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一日一句【菜根譚】#77『德澤易享,福祉難受』:真の幸福は努力の先にある



中国の古典『菜根譚』に、「德澤易享,福祉難受」というフレーズがあります。

直訳

「徳の恵みは享受しやすく、福祉は耐え難い」となります。一見矛盾を感じるこの言葉が、実は人間の生き方について深い洞察を与えてくれるのです。

徳の恵みは努力なくして得られない

「德」は「徳」、つまり道徳的な行いを指します。「澤」は「恵み」という意味です。一般的に、徳を積めば良い結果が得られると考えられます。しかし、このフレーズは「易享」つまり「容易に享受する」と結びついています。これは、徳の恵みは努力なくして得られるものではないという意味です。
真の徳とは、人々のために尽くし、社会に貢献することです。それは決して楽な道ではありません。むしろ、困難や試練を乗り越えてこそ、真の徳を積むことができるのです。

真の福祉は困難を乗り越えて初めて得られる

「福祉」は一般的に幸福や安寧を指す言葉ですが、「難受」つまり「耐え難い」と結びつけられています。これは、真の福祉は容易に得られるものではなく、困難や試練を乗り越えることで初めて得られるという意味です。
人生には様々な苦難がつきものです。しかし、それらの苦難を乗り越えることで、人は成長し、より深い幸福を味わうことができるのです。

逆境を乗り越えて成長する

「德澤易享,福祉難受」は、「徳の恵みは努力なくして得られず、真の福祉は困難を乗り越えて初めて得られる」という意味を持つと解釈できます。これは、人間の生き方に対する深い洞察を示しており、『菜根譚』の中心的なテーマである「逆境を乗り越えて成長する」というメッセージを強調しています。

真の幸福は、楽な道を選んで得られるものではありません。困難に立ち向かい、努力を重ねることで、初めて真の幸福を手にすることができるのです。

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