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令和3年9月に買って良かったマンガまとめ

マンガのこと書きはじめると真面目になっちゃうんでイヤなんですけど(笑

9月はいいマンガが沢山あったので、買ったものの中から好きだったものだけをピックアップして書こうと思います。トップ画はキンドルの新しいところを適当に撮っただけなので、何故かほどんど新刊がないという事態になっています(笑 

では行きましょう。緩やかに読んだ順番です。


『東京ヒゴロ』

これ8月の発売ですね。松本大洋先生の最新作。編集の仕事をしていた男が会社を辞め、理想のマンガ雑誌を作るために動き出す。

ここしばらく先生のマンガを読んでいなかったせいもある気がするのですけれど、この写実的でもありマンガ的でもある線にやられてしまいまして。その上、昔を懐かしみ、全盛期をうらやみ、それでも夢をあきらめきれない。そんな気持ちが静かに描かれるこのマンガは読んだとき傑作だと思いました。
地味と言えば地味ですし引っ掛からない人もいると思うのですが、9月読んだ中で1冊選ぶなら私は『東京ヒゴロ』を選びます。

試し読みはこちら。


『ルックバック』

藤本タツキ先生の短編。今から思うと今月来月と出る短編集のための布石のひとつだったのかもしれませんね。

あまりのインパクトにネットは騒然。その後の改修騒ぎなんかも記憶に新しいです。まあこれは今更説明してもヤボでしょう。「ジャンプ+」の読み切りはこちらから。電書で買ってしまっているのですが、そのうち紙でも買うことにします。


『ディノサン』

リアルな恐竜っていいよね。思春期にジェラシックパークを見て、初めて買ったCDはそのサントラ。という恐竜大好きな私が好きにならないはずがない。アルでもレビュー書きました!

「ジェラシックパーク」があったせいで、リアル路線の恐竜飼育員ものというものがしばらく出てこなかったということはあると思います。だからこそその呪縛を打ち破る貴重な一作。
学術的な強さや編集の強い後押しなどもあってか、恐竜展とコラボしたり、裾野の広い活動が行われており、単行本の動きもかなりいいみたいですね。

試し読みはこちらからどうぞ。


『マーブルビターチョコレート』

pixivやTwitterに出た段階でかなり話題になりました。こちらも当てられてアルでレビュー書いています。

パパ活女子の話……と思いきや、やってきたのは女の人。1巻完結であるがゆえに得られるカタルシス。すばらしい作品でした。
ネットで基本的にすべて読めたのですが、単行本に加筆されたあとがきがないと本当の意味で完結しておらず、pixiv等でしか読んでいない人は単行本を買うべきです。カバー裏にも粋なデザインがほどこされています。

ほとんどその良さは伝わるけれど、単行本を買わないと完結しない。正直こういう作りがもっと増えてもいいんじゃないかと思いました。最初から完成形までうまく見据えていないとできることではありませんけど、良さも広く伝わるし単行本を買う強い動機になりますよね。


『グッドナイト、アイラブユー』

『海が走るエンドロール』のたらちねジョン先生の前作。全4巻。蛇足ですが『海が走るエンドロール』のアルでのレビューはこちら。

出たのはしばらく前ですが『海が走るエンドロール』がいい作品だったのでこちらも読みました。もう既に十分いい作品です。旅と家族のお話。これがすでに売れていない理由がわからない。というか私が知らなかっただけなのでしょう。マンガの海はホントに広いですね。


『生き残った6人によると』

『星明かりグラフィクス』の山本和音先生の最新作です。これが9月で一番楽しみでしたし、期待に違わぬ素晴らしいマンガでした。アルでもレビューいたしました。

急にゾンビが発生してショッピングモールに立てこもるテンプレ的な話かと思いきや、やってることはテラスハウスっていうこのギャップ。とはいえゾンビは迫ってくるしアクションも手を抜きません。色んなテーマをきちんと魅せる形で描くことができるその技術に完敗です。

短編集『夏を知らない子供たち 』も同時発売でこちらも大好きな作品でした。今月から1冊選ぶなら『東京ヒゴロ』なんですけど、オススメするならこの『生き残った6人によると』を推します!


