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6/14

4:43起床。

天気は晴れ。
淡いラベンダーの色が、目にやさしい。

ベーコンエッグ。
サボタージュ(未遂)。
あと、整体。

ここ最近、牛乳しか飲んでなかった。
……あ、朝食のことね。
でも、
昨日はパートナーがいたから、
ちゃんとしたものを食べさせてあげたいと思った。
というわけで、
ひさしく作っていなかった、
ベーコンエッグトーストにした。

6枚切りの食パンに、
マヨネーズ塗って、
ベーコン乗っけて、
たまごを割って、
塩胡椒をかけて、
電子レンジにイン。

そんな、簡単なもんだけど。
パートナーは、いたく喜んでくれた。

「これ、ひさしぶりだね」
「そうだねえ」

ぽつぽつと会話を交わしながら、
僕らは、トーストに齧りついた。

パートナーは、
大きな幸せも、
小さな幸せも、
たくさん、教えてくれる。
僕も、そうでありたいな。
そんな、幸せな朝だった。

よっしゃー。
これで、今日も1日やっていけそうだ。
……そうだと、よかったんだけどね。
僕はまた、調子が悪くなってしまった。

こういうときは、外へ出るに限る。
昼休みになると、
僕は、訓練校を出た。

空は、抜けるように青くて、
陽射しは、貫くように強い。
生きてる。
生きてる、感じがする。

僕は、どんどん歩いていった。
どんどん、どんどん。
しまいには、
だいぶ外れの方まで来てしまった。
それでも、足は止まらない。

そろそろ戻らないと、間に合わないよ?
今なら、まだ間に合うかもしれないよ?

わかってるよ。
わかっては、いるんだけど。

遠くへ行け 遠くへ行けと
僕の中で誰かが歌う
――米津玄師『ピースサイン』より引用

遠くへ、もっと遠くへ……。

ふいに、右折できるところが現れた。
僕は、それに従った。
なんとか、すんでのところで、
僕は、訓練校へ引き返した。
だいぶぎりぎりだったけど、
午後の訓練には間に合った。

1日を終えるころには、
体がばらばらになりそうだった。
別に、肉体労働みたいなことはしてないんだけど、
ずーっと座りっぱなしで、
肩がこりにこって、気分が悪かった。

……あんまり、
お金は使いたくなかったんだけど。

訓練校のわりと近くに、
あんま屋があることは、知っていた。
というわけで、入ってみようではないか。
予約はしてなかったけど、
大丈夫そうなので、施術してもらった。
おじさんにしてもらうのは、初めてだった。
力加減が、こう、すごいね……。
ちょっと痛かったけど、
しかし、やはりプロだ。
ばらばらになっていた体が、
少しずつ戻っていくのを感じた。

「お客さん、だいぶこってましたよ」
「いやー、やっぱりそうでしたかー」

はっはっは。
ありがとう、おじさん。
体が、もうちょっと生きてみようぜって、
フランクに誘ってくれている気がするよ。

もうちょっと、生きてみるかー。

ピースサイン/米津玄師(2017年)

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