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忘れ去られた、あるいは知られていない技術、製版。

クライアントとの打ち合わせのために出かけて、ふと目に止まった袖看板。
おっ? と思って見てみたら営業されている。
まだMacがデザインの現場に入っていない頃、製版の方達が担う領域はとても重要でした。

写植屋さんがなくなり、版下屋さんがなくなって。
製版屋さんも業態を変えざるを得ない時代があったのですけれど、事業規模に対する現場への投資がデカい業種のひとつだったので、稼働している企業さんがあるということにとても嬉しく思ったのでした。

版下を作って、
トレーシングペーパーをかけて、
色指定して、
色校正をいただく。

そんなふうに誰かの力を借りないとできなかったことが、いま、ひとりでもできるようになって。
はたしてそれは、いいことなんだろうか?
と、ときどき考えることがあります。

昔よりも「自分でやりたい人」というのは増えていて、デザイナーはその最前列に座っているような気がするのですよね。

コストが最優先になるのはわかるけれども、
誰かに支払うことを減らしていった結果、相乗効果を産まない環境ができあがっちゃったというのは、クリエイティブと真逆の流れだよなあ、と感じたりします。

シナジーとか異業種交流とかサロンとか、世の中にはいろいろありますけれど。
お金のほうが先に立つコミュニケーションだけでは、やっぱり限界あるよね。

FUJIFILM X-M1 + CONTAX G Planar T* 45/2

版下とか製版って、いまのお仕事なら
「ウェブデザインとコーディング・プログラミング」
に置き換えることができます。

腕のいいコーダーと組むことができたら、ぶっちゃけデザインはあまり考えなくてもいいわけですよ。事前にやりたいことを伝えて、どういう方法なら対処可能かを訊いたら、あとは突き進むだけですみます。

だけど自分でコーディングするとなると、
「あ、コレめんどいから入れるのやめとこ」
とかなります。

99%なります。

そういう部分でうまくやれたらいいなと思うんですけれども。
現実はあんまりそうなってないですね。

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