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「日本辺境論」を読んで、誰かになりたいし誰かに会いたいと思った話

しゃっくりとひゃっくり、どっちですか?!
ホイットニーです!

日本辺境論という本を読みました。
めっちゃ面白かったです!

日本人の性質について述べた本ですが、僕らがなぜこういう行動を取るのかについて考察されていて、それが分かれば、「じゃぁ、こうするか」というヒントが得られます。

日本人はどのような性質なのか、簡単にまとめてみます。

・日本文化は「日本文化とはなにか」というエンドレスの問いの形でしか存在しない
・変化の仕方が変化しない
・きょろきょろして新しいものを外に求める
・外の変化に対応する変わり身の速さが伝統化している
・己の思想と行動の一貫性よりも、場の親密性を優先させる態度
・国際社会はこれからどうあるべきかという問いに答えられない
・効率良く先行の成功例を模倣する能力に長けている
・「どこに行って誰に訊けば、やり方を教えてもらえるんですか?」と訊いてしまう

なぜこのような性質なのかについては、日本という地理的な関係や武士道が関係しているととき、新しいものについて学び方についても言及しています。

努力とその報酬の間に相関を予見しないこと。努力を始める前に、その報酬について一覧的開示を要求しない事。こういう努力をしたら、その引き換えに、どういう「いいこと」があるのあですかと訪ねない事。これはこれまでの著書でも繰り返し申し上げてきたとおり、「学び」の基本です。

中略

学びは学んだ後になってはじめて自分が学んだことの意味や有用性について語れるようになるという順逆が転倒したかたちで構造化されています。

日本辺境論

欧米では、学ぶ前に有用性を吟味する傾向にあるけども、日本ではまず学ぶ、何を学んでいるかわからないけど学ぼうとすることによって、優れた学習能力を備えているのだそう。

僕らは世界の片隅にあって、中央の眩しさに憧れて、気を遣いつつ肩を並べようと努力した国なのかと理解しました。

そして、僕ら沖縄人は、辺境日本のさらに辺境にあり、卑屈でいじけた存在になりそう。

日本に憧れて何とか東京に出てみたら、みんなアメリカに憧れてました、という感じでしょうか。

しかし沖縄人として、このポジションの良さも実感しました。むしろこちらの方が僕らの性質に合っているかもしれません。

それは、日本が辺境なんだなと俯瞰して認識できる事です。

なんとなく、他人事として冷静に捉える事ができるんです。

だから日本人についてこうしたらいいのかな、というアイデアも出ます。
沖縄人も日本人なので(妙なパラドックスですが)、性質を知って付き合い方を改善する事が出来そう。

例えば、「どこに行って誰に訊けば、やり方を教えてもらえるんですか?」という問いが伝統になっているのであれば、「誰」になってあげればいい。

僕は海外で生活した事があるんですけど、日本に帰ってきた時に、「すごいですね」と言われる事が多かったんですね。

何が凄いのか分からないんですけど、辺境人だから中央(海外)から来た人を無条件に憧れているのかもしれません。

「中央ではこうでしたよ」という話ができると、「誰か」になれるなと思いました。それが正しいのか正しくないのかはあまり関係なく、「誰か」の言動や所作から学ぼうとするので、支柱になるんですね。

もちろん、僕も日本人なので、無意識に誰かを欲していると思います。

実際、昨日は中央から圧倒的実績を兼ね備えた方とお茶したんですけども、彼の意見や所作は僕に影響を与えるものでした。

僕としては、日本人のコミュニティにおいて誰かの「誰か」になることと、自分自身もそれに恥じぬよう「誰か」から学んで研鑽する事が大事なんですね。きっと。

さらに本の中では、敵と隙について書かれいました。これがまた面白い。

武道において無双とは、戦って勝つことではなく敵を作らない事何だそうです。

隙がない状態とは、相手が問いかけたら間髪入れずに返答する事。タイミングにずれがないことをいうのだそうです。

さまざまな人と対峙して、敵対しない為に間髪入れずに返事をする。

「誰か」が言ったことを、瞬間的に自分の中に取り入れる事が出来れば、優れた学びになるでしょう。

そんな事が可能なのか。

人間には「どうしてよいかわからないときに、どうしてよいかわかる」能力が潜在的に備わっています。その能力は資源が潤沢で安全な環境では発達しない。

日本辺境論

一瞬、「ん?」ってなりますが、「あぁ、なるほど」という文です。

凄い人のすごい言葉を聞いた時も、一瞬「ん?」、そのあと「あぁ、なるほど」となりますが、それは「どうしたらよいかわからないときに、どうしてよいかわかる」能力の発動な気がしました。

この能力を磨けば、隙もなくなる気がします。

しかし、その能力は安全な場所にいては磨かれないという点が辛いところですね。いくども挑戦することで、茨の道に身を置く事ができるんでしょう。

やや難しい本でしたが、おすすめです。
自分の行動の仕方にも影響を与えてくれる「誰か」になりうる本でした。



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