かなしみよこんにちは

たぶん、前読んだときは、細部を覚えてなかったんだ。2回目読んだ今回は、初めて読んだ箇所が多々あった。個人的趣味により、主人公の愛の行為の描写を楽しんだ。でも一番可愛そうだったのは、アンヌだ。主人公の継母になるかもしれない存在だ。
19歳のとき書いた小説ときいて、びっくりした。石原慎太郎さんのときもびっくりしたけど、豊かな家庭に育った、満ち足りた生活と父を愛してる主人公の心持ち。サガンの生活、性格、環境を彷彿とさせる言葉の数々、愛なのか、わからないけど、最後に愛していなかったとわかる主人公。
自己愛、家族愛、恋の持つ自己中心さ。それでも、自分に良くしてくれるアンヌへの後悔
、うしろめたさ。最後に彼女を失ったときに感じる感情。

最後に私が一番羨ましかったのは、主人公に注がれる日差し、午前中ずっと、日の光に当たる贅沢。

私はずっと悲しいというきもちがわからない。きっと、私の目の前に来たこともあったかもしれないけど、私はその言葉を選ばなかった。
だからいまだに、ピンとこない。

さみしさならわかる。なにかをうめたいきもちだ。

母を亡くしたときは、泣いた。まだ生きてるときにも想像して泣いたことが何回かあった。実際亡くなったときは、母にしてあげれなかったことを悔やんで泣いた。

名前をつけたくない気持だった。

サガンは堂々と生きた印象。神はいないと言い切って、自分を大事にして、生きた。自然を愛して、人も愛して、私達読者に言葉の力で、南仏の日差しを感じさせてくれた。
近親相姦的な父への愛も、異性に対する愛もさらけ出して。
私はサガンを読んでホッとしている。私はアンヌに似てるけれど、カチコチに生きるの疲れる。シリルやパパみたいな生き方に憧れる。一方、アンヌが本当の愛を求めてるのも理解できる。




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