見出し画像

リコーダーの妖精に占ってもらったら友情が壊れた話

皆さんはリコーダーの妖精をご存知だろうか。

ご存知でないなら、1度検索をかけてみてほしい。

髪の毛ボサボサの、表情に乏しいおじさんのことである。

リコーダーをいつも持ち歩いていて、たまに何の曲かわからないメロディーを吹いている。

端から見たら完全に不審者だが、彼には卓越した能力がある。

「人の顔を見ただけでどんな人か当てられる」のである。

リコーダーの妖精は、道行く人に勝手に占いをする。

突然指を指し、「負けず嫌いで頑固」「自信過剰だけど女々しい」と人間性を指摘するのである。

しかもこれが、かなりの確率で的中する。占いというよりか、霊能力の次元なんじゃないかと思う。


私も1度、渋谷で占ってもらったことがあった。

その時は、インカレサークルで知り合った友達3人と一緒にいた。

1人は元々仲の良かった女の子。2人は知り合ったばかりの男子だった。

ハチ公前で待ち合わせをし、どこに飲み行こっかー、と話をしていたら現れた。

リコーダーを片手に、汚い格好をしたおじさんが。

リコーダーの妖精はまず、女の子を見て、

「人見知りだけど、仲良くなったらめっちゃしゃべる」

と言い放った。事前知識のない私は、なにこのおじさん、彼女と知り合いなの?と一瞬思った。
見事に的中していたからだ。

えっえっ、みたいな4人の雰囲気をスルーして今度は私と目が合う。
次は何を言われるのだろうとビクビクしていたが、なぜか私は順番を飛ばされ、男子Aを占う番になる。

「清楚系の女の子が好きだけど、ギャルにモテる」

男子Aは金髪でギャル男っぽい感じだったため、ギャルにモテるのは当たっていそうだった。
お前清楚系が好きなの?と内心私は苦笑していた。

そして男子Bの番になると、今度リコーダーの妖精の態度は豹変した。

「こいつめっちゃ嘘つき!こいつの言うこと全部信じちゃだめ!全部嘘だから!」

え、まじ?みたいな雰囲気が流れる。男子Bと知り合ったばかりの私はフォローすることができなかった。ちなみに彼が嘘つきだという印象を私は持っていなかった。真面目な好青年というイメージだった。
固まる4人の空気をどうすることもせず、リコーダーの妖精は再び私と目を合わせる。
変なことは言わないでくれよ、と願っていた私に言い放ったのが

「好きなことと、そうじゃないことでめっちゃ知識の差がある」

あたってる~~~~~~~

ファッションに興味なさすぎて最近まで「ZARA」知らなかったし、その他諸々日常生活にちょくちょく支障が出るレベルで一般常識が欠けているまさに私のことじゃない~~

私の占いを終えると、妖精(おっさん)は颯爽と去っていった。

「あの人、なんだったんだろうね」「頭がおかしいおじさん?」
という会話にしばらくなった。全員、見事に当てられてしまったため、表情が強張っていた。

嘘つきの彼の話には誰も触れなかった。触れてはいけない気がした。

その後の飲み会は全く盛り上がらず、4人で会うことも2度となかったというのは、もはや言うまでもない話だろう。
リコーダーの妖精に会いに行くなら、1人で会うことを私はおすすめする。なぜなら、空気を読まず容赦なく占ってくるからだ。


ちなみにリコーダーの妖精は女性限定で、メールで写メをおくれば占いをしてくれる。
私は元カノの写メを勝手に送って占ってもらったところ、外れていたので、やはり直接会うのが精度が高いのだと思う。
興味のある人は、彼のツイッターアカウントをのぞいてみて欲しい。
https://twitter.com/k315pass?s=09

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?