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【故郷「網代」で第二の人生】「あじろ家守舎」理事長山崎さんインタビュー記事

突然ですが、皆さんは「網代」と聞いて何を思い浮かべますか?

「漁港」、「温泉」などなど、中には「網代ってどこ?」パッとイメージがつかない方もいらっしゃるかもしれないですよね。

網代は、江戸時代「京大阪江戸網代」といわれ、江戸への海路の要衝として諸国の廻船でにぎわいました。熱海市内で漁師町の風情がもっとも強く、網代漁港で水揚げされた魚は市内のみならず都内でも多く出回っています。しかし、人口減少や少子高齢化による地域経済縮小など地方がかかえる課題にも直面しており、2021年3月には沢山の方々の思い出を詰め込んだ旧熱海市立網代小学校は廃校になっております。

そんな中、網代出身の山崎 明洋(やまざき あきひろ)さんは2021年に東京からUターンして網代に戻りました。自分の住む街の現状の目のあたりにして、「育ててもらったこの街を少しでも良くしたい、自分たちの大切な人や周囲の方々が幸せに過ごせるようにしたい」と、2022年1月に移住者とUターン者と共に一般社団法人あじろ家守舎を設立されました。

今回は私たちインターン生が気になった「網代ならではの魅力」や「あじろ家守舎が目指す地域像」などについて、山崎さんにインタビューを行いました!

是非最後まで読んでみてください~!


網代の魅力「魚」「自然」そして「人」


ーー 本日はよろしくお願いします!

 山崎 よろしくお願いします。

 ーー まず、山崎さんの簡単な自己紹介をお願います!

山崎 名前は山崎 明洋(やまざき あきひろ)で、年齢は40歳です。網代幼稚園・網代小学校・網代中学校出身で、大学時代まで網代で過ごしていました。
就職を機に東京に行き、3年前にUターンして戻ってきました。
現在は、以前勤めていた広告会社の仕事をリモートで行いながら、網代地域の活性化のために、「あじろ家守舎」の活動しています。

 ーー それではいくつか網代に関する質問をお聞きしたいと思います。まず「網代」という地域を紹介していただけますか?

山崎 網代というとやはり漁師町なので、魚の美味しさは格別です。漁港があり獲れたて新鮮な魚が味わえ、熱海で魚を食べるなら、是非網代へ来てほしいですね。
また、網代の玄関口として古くから愛されてきた「干物銀座通り」もあります。昔は40店舗ぐらいも干物のお店が建ち並んだ有名な通りです。
さらに、海と山が近いことも特徴で、網代といえば海というイメージがあるかもしれないですが、実は山の魅力もあって、海・山両方の自然が楽しめるのも網代の魅力ですね。山でいうと朝日山公園という、相模湾を一望できるスポットがあるのですが、私は熱海でもっとも絶景が見れる場所だと思っています。

網代の海
網代の山
相模湾一望の朝日山公園

 ーー 自然環境では、どのシーズンが一番オススメですか?

山崎 春夏秋冬で季節によっていろいろ風景が変わるので、春は桜が綺麗に見れる場所があったり、夏は海の魅力があったり、秋は紅葉があって、冬は温暖で過ごしやすく、どの季節もそれぞれの良さがあるりますね。
移住者や2拠点生活をされてくる方は、冬は温暖で雪かきもしなくていいし、温泉があり温まるので、冬を楽しめるという話をお聞きします。


 ーー 網代の冬に魅了される方が多いみたいですね。その他に、山崎さんが知る、「ここが網代の魅力だ」という点を教えてください!

山崎 私が魅力だと感じるのは「人」ですね。
一見すると閉鎖的に見えるかもしれませんが、一度知り合い中に入るとおもてなしの心が強い温かい人たち沢山います。Uターンして街の活性化をしていると、たくさんの網代の方が協力してくださり、改めて人の温かさの魅力に気づいています。
また、網代は熱海の中心部に比べて観光地化されてないので、ゆっくり、のんびりでき自分や大切な人との時間を過ごせることも網代ならではの魅力ですね。

網代を象徴する祭りの様子

Uターンして人生を見つけ直す時間を得られた


 ーー では次の質問をお聞きしたいと思います。山崎さんがUターンを決意したきっかけとかがあればお教えていただきたいです!

山崎 親もよい年齢になっているので、いつか網代に戻って来なければいけないと思っていました。そんな中で、コロナが世界中で猛威を振るい、自分の将来をふと考えるきっかけとなり、「このままで自分の人生は良いのか?仕事中心で幸せなのか?」と思い、40代手前ということもあり、環境を変え再出発しようと思い切ってUターンしました。


 ーー なるほどです。山崎さんはUターンしてよかったなあと思ったことありますか?


