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助産宿のビジョン・ミッション・バリュー ~妊娠・出産・子育てには、みんなが輝く種がある~

6月に立ち上げ、7月にキックオフミーティングをして、8月に隣の市の産後ケア現場を見学に行った助産宿(じょさんじゅく)。

また生まれたてほやほやの、団体としての要件を満たすにはもうちょっと、いろいろ整える必要のある任意団体だけど、ようやく! やっと! いや、立ち上げから3カ月でもう既に!?

9月の3回にわたる集中ミーティングで、最も根幹となる部分を決めることができた。決定までの過程の想いと共に、ここにまとめておきたい。

ビジョン ―― 私らしく、あなたらしく、一緒に育っていこう

助産宿が掲げるビジョン――理想の社会、将来像。それは、誰かが誰かを一方的に育てるのではなく、互いに育ち育てられる関係。支え合うつながり。

親になって、何年経った頃だろう、「あぁ、私は妊娠・出産・子育てを通じて、子どもから親にしてもらったんだ」という実感を得た。

それまではなんと甘ちゃんだったのだろう。いや、親にならなくても、大人として、きちんとふるまえる人はこの世にたくさんいる。でも、私はそうではなかった。あぁ、今でもちゃんとしていないことはたくさんあるけれど、でも、子どもたちに教えているようで、教わったこと、鍛えられたこと、過去形でなく現在進行形で、今、まさに育てられている。

親子だけでなく、先生と生徒も。医師と患者も。支援者と支援対象者も。そのやり取りは一方通行ではなく、双方向。コミュニケーションはいつもフラットに。影響を与えているようで、与えられている。そんな気づきにあふれた社会にしていけたら。

そして、何より、ママたち、パパたちが、まず自分を大切にできたら。どうしても子ども優先で、身を粉にして動く大人は多いけれど、まず自分が自分であることを大事にしたい。そこから、目の前の相手が本人らしくいられることも尊重できるようにしていきたい。

大人が「子どものために」と頑張りすぎることで、価値観や未来の方向性を押し付けてはいないだろうか。みんなが自分らしくいられること以上に、今の社会に必要なことがあるだろうか。いつも素晴らしい自分だけじゃなく、ダメな自分も、それでも自分らしいな、うまくいかないことはあっても、よくやっているよね、と認めて受容できたら、そんな些細な勇気が、生きていく糧になるんじゃないか。そう思えてならない。

だから、私は私を大切にするし、あなたがあなたでいることを尊重したい。フラットな意思疎通で、縦横無尽の自由で発展的な関係を社会に築きたい。メンバー一同でいっぱい話し合って、そんな思いを込めたビジョンにしてみた。

ミッション ーー コーディネーターであり、支援者であり、当事者であること

ビジョン(理想の社会像)を実現するためにやること――それは、誰もが主役になれる場を作り、つなぐこと。人と人、人と情報、人と選択肢を。

選ぶのは本人。決めるのは本人。人生の主役は本人。でも、そこに至るまでの道は平らかではない。だから、本人が納得して決めるまでを伴走したい。

選ぶ・決めるのに必要な場があれば作るし、迷っていたら、助けとなる情報を提供する。そして、自分の人生を自分らしく生きることを楽しんでほしい。

妊娠・出産・子育ては、その主体者となる女性のものだけではない。もちろん、その主役はその女性かもしれないけれど、たとえば先輩が体験談を語ることで、どれだけ安心したり、備えたりできる人が増えることか。疲れたーってママたちが、ちょっとお昼寝や食事をする間に、自分の得意なことで子どもの相手をしてくれる大人がいてくれたら、24時間1人きりになることがほとんどないママたちはどれだけ救われるだろうか。

妊娠・出産・子育ては、社会の次の担い手を育む、地域を豊かにする営み。そこで誰もが自分の好きなこと、得意なことを活かして、主役となって、サポート役になれたら。支えられた人は、その体験を次の人へ支え役となって、つないでいけたら。支援の好循環を地域に根付かせたい。

