文色みち

創作アカ。ショートショート、掌編小説、短編小説、創作エッセイ、レビューを書いてます。 …

文色みち

創作アカ。ショートショート、掌編小説、短編小説、創作エッセイ、レビューを書いてます。 更新は週2.3回の予定。

マガジン

  • 文色みち【ショートショート集】

    私が書いた約1000~2000文字前後のショートショート(掌編小説)をまとめておくマガジンです。

  • 文色みち【#創作エッセイ集】

    文色みちの創作エッセイ集です。創作エッセイとは実際の体験・経験談をもとに多少の創作エッセンスを加えた作品となります。 コンテスト応募目的で書いてます。 文色みちの人となりが垣間見えるかもしれません。

  • 文色みち【毎週ショートショートnote集】

    私が、たらはかに(田原にか)様が企画している【毎週ショートショートnote】に参加した作品のマガジンです。

最近の記事

  • 固定された記事

改めて自己紹介とこれからについて

改めまして、文色(あいろ)みちと申します。 noteを始めて約一ヶ月ほど経ちまして、過去に書いていたショートショートの掲載や企画への参加などしながらnoteの活用をしてきました。 皆さんからスキやコメントなどいただくことで創作活動へのモチベーションも少しずつ高まってきているように感じます。 フォロワーに関しても100名を超えたというのもあり、改めて今後のnote活動に関して自己紹介も含め創作以外のことも綴っていこうかなと考えて、その決意表明のような感じで記事を書こうと思い

    • 夢物語り【#ショートショート】

      夢を見た。 でも、どんな夢だったのか。まるで覚えていない。それでもなぜか“夢を見た”という事実だけは、はっきりと覚えているの。 この感覚を誰かに話しても、きっとわかってもらえないだろう。――他人の夢の話など、最もつまらないものなのだから。 ただ、わたしにはたった一人だけ、わたしが見た夢の話に耳を傾けてくれる人がいた。 ただ、笑ったり悲しんだりはしない。 「おもしろかった」って、一言ぐらい欲しいと願っても罰は当たらないはずよね。 夢のことを語る度に、わたしの心は重く

      • 眼鏡【#ショートショート】

        眼鏡をかけていると、よく言われるのが「頭よさそうだね」という言葉。 単純な発想で、学者や研究者に眼鏡をかけている人が多いからなのだろう。 しかし、眼鏡をかけているのは、ただ単に視力が弱いから。物をよく見たいから。 頭がいいように見せたいからではないのだ。 つまり人に見られることを意識してかけているのではなく、『人をよく見よう』としてかけている。 その根本的な違いに理解を示してくれない私の友人がある日、こういった。 「お前、眼鏡外した方がかわいいじゃん」 そう言っ

        • ノイタミナ【#好きな番組 #創作エッセイ】

          好きな番組というテーマでこの話をしていいのかわからないけれど、学生のころによく見ていた番組でフジテレビの深夜に放送されている『ノイタミナ』というアニメが好きだった。 最近では、サブスクリプションの配信があるので、わざわざ観たいアニメを深夜にアニメをライブで観る必要がなくなってしまったせいか、ノイタミナを観る機会が減ってしまっている。 ただ、当時は現在ほどアニメの配信がなく、見逃してしまえばDVDを買ったり、録画している友人に見せてもらうなどの方法しかなかったから、深夜に欠

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        改めて自己紹介とこれからについて

        マガジン

        • 文色みち【ショートショート集】
          23本
        • 文色みち【#創作エッセイ集】
          6本
        • 文色みち【毎週ショートショートnote集】
          26本

        記事

          ケセラセラ【#ウェルビーイングのために #創作エッセイ】

          人生は選択の連続。人生に迷い、選んだ道を後悔することも多い人もたくさんいるのだろう。 運良く生きていけたら、どれだけ楽だろうか。 「そんなに人生甘くないよ」と誰かに言われそうだけど、きっとみんな心のどこかでそう思っているんじゃないかな。 人生に迷ったとき、私はとことん調べて、それを誰かに話して、一緒に考えてもらうのが一番。それができる環境や状況であれば、私もそれを優先的に選ぶと思う。 しかし、誰しもが調べられたり、誰かに相談できたりできる状況とは限らない。 自分で考え

