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初診について

 久しぶりに、精神科の患者に戻った。
受診理由は、衝動的な自傷だ。

 中学生振りのリストカットとODに、自分でもかなり動揺した。人は、自殺願望が無くてもあっても、行動化する直前の記憶なんて無くて、その突発的で衝動的な行為がどれほど馬鹿げていると知っていたとしても、決して立ち止まることはできないものなのだということを改めて学んだ。学んだというよりは、実感した。

 思えば、思わなくても記憶の片隅にはあったが、私は幼稚園児の頃から登園拒否をしていた。児童精神科の初診はいつだって、母子手帳と臨床心理士とセットで、はじめての寝返りはいつでしたか?はじめて話したのはいつ?後追いは?母子分離は?などの神経発達から精神発達まで。詳しいことは専門家ではないのでわからないが、とにかく定型の発達をたどってきたのか、発達相談や療育を受けたことはあるのか、検査の結果とか小学校からは普通級に通えていたのかなど詳しく問診を受ける。

 でも、もう私は児童ではない。だから、そんな問診も受けることなく、成人を診る精神科の医師の初診を自らの意志で受診予約を取って受診することになった。
 精神科の医師の診察は、治療関係を築くためにも医師との相性が大切だと言われている。今回の初診は、、初診にして成功したのでは?と感じた。例えば、行政で組まれた婚活イベントに初めての参加で次のデートまで決まるほどの出会いがあった。とか、それくらいの偶然と奇跡が起きたくらいのご縁があったと感じる初診だった。馬鹿げた例え話だが、実際に次の受診の予約はしっかりと入れて帰ってきたのだから。初診にして決断するには少し早すぎるかもしれないが、良好な治療関係を築いて行けそうな医師との出会いには恵まれたと判断する。

 こうして、成人して人生ではじめてと感じる、自分の意志で精神科の初診受診先を見つけた経験が無事に終了した。他人から見れば、くだらないと思うかもしれないが、病院に命を預ける側として、そして次の受診まで生き延びることを約束する側としても受診行動は大切なものだと実感した。

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