『フィリピンではしゃぐ。』

はしゃ先生の同人誌として出ていた作品を商業版として出した作品。

つまりすでに評価されていて満を持しての発売なわけで、そんな作品が悪いわけがありません。フィリピンに語学留学に行ったときのエッセイコミックです。前月の『思えば遠くにオブスクラ』とかもそうですが、旅エッセイは正直いい作品が多いので優劣つけがたさはあるのですが、いいものはいい。黙って買ってくれ。という感じです。

語学留学で、向こうで留学生とのやりとりがあるので、そのあたりの人間関係があるのはひとつ強味かと思います。これは好きな人は本当に好きだと思います。


『今夜すきやきだよ』

前作の『教室の片隅で青春がはじまる』がすごくよかったので、こちらも買いました。やはり大好きです! 

なんて称したらいいのかは悩むんですよ、突飛に何かがあるわけではない。でもすごくその雰囲気が腑に落ちるというか、じんわりしみいるというか。言葉にするのは難しいけれど、あったかいというか。

谷口菜津子先生って私、昔『彼女は宇宙一』を読んだときにちょっと苦手だなって思っていた時期があるのですが、今は大好きな先生になりました。夫である真造圭伍先生の『ひらやすみ』などが好きな人はこちらも読んでみてほしいです。

試し読みはこちらから。


『私の息子が異世界転生したっぽい』

『伝説のお母さん』で一世を風靡したかねもと先生による現代ヒューマンドラマ。

そう、こんなタイトルですけど現代ヒューマンドラマなんですよ。いきなりほとんど接点がなかった同級生が訪ねてきて、「うちの子が死んじゃって、どうやら異世界転生したらしい。助けてほしい」とくるわけです。さてどうする主人公。子供がいる人は涙なしには読めない作品だと思います。

現在スピリッツにて違う人が絵を描いた別Verも連載中であり、こんなの絶対ドラマになるでしょ、と私は高をくくっています。

スピリッツの方の試し読みはこちらから。


『ファッション‼︎』

はるな檸檬先生はホント鬼才だと思っていまして。はやく私もズカオタにならねは……という謎の使命感を持っていたりします。こちらもアルでレビュー書きました。

実は最初、試し読みを読んだときは「ふーんどうしようかなぁ」くらいのテンションだったのですが、ふたを開けてみたら最恐ヒューマンホラーで、私のハートをがっちり持っていったので慌ててレビューを書いたのでした。

そんな先生の最新作はファッションのお話。とはいえ、ファッション業界を舞台に巻き起こる本当にあった怖い話、みたいなテイストです。主人公は先生自身を投影しているようですし、本当にあった話である可能性は高いでしょうね。

だからこそあふれるリアリティ。少しづつ積みあがっていくバベルの塔を眺めるような、そんな忍び寄る恐怖。スタイリッシュなデザインのくせにそんなもの仕込んでくるなんて……さすがです。


『むこうぶち 高レート裏麻雀列伝』

安かったから買ったわけですが、毎日とても楽しませていただいております。まだ30冊くらいあって嬉しい。
さすが麻雀マンガにハズレなし。わりと真面目に麻雀している方の麻雀マンガなので麻雀をしない人にはオススメいたしません。


『フォビア』

タイトルのとおりフォビア……つまり「恐怖症」を描いたマンガ。ゴトウユキコ先生の絵がハマルかハマらないかというところはあると思いますが、個人的にはここ数年で読んだホラーの中で一番怖かったです。

どうも私はこの手の話に弱いらしい。単純なお化けとかのホラーではなくあくまでも「恐怖症」の話なので、その手の話が苦手な人は絶対にぜったいに手を出さないでください。意味ないけどフリガナ初めて使いました(笑

9月に買ったマンガまとめ

結局、紹介したのは12作品ですね。一部新刊ではありません。ここに書いたマンガは本当にどれも私の心に突き刺さったマンガたちです。もちろんツボはその人次第ですが自信をもってオススメできます。あ、『フォビア』や『むこうぶち』は人を選びますが。

しかしいいと思ったマンガだけでこんなにあるなんて! マンガってのは罪な趣味ですよホント。どれだけ私たちから搾取すれば気が済むのか。中身が素晴らしければ実質タダ! なんて強がりを言っていられるのも限度がありますからね。

今月もいい出会いがあると嬉しいですね!
みなさんもいいマンガがあったら教えてください。だいたいは秒で買いますから(こりない



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