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頂き物、SNSに上げる?


 友達がドーナツ作りにはまっていて、二週連続で、「味見手伝って〜」とお裾分けをいただきました。


 アメリカにドーナツなんて豊富にあるでしょう?と思われるかもしれませんが、アメリカのドーナツは殺人的に甘かったり、絞ったら油が滴りそうだったりで、在米日本人はみんな、日本に帰ったら食べたいものリストにミスドを挙げるものです。



 友人が作ったドーナツは、見目麗しく、生地にほんのり甘味があって冷めても美味しく、そして新鮮な油で揚げてあるので胃にもたれず、胃袋にも写真にもしっかり納めました。



 通常、私は人からものを頂いた時、SNSにポストしない主義なのです。なぜかと言うと、「好きだったよね?セールしてたからつい買っちゃった〜」なんて言ってくれるカプリコチョコ苺味だってものすごく嬉しいのに、いわゆる「映え」る頂き物だけをSNSで披露すると、カプリコチョコへの感謝が嘘っぽくなるからです。結局私は「映え」が好きな人間である、と受け取られても仕方ないと思うのです。


 同じ理由で、人の家に招かれた時も、どんなに手厚いホスピタリティを受けようと、SNSにはあげません。なぜなら、冷蔵庫のありあわせで作ってくれるナポリタンだってものすごくありがたいのに、セレブなテーブルセッティングで出されたコース料理だけをポストすることは、要するに私はそういう小洒落たお招きが好きだという印象を与える可能性があるからです。



 人を家に招いてもてなすのがとても上手な友人がいます。彼女が私のために準備してくれる飲み物や食事やデザート、季節に合わせて選んでくれる食器、テーブルリネン、どれを取ってもセンス良く、それはそれは夢のような素晴らしいもてなしなのです。彼女のお招きにあずかった人は皆、何枚も写真を撮って彼女をタグ付けてフェースブックなどでシェアします。客がSNSでシェアするところまでがイベントなのか、それをしない私は、もう招かれなくなりました。でも、私はそれで良かったと思っています。SNSに載せないと完結しないようなイベントは、まるで何かのブランディングを強要されているような気がするので避けたいところです。



 今回のドーナツに関しては、彼女が料理教室まで行って習ってきたこと、家で何度も練習を重ねたことを知っていただけに、その出来に感動して、思わず主義に逆らってシェアしました。パッケージは、アーティストのご主人作です。


 このブログのことは私のことを直接知っている人には一切教えてないので、わりと自由にものが言えるのですが、SNSは、私が意思をもって発信するものが誰かから個人的な受け止められ方をされているかもしれない可能性があるので、難しいです。いまだに、個々のケースで逡巡してしまいます。

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