NPO法人 文学旅行

文学と旅行を融合させ、旅するように読み、読むように旅をする。「生きる」という物語を愉し…

NPO法人 文学旅行

文学と旅行を融合させ、旅するように読み、読むように旅をする。「生きる」という物語を愉しみ、地域活性化に貢献するNPO。メンバーたちの体験、役に立つ専門情報、あふれ出る思いを綴ってゆきます。テーマは「文学と旅の窓から知る 世の中の仕組み」 😊私たちの仲間になりませんか😊

マガジン

  • 文学 de 日本一周

    ここが本拠地です。前口上は①◯県を旅したくなる文学ベスト5、②取り上げる作品、③旅色連載へのリンク、の3項目。行き先は、あなたの感受性と想像力です。でも、どうかご安心ください。私たちがアテンドいたします😊

  • 取材は愉快(あるいは夜話)

    取材活動で出合った、おもしろかったこと、勉強になったこと、甘心したこと、そして禁断の舞台裏を明かしたりして。やっぱり取材は楽しい(^_^)

  • 気の利かないスケッチ

    教訓にもならぬ日常のアレやコレ、気づきとも言えない小さな出来事、そしてギャグにもならないトホホな話、そんなことばの数々を、もし楽しんでもらえたなら、逆立ちしながら牛丼を食べられそうです。

最近の記事

カッコいい 「第二の人生」

【広島県広島市】編 ①広島県を旅したくなる文学ベスト5 ②今回の文学旅行は…… 村上龍『走れ!タカハシ』 講談社 山際淳司『スローカーブを、もう一球』 KADOKAWA 重松清『赤ヘル1975』 講談社 飛騨俊吾『エンジェルボール』 双葉社 1番ショート高橋慶彦が走ると何かが起きる。抑えの切り札・江夏豊の胸中には強烈な自負心が脈打っている。球団史上初めて優勝した年に東京から引っ越してきた小学生が読者の涙腺を決壊させる。魔球をひっさげプロ野球選手になったトラック運転手の

    • トキの守人物語

      【新潟県佐渡市】編  今回の文学旅行には、同行者がいます。サラリーマン時代のパイセン、鈴木(仮名)氏です。この御方、定年を待たず会社を退職して、奥様の実家のある佐渡で農業を始めたんです。その鈴木さん宅に、二泊ほどご厄介になったのでした。本文の後半で登場します。  前置きが長くなってはいけません。さっそく、出発しましょう。 ①新潟県を旅したくなる文学ベスト5 ②『ニッポニアニッポン』阿部和重(新潮文庫)  17歳の引きこもり少年・鴇谷春生は「トキ保護センター」襲撃計画を

      • 追記──私たちはどう生きるか

        【和歌山県】編 追記 (承前) 『深重の海』津本陽/『鯨分限』伊東潤への旅──本編は、いかがだったでしょうか。ご感想をお寄せいただければ、とてもうれしいです。  で、ここからは、本編のつづきです。  まだまだ太地町の文学旅行はつづくのでした😊  ぜひ、本編と併せてお読みください。より楽しい想像力の旅をお約束します。以下に本編のアドレスを掲げておきますね。 旅色の連載はこちら😊↓ https://tabiiro.jp/plan/1889/  では、出発しましょう。町の

        • 太地の海に匂いはない

          【和歌山県】編  この旅には、出会いがありました。そのため、本編と追記の2本をご用意いたしました。一泊二日の行程と思ってお読みいただければ、さらに想像力の旅を楽しめるはずです。  さっそく、出発しましょう。 ①和歌山県を旅したくなる文学ベスト5 ②作品紹介  津本陽『深重の海』集英社 / 伊東潤『巨鯨の海』『鯨分限』光文社  いずれの作品も、明治11年の暮れに起きた、太地鯨組による未曾有の海難事故を題材にするフィクション。当時の記録によると、100人以上が行方不明

