EFF「15.22」、PPG「15.40」、APG「4.78」、SPG「1.66」、eFG%「48.5%」)



 見出しを見て、「えっ?まず国内移籍はあり得ないでしょう?」と思われる人間が恐らくほとんどであると思います。
 かくいう自分自身、一バスケファンの想いとしては、
 「『ミスターSR渋谷』『SR渋谷の象徴』といえる、このままSR渋谷一筋を貫ければ『永久欠番』になれるのだから、ずっとSR渋谷一筋でいて欲しい!」
 これが素直な想いです。

 ですけど一方で、一バスケファンとしてのドライな思いでみると、
 「『優勝したい』という理由でならば、今オフの国内移籍の決断になっても、正直全く驚かない。特に今季の『金丸(三河→島根)、安藤誓(A東京→島根)、辻(川崎→広島)の躍動』を目の当たりにして、何も思わないことはないだろうから。
 とも、正直感じてます。


 現実的に、ベンドラメが今オフに国内移籍をするとすれば、その実現可能性は「30%」と読んでいます。
 ですけど一方で、ベンドラメが国内移籍を決断するタイミングと考えると「今オフ」になるのでは、と自分は読んでいます。そして、「球団の象徴」的な選手で、今オフに移籍の可能性がゼロではない選手はベンドラメ1人であろうことも。理由を下記に示します。


 【なぜ、ベンドラメの今オフの国内移籍が「あり得る」と読むのか。】
 (1)今秋で「29歳」という年齢。いわゆる「絶頂期」という年齢になること。一方で注目度としては富樫は勿論、安藤誓、齋藤、藤井の後塵になり、さらに河村も登場してること。
 (2)最大の理由は「SR渋谷」が置かれてる立場。「旧実業団」なこともあり資金力はある部類だが、直近3年間は「ベンドラメ+外国人+ロールプレイヤー」が常態化してること、つまり「有能な日本人選手」が移籍市場で来ていない実状。正直「優勝を現実的に目指せる戦力値」の見通しが立たない感じが否めずで、特に今季「CS準決勝進出」が叶わなければ移籍に心が傾く可能性は恐らくより高くなるのでは。
 (3)(2)と関係するけど、今季は移籍により金丸(三河→島根)、安藤誓(A東京→島根)、辻(川崎→広島)が躍動していること。とりわけ金丸は役割を「エース→半ロールプレイヤー」に大きく下げてまでも「優勝したい」最優先であり、しかもパフォーマンスを落としてないこと。この影響が全くないことはないのではと。
 (4)上述の3つに加えて、代表争いも移籍に拍車をかける可能性が。今季は個人成績を伸ばしてるのに、代表争いではむしろPGでの序列を下げていること。再び代表に定着するには恐らく移籍が最善手になることも拍車感が。



 「長期大型契約」が理由での国内移籍は、性格を考えると「ない」と読んでます。ですけど、「優勝したい」が理由での国内移籍は、「少なからずあり得る」が自分の読みです。

 今季のSR渋谷の不調の要因として、よく「外国人の負傷離脱の影響」が言われています。確かに「理由の一つ」とは思いますけど、問題の本質は「より根深いところにある」と、自分はずっと思ってます。
 理由の最大の部分は「ベンドラメ以外の日本人選手で『違い』を生み出せる存在がいないから」。それと「4Qのクラッチタイム(オフィシャル90秒TO終了後の『ラスト5分間』)での失速癖」です。
 志向するバスケスタイルは、自分は好きです。ですけど、秋田にあってSR渋谷にない「何か」があるのではと(似たスタイルである秋田はSR渋谷ほど4Qでの失速癖はない。しかも手持ちの戦力値自体は秋田より少し上回る)。


 この記事の執筆の数日前に、「マカドゥ、SR渋谷と新たに来季から3年契約へ」という話題が出てきました。どうやらほぼ確定のようですけど、球団からの公式発表は現時点ではありません。
 そう、「資金力がない訳ではない」のです。ハレルソンも優良外国人ですし。ですけどこの3年間、いわゆる有力日本人選手の移籍獲得は、石井1人です。

 しかも、SR渋谷は、一見「ビッグマーケット」の球団ですけど、よくみると近隣に「競合球団」があり、優先順位ではこの後塵になってしまっています。「競合球団」とは「A東京、川崎、千葉J」。加えて、SR渋谷と恐らくほぼ同等の資金力であろう宇都宮にも、成績的には後塵の現状です。
 そう、いわば「ミドルマーケット」の域を出ない。で、年齢構成的に考えても、「上がり目」がどれほどあるのかというと、大きな疑問符の感が否めない(「上がり目」であれば、恐らく秋田の方がより上回るでしょう)。


 で、話を、「金丸」「辻」のことに戻します。
 昨オフ、金丸や辻の移籍、これが現実に実現することを、どれほどのバスケファンが想像できたでしょうか。
 いつ頃からか、金丸や辻が移籍を考えているらしいという噂が出てきていました。かくいう自分自身、「辻はあり得るかもだけど、金丸はないでしょ?移籍するとして、どこにフィットするのよ、『王様スタイル』から脱却できるのか?」と正直思っていました。


