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政治とカネ

東京地検が安倍派の5人衆の立件を断念するというニュースが流れた。


➀事件は第2次大戦後、最大の贈収賄事件と言われたリクルート事件に匹敵すると言われたので、少しリクルート事件と比較してみよう。

 (1)捜査対象


リクルート事件の政界ルートで名前が出たのは、当時の首相だった竹下登、前首相の中曽根康弘、次期首相候補だった安倍晋太郎、宮澤喜一や立件された元農水相の加藤六月の秘書と元官房長官の藤波孝生、元公明党衆議院議員の池田克也だった。

今回の事件で安倍派の幹部の名前があがったが、リクルート事件の方が大物が多く、この点で違っている。派閥の領袖で地検に聴取されたのは二階俊博だけで、森元首相は名前はあがったものの、捜査の対象にはならなかったらしい。


リクルート事件で立件された政治家は、元官房長官と公明党の議員だけで、人数が少なかっただけでなく、首相級の人物は外れた。今回も立件されるのは小物で、数人にとどまると見られる。


(2)影響


リクルート事件は、竹下内閣の総辞職やその後の参議院議員選挙で自民党初の過半数割れという結果をひきおこした。今回の事件では、内閣支持率や自民党支持率の低下を招いているとはいえ、現時点では首相には辞任する気配はない。もちろん、自民党総裁選で再選は困難だろうし、総選挙があれば、自民党の議席減少に結び付くであろうが、リクルート事件後に政権が交代しそうだった時に比べると、野党の支持率が低く、重大な結果にはならないかもしれない。


この事件は、まだ終結したわけではないので、今回は、このへんで筆をおきたいと思う。お読みいただき、ありがとうございました。

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