だから、支援する私たちも一方通行で支えるだけでなく、当事者の立場を忘れずにいたい。多様な想いを抱く、多様な人々の1人として、支援者であり、当事者であること。そんな思いを込めたミッションを実現する。それが助産宿の進む道。一緒に歩いてくれる人、見守ってくれる人、走ってくれる人、みんながそれぞれのペースで、一緒に寄り添ってくれたら、と願う。

バリュー ーー 多様なすべてのいのちが尊重され、輝ける社会にする

ミッションを果たすために提供するバリュー(価値・存在意義)、それはすべてのいのちの尊重。

妊娠・出産を中心に、性教育も、家庭はもちろん、不登校を含めた教育現場や地域の対等なパートナーシップも。包括的に、いのちをめぐる課題は丸ごと、ぐるっと全体を包み込むように、ひも解いて、乗り越えていきたい。

助産宿が掲げる『助産の支援』それは、本人の主体性を尊重すること、プライベートなお産の個別性を理解すること、人本来が持つ力を活かした生理的なバックアップ。(詳しくはこちら ↓ を参照)

大人が恥ずかしげもなく理想を語り、子どもたちも「これがやりたい!」を実現できる地域社会に。みんなが生き生き、好きなことや得意なことに没頭できたら、どんなに素敵だろう。

そして、どんな想いも受け止める。誰一人、取り残さない。寂しい想いも、悔しい、つらい、悲しい想いも、怒りも、喜びも。他者を気にすることなく、自分に集中して、全部吐き出せる場を。何を言ってもいいよ。どんなあなたでも大丈夫だよ。この言葉を今、殻に閉じこもっている人に、この地域社会で生きるすべての人に、伝えたい。

私は私を生きる。だから、あなたもあなたを生きて。とにかく生き抜いて。そうしたら、きっとまた見えてくる風景は少しずつ変わってくるから。

メインビジュアル ―― いのちを真ん中に、すべての人がその人らしくいられるように

以上のビジョン、ミッション、バリューを体現する助産宿のメインビジュアルも決まった。

いのちを真ん中に。すべてのいのちを尊重したい。

そして、すべての人のその人らしさも。

私とあの人は違うかもしれない。考え方も、めざす方向性も。でも、その人がそう決めたなら、たとえ納得はできなくても、その人らしさを大切に見守っていける社会にしたい。

誰もが自分らしさを無視して、生きることはつらすぎるから。

自分の自分らしさ、私が私であることを尊重できたら、目の前の相手も、その人らしくいられることを大切にしたくなる。

だって、私とあなたは違う人間だもの。そして、違うことは、対立や競争ではなく、本当に素晴らしいことなんだと。異なるものの共存から生まれるのがイノベーション。革新的進化なんだと、違うこと、多様性をもっと認め合える社会にしたいから。

この助産宿の価値観に賛同してくださる方を募っています!

以下、イベントのお知らせです。

10/4(日)は映画を通して、出産をめぐる人の尊厳について対話の会をオンラインで。映画の舞台はアフリカだけど、私たちの社会でも、尊厳を脅かすことが起きていることに、どれだけの人が気づいているだろうか。

事前申込制なので、関心があればぜひお早めにお申し込みを!

そして、助産宿が定例にしているおしゃべり会も。

妊婦さん、産後のママたち、どうぞ気軽におしゃべりに来てください♬ 今回のテーマは「産前産後の喜び、怒り、哀しみ、楽しみ」。気持ちの波が変化したエピソードをみんなでシェアしましょう。今回は副代表で助産師の梅澤優美子も参加予定です。

まだまだ、いろいろ仕掛けていく予定だけど、長くなってしまったので、今日はここまで。助産宿への賛同とニーズがあれば、どんどんお寄せください。皆さんと共に、豊かな地域社会で循環する支援の輪を広げていきたいと思います♡

安心して産み育てやすい社会を作るため、また社会全体で子育てを支援する仕組みを作るため、サポートいただけると嬉しいです。いただいたサポートは、あいのちの活動で使わせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。