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グローバル・ワークショップ入試合格に必要だと思う力 by合格者

こんにちは、国際教養大学(AIU)21期生のババヘラです。
私はグローバル・ワークショップという入試で合格をいただきました。

おそらく全国最速スタートなのに、合否発表は他大と同じグロショ。
その間、ダ・ヴィンチばりにマルチタスクをこなさなければいけません。

今回は、実際にグロショを経験した私が思う、グロショで役に立つ能力をまとめていきます。

「グロショに向いている人を知りたい」
「グロショに受かる力をつけたい」という方は、ぜひ参考にしてください。

※あくまで私個人の考えです。
当てはまる方の合格・当てはまらない方の不合格を保証するものではありません。
グロショ受験を考える際の判断材料の1つになれば、と思います。

グロショは年による傾向の変動も大きいので、
最後はぜひご自身で調べて決断してください。

大学の実施要項

AIUが4月末に出す実施要項には、以下の記述があります。
中でも私が特に重要だと思うポイントを太字にしました。

※以下に該当する学生を歓迎します。
・主体性、リーダーシップを持ち、行動できる学生 ・基礎学力に加えて、創造力や論理的思考力の高い学生
常に問題意識持ち、自らの考えを発信できる学生
・他者を尊重し、協力しながら信頼関係を構築できる学生

2023年度 国際教養大学 グローバル・ワークショップ実施要項

また実施要項の中では、アドミッションポリシーも引用されています。

主体的に学ぶ意欲が強く、鋭い問題意識を持つ学生であって、
・社会科学、人文科学、自然科学の広い分野について均衡のとれた基礎学力、論理的、批判的、創造的な思考力を身に着けた学生あるいは特定分野について卓越した経験や能力を有しながらより広い分野について学修を深めようとする意欲を持つ学生
海外での学修経験や諸活動への参加経験、国内での国際交流事業などに積極的参加を経験するなど世界の多様な文化、言語、歴史、社会などの国際関係について強い関心と探求心を持つ学生
・国際社会を舞台に活躍できるような実践的な外国語運用能力(特に英語)と、幅広い教養の修得を志す学生

2023年度 国際教養大学 グローバル・ワークショップ実施要項

要項には書いてないけど役立つ力

要項に載っている力以外にも、
明記されていないけれど必然的に使うことになる能力も多いと感じました。それは以下の3つです。

  • 文章力(特に日本語)

  • 俯瞰力

  • PC操作スキル

グロショの傾向は毎年の傾向によって大きく変わるので、
これらの能力をあまり問われなかったり、追加で必要な能力が出てくるかもしれません。

次の章で、ここまでで挙げた能力がなぜ必要だと思うのか、
重要度順に説明していきます。

それぞれの能力の必要度ランキング&その理由

1. 論理的・批判的思考力

一般入試が「解く」入試だとすれば、グロショは「考える」入試です。
グロショに参考書はありませんし、
「これをマスターすれば確実」というような解法もありません。

論理的・批判的思考力があって
初めてスタートラインに立てるのがグロショ
だと思います。
筋道立てて考えるのが苦手、という人には
グロショ以外の入試が向いているかもしれません。

ワークショップ当日はもちろん、
6月までの自己アピール書や事前課題の小論文など、
論理的に考えを組み立てる力は、すべての土台となります。

また、よくある意見・もっともらしい意見に風穴を開けることができると、
講義もそこから新たな方向に進んでいくでしょう。
その場合、その講義に自分は不可欠だったといえます。
合格に近づく一歩となるのではないでしょうか。

2. 問題意識

大学の表現をそのまま使用していますが、
いくら21世紀とはいえ、ネガティブな問題ばかりの世の中ではありません。
私のイメージだと知的好奇心のほうがしっくり来ます。

グロショではさまざまな課題が与えられるわけですが、
それをイヤイヤやる人と、興味をもってどんどん調べていく人とでは、
埋められない差があります。
というか、あれをイヤイヤやるのはきついです。

私は、友達に「ババヘラっていっつも考えてるよね」と言われたことがあります。
確かにグロショでは、準備してきた成果を発揮できたというよりは、
常日頃から考えていることが出たという印象が強いです。

「グロショのために考えてみよう」という人よりは、
「この前考えてたこと、グロショに使えるじゃん」
「これってこの間のニュースと逆のこと言ってるなあ」などという人のほうが、
グロショに向いていると思います。

そして何より、私がそうであったように、
そういう人にとってグロショは楽しくて仕方がないと思います。

3. 文章力(特に日本語)

これが割と盲点になりやすいと思うのですのが、
日本語での文章力が大きく結果を左右します。

そもそもグロショに参加できるか決まる自己アピール書では、
自分がどういう人間なのか、何をしてきたのか、何をやりたいのかを
紙2枚にまとめなければなりません。

さらに、去年はワークショップの最後に振り返りの作文がありました。

どんなに華やかな経歴があっても、どんなに教授をうならせる考えを持っていても、
それを言語化できなければ、グロショでは見劣りしてしまいます

ただ文章が上手い人が受かる入試なのでは、と思う節もあります。
しかし、素晴らしいアイディアでも相手に伝わらなければ、
当たりの宝くじを、引き換えないまま後生大事にとってあるのと同じです。