          ケセラセラ【#ウェルビーイングのために #創作エッセイ】

          アオすぎる彼【#ショートショート】

          透き通るようなアオい空。 この空を眺める度に、別れを告げられたはずの彼のことを思い出してしまう。 あの時の彼は言った。 ――僕は、空が嫌いなんだ、と。 なぜか、その言葉だけが私の心に今も棲みついている。 彼と出会ったのは、今日とは真逆。車軸のような雨が降る夕刻だった。 山に囲まれた田舎で暮らしていた私は、屋根のあるバス停でいつ来るかわからないバスをベンチに座りながら待っていた。すると、雨粒の隙間を縫うかのように彼は颯爽と姿を現した。 「急に降ってきましたね」 全身びしょ

          アオすぎる彼【#ショートショート】

          耳障りな挨拶【#イライラする挨拶代わり #毎週ショートショートnote】

          ある日、夢をみた。 彼の両親に結婚の挨拶をするという夢だ。 彼は資産家の一人息子で、厳格な両親に厳しく育てられたという。特に継母は礼儀作法に厳しいとのことで、私の緊張感は人生で一番といっても過言ではなかった。 私の手には継母が好物という手土産がある。彼の話では、それを渡せばきっと喜ぶというが、どうしても私の中では不安が拭えなかった。 居間に案内され、私は早速挨拶代わりに手土産を渡した。 「つまらないものなら、いらないわよ」 怪訝な表情で、冷たくあしらわれた。その場が

          耳障りな挨拶【#イライラする挨拶代わり #毎週ショートショートnote】

          おそれ多いノリ【#鳥獣戯画ノリ #毎週ショートショートnote】

          ノリに乗っている人のことを、この世界では鳥獣戯画ノリと呼ぶらしい。 それがその人のことを嘲笑する意味ではなく、むしろ畏敬の念を持つことの方が多い。そう誰かが語っていた。 今、僕の目の前にいる人物は、まさにノリに乗っている。 鼓膜を飲み込むような音楽とともに、舞台の上で地球外生命体を呼ぶような勢いで踊っていた。 彼は、この舞台に呼ばれたゲストではない。それなのに、誰も彼を邪魔者とは扱わない。むしろもっと盛り上げろと言わんばかりに囃し立てている。 この世界の空気を吸いすぎ

          おそれ多いノリ【#鳥獣戯画ノリ #毎週ショートショートnote】

          真っ赤なピエロ【#告白水平線 #毎週ショートショートnote】

          「ねえ、どうして地球は丸いかって考えたことある?」 彼が海岸に腰掛けながら唐突に言葉を漏らし、私は少し間を置いてから首を横に振る。 「科学的にも根拠はいくつかあるらしいんだけど。俺の説を聞いて欲しい」 「いいよ」 「ありがとう。 俺はまず、地球が丸いなら俺たちは丸いボールの上で生活していることになると考えた。小さいボールの上に乗るのは不安定。それがもし巨大なボールだったとしても、不安定なことに変わりないだろう。 それじゃ、地球はもっと大きいはずなのに、俺たちは不安定さ

          真っ赤なピエロ【#告白水平線 #毎週ショートショートnote】

          お金をステるネコ【#未来断捨離 #毎週ショートショートnote】

          この招き猫型の貯金箱には秘密がある。 もちろん、見た目はどこにでもある招き猫。背中にコインを入れる穴があり、中にはここ数年間コツコツと貯めた私の努力と汗が入っていた。 表情は感情のない虚無。しかしずっと同じ空間で暮らしていると愛着が湧く。 あるとき「君は何て名前だい?」と声をかけたことがある。 すると「僕はステネコ」と答えた。 驚きはあったが、それよりも会話ができたことが嬉しかった。 そしてステネコは言った。 「何かいらない物あるか? それを未来に蓄えてあげる」 「