 (1)昨オフの金丸
 [1]移籍の理由→「優勝したい」。
 [2]三河での金丸→「絶対的エース」「名誉生え抜き」。
 (三河で8年間プレーしたが、プロ入り最初の2年はパナソニックであった)
 [3]移籍直前の三河→「CS1回戦」。超攻撃型であった一方で、守備面の脆さが指摘されており、選手編成的にも「これ以上上がり目がない」実状であった。
 [4]どのように移籍?→球団側は恐らく全力で慰留したが、金丸の意志が固く、移籍を認めざるを得なかったのでは?と。


 (2)昨オフの辻
 [1]移籍の理由→「新しい挑戦がしたい」。
 [2]川崎での辻→「生え抜き(篠山、藤井と共に「生え抜き三銃士」)」「アウトサイドの得点源」。しかし一方で、藤井の急成長により「生え抜き三銃士」の中での序列が3番手になりつつあった。
 (川崎では9年間プレー。明るい性格で、特にYouTubeなどでファンに親しまれていたとのこと。)
 [3]移籍直前の三河→「CS準決勝」。戦力的には優勝を狙える感じではあったが、宇都宮に周到に対策されて屈した形に。尤もこのCS準決勝の時点で辻は移籍の意向を固めており、この時点で広島とは「条件面を詰めるだけ」になっていたといわれている。
 [4]どのように移籍?→昨季中盤の時点で「生え抜き三銃士」内の序列で藤井に抜かれた感があり、半ば移籍の流れがつくられていたとも(「6thマン」に回るか移籍かで、恐らく後者を選択?)。この流れを突いた広島が電光石火で争奪戦を制した(ちなみに夫人の故郷が広島であるらしい。自身の故郷である大阪も争奪戦に参加していたといわれるが、争奪戦は広島が優勢で進めていたといわれる)。


 (3)今オフのベンドラメ
 [1]移籍可能性の理由→「優勝したい」。
 [2]SR渋谷でのベンドラメ→「生え抜き」「絶対的エース」。
 (SR渋谷では現時点で6年目。3年目からずっとエースを務めている。)
 [3]現時点でのSR渋谷→最終成績は「?」。2020年に天皇杯優勝を叶えているが、CSでの最高成績は「1回戦敗退」の2回。
 [4]移籍するとすればどの形に?→球団側は「絶対的エースなので全力慰留」が確実。つまりもし移籍ならば「金丸パターン」になるが。


 いま述べたように、もしベンドラメが移籍を決断するならば、まさしく「金丸パターン」と読んでいる訳です。いまの段階では、「目の前のことに全集中」で、先のことは「白紙」だろうと想像です。
 どういうことかというと、

 ・引退後を含めた「中長期的に」→1年でも長くSR渋谷で(=残留)
 ・選手としての「いま」を最優先→「優勝したい」が選択肢に?

 ということなんですよね。いままでの言動的にも、試合中の振る舞い的にも、「チームのために」「SR渋谷が大好き」が伝わってくるので、移籍ということは、正直想像したくないのが素直な気持ちです。
 ですけど、いわばこうして「スコアリング」してきたのは「チームのため」であったけど、それがチーム成績に直結できていないこと。「こんなに自分は頑張っているのに…」と心が揺れ動いても不思議ではないのでは?と。
 仮に、もしも移籍の噂が現実になるとすれば、それは前述のように「CS準決勝進出に失敗したとき」でしょう。いまはCS出場権を秋田、三河と激しく争っていますが、もしもCS出場自体を逃せば、移籍の可能性は一気に高まるのではと自分は読んでいます。


 これに加えて、こうして「移籍の可能性」を示すのは、「獲得に乗り出すだろう球団が恐らくあるから」が理由の一つです。では、獲得に乗り出すとすればどの球団かを、考えてみます。


 【ベンドラメが今オフに移籍を決断するならばどの球団に?】
 [1]大阪(「昨オフの補強失敗」「売上高を伸ばした」「社長が変わった」ことで、恐らく今オフは補強資金を多く用意してる可能性が高いこと。加えて今季は「ニュービル個人軍化」に苦しみ、「大型補強」が確実に必要なこと。スタイル的には「走るバスケ」なので大きな違いがなくフィット可能だし、ベンドラメはSGもできるのでニュービルとの共存には問題ないこと[どちらがSGに回っても対応できるスキルがあるという意味で]。)

 [2]秋田(資金力的にはむしろ「スモールマーケット」の球団だが、現有戦力のほとんどが複数年契約中であり、古川の残留が叶えば[恐らく残留だろうと読んでるが]、今オフの補強資金は「正PG」に全集中できる。しかもスタイルはSR渋谷と似ており、ベンドラメのプレースタイル的にもほぼ確実にフィットできる。「優勝したい」に合致かは疑問符だが、「共に目標に向かって成長できる」意味ではより合致できること。)