「なんでリンゴが落ちるか分かった!」と叫ぶニュートンの説明が支離滅裂だったら、
物理の教科書はあんなに分厚くなってないですよね。

優れた考えが脳内にあるだけではダメで、
それをアウトプットするまでが1セット
です。
思考力は、言語を介さずにはアピールできません。

ちなみに、グロショで英文を書く場面はなかったので、
英文を書く能力は必須ではないと思います。

4. 俯瞰力

グロショは、AIUの総合型や推薦と違ってグループ活動があります。
自分をアピールしたいからといって、
「私が私が!」になってはいけないということです。

全体を見回して、自分に求められていることを行動に移せる人は
重宝されると思います。

例えば、意見が全然出てこないなら自分が口火を切り、
議論が白熱していたら自分はタイムキーパーに回る、といった具合です。

ただ、グループを優先しすぎてしまっても
自分をアピールできずに終わってしまうので、
その塩梅が腕の見せどころかなと思います。

5. 発信力

文章力とかぶる部分もありますが、ここでは話す力を想定して書いていきます。
グロショ最後の面接はもちろん、ワークショップでの講義やプレゼンなど、グロショでは自分の意見を発信する機会が非常に多いです。

話すスピードや声の大きさ、視線などなど、
気を付けることはたくさんありますが、
グロショ参加者はほぼ全員話すのが得意なようでした。

逆に言えば、話すのが苦手だととても消極的に映ってしまいます。
個人的には、ユーモアをはさめるくらいの余裕も発信力だと思っています。

6. 課外活動歴

ここが1番個性が出るところだと思っています。
グロショで入るにあたり、個性は欠かせません。
大学側も、グロショではグロショでしかとれない人をとりたいはずです。

そうなると、グロショで重視すべきなのは、
一般入試では隠れてしまう課外活動歴なのかな、と思います。

最近は一般入試でも調査書を提出するそうですが、
それはあくまで高校側が書いてくれるもの。
課外の動機や苦労は受験生本人にしか分かりません。
自分で自分がやってきたことを語れるのはAIUの特別入試ならではです。

7. 英語力

なんと英語力が7番目になってしまいました(笑)。
グロショにおいて英語の優先順位が下がるのは事実です。
英語力は、最後の面接でしか問われません。

ただ一般論として、英語ができると、アクセスできる資料が広がります。
私が事前課題で使った7つの参考文献のうち、6つが英語の記事でした。
ワークショップでは、プレゼンで英語の動画を引っ張ってきた人もいました。

英語力は必須ではないけれど、得意だと便利な場面がたくさんあります。
英検やTOEFLなどの英語資格は自己アピール書にも書けるので、
取得をおすすめします。

8. PC操作スキル

これは、去年のグロショではプレゼンがあったため入れました。

PCにどれだけ慣れているかは、通っている高校などによると思います。
私の高校では自分のPCを持ち込み、プレゼンする授業も多くありました。

しかし、グロショで同じグループになった人の中には、
学校でPCをほとんど使わないという人もいました。
画像のコピペやスライドのデザイン変更などを代わりに引き受ける中で、
こういう方法でも役に立てるのだと気づけたのは、うれしい発見でした。

全員が機械音痴というグループはありませんでしたし、
PCに不慣れだからといって、グロショを敬遠する必要はまったくありません。

ただ、PCに触れる機会が多かったという人は、
それだけで周りを助けられるチャンスが回ってくるかもしれません


グロショでは、他の参加者を見て自信をなくしてしまう人もいるようですが、
「話すのが得意なあの子の代わりに、私はスライド作ろう」というような
適材適所マインドでいきましょう。

9. 創造力

これはおまけに近いです。
なぜなら、ここまでに挙げた能力に秀でているなら、
たいていの場合、創造力も持ち合わせていると考えられるからです。

グロショには参考書がないと書きましたが、
このような状況では0から1を生み出せる人のほうが強い気がします。
前例がなくても進めるタイプの人は、グロショ向きだと思います。

私も、「1→10」より「0→1」が得意だと自負しています。

じゃあその「0→1」の力っていつ使うんだ、となったときに、
ここまでに挙げた他の能力との重複が多くなります。
やはりおまけですね。

おわりに

グロショを端的に表すと、
「AIUを広め隊」のぱな子先輩の「トライアスロン」という表現がぴったりだと思います
(受験生時代広め隊のブログ読み漁ってました。広め隊さまさまです)。

この特殊な入試に必要な力は、一朝一夕に培えるものではありません。
「グロショに向けて対策してみよう」「私意外とグロショ向いてるかも」と
思ってくださる方がいれば、もちろんうれしいです。

加えて、「これは自分の目指すべき入試じゃない」という判断の一助にもなっていれば、
それもまた1つの喜びです。

AIUの売りの1つに、多彩な入試方式があります。
グロショを諦めることは、AIUを諦めることにはなりません。
自分の力を思う存分発揮できる入試を探してみてください。


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