          お金をステるネコ【#未来断捨離 #毎週ショートショートnote】

          僕の瞳が【#最後のマスカラ #毎週ショートショートnote】

          僕が初めて心を盗まれたのは、幼少期のころに出会った瞳の大きな女性だった。 親とはぐれた僕は、人混みの中を当てもなく彷徨っていると、ふと肩を叩かれた。 「君は、迷子かな?」 迷子という言葉をはっきりと理解していなかった僕は、曖昧に頷いた記憶がある。 「おいで」 柔らかい手で僕の手を引っ張り連れて行く。まるで川のせせらぎのように人混みを流れていくと、とても静かな場所に着いた。 そこは壁に向かって置かれた机と椅子、そして大きな鏡があった。不思議と、その鏡をのぞき込みたくな

          僕の瞳が【#最後のマスカラ #毎週ショートショートnote】

          これは案件です。【#秘密警察を宣伝してみる #毎週ショートショートnote】

          「先輩! これお昼です!」 「ばか、張り込み中だぞ」 「あ、すみません」 「ん? これ頼んだやつじゃないぞ」 「すみません。近所のコンビニに売ってなくて」 「まあ仕方ないか……ん? なんだこれ?」 「あ、それ新商品みたいですよ。そういうの目がないもので」 「……プロパガンダガス? 何に使うんだ?」 「説明書には、誰かに自分の思想を押し付けるために使うとか何とか」 「それは、つまり洗脳させるみたいなことなのか?」 「まあ、そんなものがコンビニに売ってたら大問

          これは案件です。【#秘密警察を宣伝してみる #毎週ショートショートnote】

          創作が学びになると信じたい【#私の学び直し #創作エッセイ】

          何かを学ぶとき、私は幼いころは本から知識を得ていた。 それは勉強熱心だったというわけではなく、みんな教科書から学んでいたという話。 幼少期は絵本を読んで、小学生からは教科書、中学生のころに漫画や小説に触れるようになり、大学生のころにはネットを漁るようになって今に至る。 今では小学生でもネットを自由に扱えるようになっているから、きっと本から学ぶ時間は減っているのかもしれない。それでも資格の勉強のときは参考書を使っていたりもするから、まだ本から学べることも多いはず。 数年前

          創作が学びになると信じたい【#私の学び直し #創作エッセイ】

          さいごの笑み【#半笑いのポッキーゲーム #毎週ショートショートnote】

          「おめでとうございます。ゲーム終了です。では賞金を差し上げようと思うのですが、その前に余興でもしませんか?」 スピーカーから半笑いの声が聞こえてくる。 ふざけているのか。こちらは命がけでデスゲームに参加させられて、ようやく最後の二人になったというのに。 傍にいたエミに目を向ける。僕と同じ感情のようだ。 「その名もポッキーゲーム。もちろん君たち若者がやるような生温いものじゃないですよ。二本あるポッキーのうちひとつには毒が塗られてます。普通のポッキーを選べば無事に賞金を獲

          さいごの笑み【#半笑いのポッキーゲーム #毎週ショートショートnote】

          目利きこそ金なり【#金持ち教習所 #毎週ショートショートnote】

          とある山奥に新しくオープンした『金持ち教習所』。 そこには二つのコースが存在している。 ひとつは、どうしても金持ちになりたいと願う人間が、どうしたら金持ちになれるのかを学べるコース。授業料はなんと無料だという。 そしてもうひとつは、既に金持ちの人間が、さらに富を得るために通うコース。授業料は最低1億円から。 御門翔は、若くして親から会社を継ぎ年商十億円を稼いだ男。 向上心が強く、しかし新たな発展のためのアイデア欲しさに『金持ち教習所』に訪れていた。 「ようこそ、御門様

          目利きこそ金なり【#金持ち教習所 #毎週ショートショートnote】

          塩をかけすぎた恋【#ほんの一部スイカ #毎週ショートショートnote】

          今日で最後だから、どうしても悔いは残したくなかった。 近づくだけでも心臓が痛くなる。声をかけるなんて、きっとできない。だから、真由美にお願いした。一生のお願い。 ――いいよ。親友のためだもん。 空き教室でたったひとり。扉が開くのをじっと待っていた。 ――これ、お願いね。 手紙。自分の気持ちを声に出すのは、きっと無理だから。 ――ちゃんと、返事はするように言っておくから。 真由美は心強い。彼女が親友で本当によかった。 ――ありがとう。 教室の扉が広く。そこには

          塩をかけすぎた恋【#ほんの一部スイカ #毎週ショートショートnote】