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パリ 25ans - 13 juillet

13 juillet, 3 pm, Pont de Sevre,

電話が鳴った。

セーヌ河からの気持ちよい初夏の風がカーテンを揺らしている。

1週間前に始まった夏期講座で、クラスメイトになったマキさんからだった。「今日の夜空いてる?フェットに呼ばれたの、一緒に行かない?」

明日は7月14日革命記念日、その前日はフランス中の消防署で前夜祭のダンスパーティーBals des Pompiersが開催される。そこで少し踊って、そのあとフェットというホームパーティーをするので来ないかという誘いの電話が、夏の1ヶ月だけ借りている部屋の持ち主にかかってきたそうだ。彼女は日本にいると言ったけど、うまく伝わらなかったのか、うまく断れなかったのか、一緒にいくことになったという。

「一人で知らないフランス人のフェットにいくの怖いから、ねえ、お願い一緒にきて」

私の1年間のパリ滞在はこの夏期講座1ヶ月とバカンス1ヶ月で終わる予定だった。やっとフランス語になれてきたけど、クラスメイトの外国人ばかりと話していて、それほどフランス人と話せたわけじゃない。マキさんは文法ができて上級クラスにきたけど、話すのは苦手だったので、軽いノリでつきあうことにした。1週間前にクラスメイトになったばかりの人と、知り合いというわけでもない人たちの集まりにいく、そういうよくわからないつながりを綱渡りのようにふらふらすることも、当たり前のようになっていた。




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