 移籍を決断して「争奪戦になるとすれば」、ほぼ上述の2球団だろうと自分は読んでいます。これは「選手編成」「補強資金」「口説き文句が届きそうか」の3つの要素を満たし得るかを考えるとで、この2球団です。
 これに加えて、「『年齢構成的な若返り』と『改めて優勝を目指す』の両立」という理由で宇都宮が争奪戦に参加する可能性もあります(この場合、鵤を正SGに回して、正PGでベンドラメを獲りに行くイメージ)。ただこの場合恐らく、比江島を放出してベンドラメを獲るという感じになるので、「あり得なくはないけど、これってどうなのかなあ…」と思ったので、有力候補からはここでは外しています。
 それぞれのケースをより具体的に考えてみます。


 ・大阪
 プラス要素(「スタイル的な合致」「補強資金的にOK」「守備意識をプラスできる」「ニュービルの負担軽減」)
 マイナス要素(「勝者のカルチャーの不足感」「ハンドリング機会の減少が確実」「ニュービルとの役割分担のすり合わせ」)

 ・秋田
 プラス要素(「スタイル的な合致」「同じ方向性を共有できる」「絶対不動の正PGが確約」「ブースターの熱量」)
 マイナス要素(「『優勝したい』を満たせるかの不安感」)


 この2球団の中でならば、より「合いそう」なのは「秋田」でしょう。秋田にしても、「足らないところ」は「正PG」とはっきりしていること(確かに長谷川は今季大きく成長したが、vs有力球団を考えるとやや不足感が。加えて2年契約を結んだ大浦が今季伸び悩んだ誤算も、ベンドラメ獲得に乗り出す可能性に説得力を与えます)。つまり「大枠となる選手編成の上での『ラストピース』」であることが、プラスに作用するのではと。
 ただ、資金力とスタイルを総合するならば、「大阪」です。とはいえ問題は、大阪だとニュービルがいるので(ニュービルも「PG/SG」の両方に対応できるので、すり合わせ自体は早くに対応できるだろうとは映るが…)、そことの兼ね合いをどうするかです。それに大阪だと「大型補強の中の1ピース」になります(しかも大阪自体が、CSを叶えるには島根や広島との競争を突破しなければならないこと)。そこの問題もポイントと映ります。


 繰り返しになりますけど、ベンドラメは若くして既に「SR渋谷の象徴」です。あとはもう、「ベンドラメ自身が優先順位に何を置くか」で、今オフは残留か移籍か、になるのかなと考えられます。
 ですけど、この記事を執筆中に、この記事が入ってきました。




 元京都で、直近の2年は韓国KBLの原州でプレーしていた中村が、「今オフにBリーグに復帰の意向」というインタビュー記事です(インタビューの終盤で、「Bリーグに復帰の意向」とはっきりと綴られてます)。
 能力的には、中村もCS出場圏の有力球団で勝負できるレベルとは思ってますけど、中村とベンドラメを天秤にかければ、恐らくベンドラメの方が上回るかなと自分は思ってます。
 ですので、「ベンドラメが今オフに移籍市場に出る可能性が低くない」と読むのは、「ベンドラメに失敗しても中村がいる」、これが拍車をかけるのではと映るんですよね。


 繰り返しになりますけど、ベンドラメにとっては今オフは「決断」のときになるのでは、と自分は読んでいます。これは「優勝したい」ことと共に、「再び代表定着を」も、決断に影響するのではと。
 ちなみにベンドラメは、出身が福岡で、高校は延岡学園(宮崎)です。ですので今オフはもう1年残留して来オフに移籍市場への可能性もありますけど(来オフだと長崎、佐賀あたりはB1昇格の可能性があるから)、いや、決断があるとすればあくまでも今オフだろうなあと。
 「SR渋谷の象徴」と「優勝したい」のどちらにより優先順位を置くのか、こればかりはベンドラメ自身が考えることだから、と。

 ただ、これも繰り返しですけど、
 「どのような決断でも尊重されて然るべきと思う。でも一バスケファンとしての素直な気持ちを綴れるならば、『御願い、行かないで!』です。」
 これが素直な気持ちです。


 ちなみに、自分は大阪ブースターでもありますけど、獲得候補の一つに大阪を挙げていますが、
 「獲れれば嬉しいけど、実現可能性は高くない訳だから、獲れればいいなあと思って温かく見守る感じ。でも『勝機あり』と判断できる状況になれば、全身全霊で獲りにいって欲しい!やはり『日本人選手で《違い》を生み出せる選手の存在がいる』といないとでは全然違うから!」
 これもまた、素直な気持ちです。


 気付けば、かなり文字数(スペース)がかさんでしまってますので、続き(「6つの論点」の(3)以降)を(その2)で綴らせて頂きます。


 【バスケットボール#5A】

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