        カッコいい 「第二の人生」

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        • 文学 de 日本一周
          7本
        • 取材は愉快(あるいは夜話)
          7本
        • 気の利かないスケッチ
          3本

        記事

          文学旅行的スイーツの良心

          「おいしいものは、脂肪と糖でできている。」  う〜む、何のCMだったっけ──。  思い出せぬまま、バターと砂糖たっぷりのスイーツを頬張る。ああ、おいしいぃぃ。し、し、幸せだなぁ。  あっ、思い出した! そうだった、そうなんだよ、ウーロン茶さえ飲んでおけば、このスイーツもカロリーゼロ……って、サンド伊達さんかっ!  ……と、まぁ、ボケにもならぬトホホから今日も始めましたが、もちろん、この記事はウーロン茶の広告ではなく、スイーツの良心とは何かを問いたいのですよ、文学旅行的

          文学旅行的スイーツの良心

          キラキラお城の物語

          【岩手県】編  この旅は、四の五の言いません。出発しましょう。 ①岩手県を旅したくなる文学ベスト5 ②作品紹介 1)「ひょっこりひょうたん島」井上ひさし・山元譲久 日本放送協会  NHKで放映された昭和を代表する人形劇。後に直木賞を受賞する井上ひさしの名を世に知らしめた作品でもある。ひょうたん島に上陸したサンデー先生と子どもたちの冒険譚で、現代社会や権威を風刺する内容は、既存の子ども番組の枠を超え、ほとんど大人向けと言っていい。 (書影なし) 2)『井上ひさし歌詞集

          キラキラお城の物語

          神は細部に宿り給う

          【大分県】編  今から行く旅は……何というか……フィクション(創作)とファクト(事実)の境界を覗いてしまうことになります。創作の細部を日本の原風景と共に観ていく、美しくも刺激的な旅路になる予感がしてきます。真実の文学旅行をしてみたい方は、ぜひ先へお進みください。 はじめに  文学でリアルに日本一周、第2回は『星がひとつほしいとの祈り』原田マハ(実業之日本社)です。同書は、7つの短編がいずれも、舞台設定を地方に置き、豊かな方言が随所に表現されています。愛媛県松山市(道後温

          神は細部に宿り給う

          ああ、穴があったら……

           YouTube『山田五郎オトナの教養講座』に見入ってしまいました。いつも楽しく観ているのですが、このときばかりは「穴の開く」ほどに。  洋画家の佐伯祐三(大阪生まれの天才画家)を紹介しており、何と私たちが電子雑誌『旅色』で連載する文学旅行に丸かぶりだったんです。こ、こ、これは、宣伝する絶好のチャンスではないか! と思った次第なのですよ、はい。厚かましいにも程がありますよね😅 YouTube『山田五郎オトナの教養講座』と丸かぶる  山田五郎氏は、佐伯祐三が高校の先輩でも

          ああ、穴があったら……

          シン・ごんぎつね──真実を旅する

          【愛知県】編  学校では教えてくれない、子どもたちには伝えられない秘密。それを知れば、吃驚して考えさせられる、事の在りよう。でも、大人たちは当然のように行っている、目には見えない社会システム。  そんな、世の中の真実が、この文学旅行にはありました。  そうです、タイトルのシンは、新を意味しません。真のシンです。その真実については、本文の最後に明かしていますので、ぜひお付き合いくださいませ。期待は裏切りません。 はじめに  文学でリアルに日本一周するシリーズ。その第一回

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          シン・ごんぎつね──真実を旅する

          ここはすごい! ブックカフェ&バーの愉悦 

           突然ですが、昔モテた話を得々として語るオヤジほど気持ち悪い生き物はありませんよね。自分は「いい男」だったとニヤニヤするその頭髪はバーコード。透けた頭蓋骨の向こうに隠し持った欲望がドロッと流れ出てくるよう。何を期待してしゃべっているのか、鼻の下はノビノビ、唇はヌメヌメ……まさにゲテモノですよ、あれは。そう思うでしょ? 昔モテた話をするオヤジの脳内変換  と、ここまで下げておけば、大丈夫でしょう。  昔……モテたんです。  いや、そうじゃなくて、以前、銀座に「BOOK」

