見出し画像

丸の内サディスティック

この街に来ると、いつもひどくみじめな気持ちになる。
私だけだろうか、
無性に居心地が悪いのだ。

ガラス張りの大きな四角いビルは
美しく飾り付けられた
大きなクリスマスツリーをまるでショールームのように内包し
連なって私を見下ろす

仕立ての良いブランドもののスーツに身を包んだ
金融関連の職に就くビジネスマンは
胸元にピカピカのピンバッジを光らせ

華やかな衣服に包まれた
これまた華やかそうな女性を連れ
さも我々は成功者、上流階級
といった風に
颯爽と歩く

あぁいやだいやだ
人間だけじゃない
ビルまでみんなして
なーにかっこつけちゃって

とこっそり言ってやりたいところである。

東京駅から目と鼻の先にある
丸善にふらっと立ち寄ると
予想通り金融関連の書籍が
店頭に軒を連ねていた。

こりゃ、まいったもんだ。
さすが大手町。

堀井さん、西野さんの新刊は並んでいても、
前田さんの著書は見当たらなかった。
メモの魔力、探したのだけれど。
あそこは仲が悪いのだろうか。

気になる本がいくつもあった。
購入しようか迷ったけれど、どうせただ悦に浸り積読本の山に仲間入りするのが目に見えていたので、やめておいた。

あぁ、大手町。
大手町。

いつか、このビルの一角に、社長として接待されるようになってやるんだから。

今に見てろよー。

また会う日まで。

#エッセイ #コラム #ライフスタイル #日常 #東京駅 #丸の内 #大手町 #ビジネス #仕事 #働くとは #tokyopatai

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?