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Van Gogh

南仏への小旅行で、アルルへ行った時、
街のあちこちにゴッホの絵と、そのモデルとなった建物や風景があった。
夜のカフェテラスのカフェや、桟橋。
私の目にはただの町並みや風景に見えるのに、
絵は一度見たら忘れられない黄色と青。

父がゴッホが好きというので家族で行ったオーヴェール・シュル・オワーズ
ゴッホが住んだ家には、日本のファンによる寄贈の立派なスクリーンが置かれ、
彼の生涯を映像で見れるようになっていた。
教会もそのままの姿で残っている。
彼が自殺したといわれるお屋敷の裏庭。
その館は印象派のテーマパークになっている。
外見からは想像もつかないハイテクテーマパーク。
小さな町は散策するのにちょうどいい。
オワーズ川はきらきらと輝き、夏の名残の暑い日だったので、
少年たちが、橋から川に飛び込んでいた。

パリの小さな画廊で、
ゴッホのデッサンについての展覧会がやっていた。
彼のデッサンには、だまし絵のようにたくさんの人や動物が隠れているという。
こんもりとした森の中に、確かに馬の顔や人の横顔が見ようと思えば見える。
昔こういう絵本があったなあ、と思いながら、懸命に帽子をかぶった男や犬を探した。
浮世絵のデッサンもあった。
飾ってある上下がどう見ても逆。
中の漢字が逆になっていて、首をひねっていたら、係りの人がやってきた。
逆だと思う、というとかけなおしてくれた。

ロンドンのナショナルギャラリーで見たゴッホのひまわり。
しばらく動けなくなってしまった。

ゴッホ展が東京国立美術館でやっている。5月22日まで。
いってみたいけど、彼の絵はちょっと強烈なので、たくさん一度に見れるかな。
きっと人がいっぱいだから、そういう人にまぎれながらちらっと見れたら、
それでも十分かもしれない。
ゴッホにまつわるところをうろちょろしてきたのに、彼の絵をちゃんと見たことはあんまりないのだ。

ゴッホ展 東京国立近代美術館(2005)

土曜日午後5時ごろ
入場に60分待ち

やっと入っても絵の前は何重にも人人人。
でも、見てきました。
自画像も
黄色い家も
夜のカフェテラスも
糸杉と星の見える道も

オランダからパリへ、アルル、サン・レミ、そしてオーヴェル・シュル・オワーズ
人は変わり行くもの、と思いました。
生まれながらの狂人はいない。
目の前に広がる風景と、脳裏に広がるイメージとが
かけ離れていくほど、彼が求めたものは何だったのでしょう?
彼の絵には生活のにおいがしない。
何を食べて、何を楽しみ、誰と語らい、誰を愛したのでしょう?
激しく偏った情熱。
そんな風に生きていける人がどれくらいいるでしょう?
これまでもこれからもこんな風に絵を書く人はいない。
だから私たちはこんなに魅かれてしまうのでしょうか?

プラトニックとはプラトン風のということだそうです。
彼の絵を見ていてふと、そんな言葉が頭をよぎりました。

そして、2019年から2020年にかけて、ゴッホ展が東京上野の森美術館と兵庫県立美術館で開催されています。https://go-go-gogh.jp/

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