          ここはすごい! ブックカフェ&バーの愉悦 

          本棚は〝映え〜〟だけじゃない──業態化(ラインロビング)に大切な商売の原則とは

           ……というわけで今回は、これまでの取材先を振り返りつつ(ということは連載の案内告知をしつつ)、商売をしていくなかで売上高を上げる手法のひとつを詳らかにしていきたいと思います。  その前に、小生ごときに経営を論じる資格があるのかという点について。実は私、某ビジネス系の月刊誌編集長だったのですよ、はい  (^^ゞ💦 若い身空でドキドキしながらトップインタビューをしたり、経済やマーケティングを取材してきたので、どうか大目に見てください。長文にはなりますが、ネットに氾濫するステマ

          本棚は〝映え〜〟だけじゃない──業態化(ラインロビング)に大切な商売の原則とは

          不要なる言葉

          言葉を結べない  作品ではない  アンビエントではない  作意をそぎ落とした  精神世界 その記録に  ベートーヴェン弦楽四重奏曲第15番第3楽章を超えて 坂本龍一 12 Ryuichi Sakamoto 12

          上を向いて歩こう

          上を向いて歩こう   首を垂れていると肩凝りがひどくなるからね! 上を向いて歩こう   頭を下げ過ぎるとギックリ腰になるからね! 上を向いて歩こう   脚まで折って低頭したら膝に水が溜まって痛いからね! 上を向いて歩こう   まっすぐに 涙なんかこぼれたっていいんだ ボーヴォワール裕美

          上を向いて歩こう

          祝! トキワ荘マンガミュージアムの順調

           藤子不二雄Ⓐ、藤子・F・不二雄、石ノ森章太郎、赤塚不二夫、鈴木伸一……。のちに昭和マンガのレジェンドとなる若手たちが、手塚治虫を慕い、梁山泊のごとく集ったトキワ荘。1952年(昭和27年)に棟上げされた木造二階建てアパートは、やがて現代に通じるマンガやアニメ文化の孵卵器となっていきました。 来場者10万人を突破する!  豊島区立トキワ荘マンガミュージアムは、取り壊された伝説のアパートを再現・展示し、マンガあるいはMANGAを愛するすべての人から人気の博物館です。そのトキ

          祝! トキワ荘マンガミュージアムの順調

          記憶の上書きではなく

           陽が低い。都心の街路でも、すでに黄色い落葉の時季は過ぎ、裸木が目立つ。冬へ向かう日差しにイロハモミジだけは頬を紅く染めている。  妻から「気晴らしに」とリクエストされた公園まで行こう。  そこではきっと、緑色だった芝も土と同化してしまっている。サンタの帽子をかぶった幼児たちが町内会のサプライズにはしゃいでいるかもしれない。少年たちは舗装された場所を選んで鬼ごっこをし、学生たちはサッカーボールと戯れているだろう。その躍動にやわらかな眼差しを向ける老夫婦がベンチにちょこんと座

          記憶の上書きではなく

          文学旅行2.0へ向けて──あるいは誰も気にとめない◯◯──

           というわけで『旅色』の連載をバージョンアップします。  ついに全裸になり……いや、文学旅行2.0になります。  連載をご存じの方にはお気づきの向きも多いと思いますが、文学旅行と言ってもこれまでは、いわば文学館旅行のような内容になっていました。いや、別にそれが悪いわけではありません。およそ100年ものあいだ多くの人に読み継がれてきた小説家とその名作ですから、文学旅行の定番コース(プラン)として提案するのは日本語を母国語とする者の務めであるし、地域活性化の面からも当然の企画だ

          文学旅行2.0へ向けて──あるいは誰も気にとめない◯◯──