山崎   自分の時間が持てたことと、やっぱ自分自身が今後どう生きるかっていうのを見つめ直すことができるようになったのは良かったことです。
若い時は、華やかな東京で刺激があり楽しめると思います。しかし、人が多く自然の少ない東京は、歳を重ねるにつれて窮屈さも感じるようになりました。朝から時には深夜まで仕事詰めで、常に仕事のことばかり考える毎日で、体調を崩したこともありました。
網代の戻ってきて、ゆっくり人生を見つけ直すこともでき、「自分の本当に望むこととは何か、自分が落ち着く居場所とはどんな場所か」を考える時間が持てたことは、やはり良かったことですね。

朝日山公園での初日の出

楽しい暮らしができる街にしたい


 ーー 「あじろ家守舎」に関してお聞きかせください。「あじろ家守舎」を設立されたきっかけを聞かせてください。


山崎 仕事の関係で「naedoko」という熱海のコワーキングスペースを借りていて、naedokoの交流イベントで、たまたま網代に移住されてきた現あじろ家守舎の理事である板橋さんと知り合いました。
その交流会で、住む街をもう少し楽しくしたい周りの人たちが楽しく暮らせるようなまちにしたいもっと多くの人に街を好きになってもらいたい、と話が盛り上がりました。そんな話から、一度網代の街のこれからに関して話したいねとなって、さらに輪が広がり新たなメンバーが加わり、「あじろ家守舎」が誕生しました。
なので、「街づくり」というより「自分たちが楽しい暮らしができるようにしたいね」という動機でした。

「あじろ家守舎」ロゴ

 ーー なるほどです。具体的に「あじろ家守舎」ではどのような活動を行われていますか?

山崎 網代の印象を聞くと、「網代は伊東方面に行く際に通り過ぎる場所」、「街の方に入りづらい、入ってよいのか分からない」、「お店なども紹介してもらえないと入れない」などという声がありました。実際家守舎メンバーの移住者もたまたま網代に出会っただけで、それまでは全く知らなかったと言います。
まずは、網代の魅力を知ってもらわなければと思い、魅力を体感してもらうイベントを開催しました。
網代のお店や絶景スポットなどに得点をつけ、スタンプラリーのように街を巡ってもらう南熱海・網代ロゲイニングや網代の魚の魅力を知ってもらおうと、網代漁港で朝獲れたアジを自ら姿造りしてもらうイベントや街歩きツアーも開催しました。

南熱海・網代ロゲイニング
朝穫れアジの姿造り体験

また、最近は大学生とも一緒に活動する機会が多く、日本大学 危機管理学部の学生さんと一緒に防災関連(防災ロゲイニング・防災カードゲーム・防災食の開発)のイベントを実施したり、早稲田大学の学生と空き家調査を行ったりしたりしています。

日本大学危機管理学部の学生とのイベント

大事なのは自分が楽しいか


 ーー では続いて、地域が活性化していくためにいくつかの質問をお聞きしたいと思います。まず、第1歩として何が大事だと山崎さんが考えられていますか?


山崎 いきなり地域活性化をしようと思うとハードルが高いので、まず街を好きになる街にダイブして魅力を発見したり、地域の人と触れ合うことが大事だと思っています。


 ーー なるほどです。地域で活動するときに何が1番大事だと思われてるのかもお聞きしたいです。

山崎
 それぞれ活動する理由は違うと思いますが、自分が楽しいか自分がなぜそれをやりたいかっていうのを考えるのは重要だと思います。地域で活動することが自分にとってのメリットや、自分のやりたいことと繋がっていないと継続することができないと思います。

 ーー 仰っる通りですね。では最後の質問になりますが、「あじろ家守舎」が目指してる方向や網代の将来像について、山崎さんのご意見を聞かせてください!

山崎
 あじろ家守舎が最終的に目指すしていることは、「魅力的な産業や事業を作る」ことです。既存にある産業や事業が魅力的になることや、これまでなかった網代の資源を活用した新たな産業・事業の創出を目指しています。今まで網代っていうのは、なかなか新たなものが生まれてこなかった地域だったので、時代に沿った魅力的なものが生まれる環境をつくりあげていけば、流出も減るだろうし、逆に流入が増えると思います。私たちはそのようなことを担ってくれるプレイヤーを見けたり、地域とつなげたり、場をつくることが役割だと思っています。
そのためには、地元の人信頼あるネットワークがより築け、落ち着ける・安心できる場所づくりを行っていければと思っています。域外の人は、網代に来ると実現したいことに挑戦できる、自分時間や大切な人との時間が過ごせる、新たな仲間ができるなどサードプレイスとしていければと思います。域内外皆それぞれの居場所づくりが行え、持続的にウェルビーイングが高まる場づくりをしていきたいです。

 ーー ありがとうございます!最後に山崎さんから、インタビュー記事を読んでくださる方々に一言をどうぞ~

この記事を読んで「網代って面白そう」「行ってみたいかも」と少しでも思ってくれた方は、是非網代に来てほしいですね。ご案内します!

山崎さんからの一言

ーー インタビューは以上になります。ありがとうございました!

山崎
 ありがとうございました。



以上、「あじろ家守舎」理事長の山崎さんへのインタビューでした。

皆さんいかがでしょうか?「網代」には興味を持ってくれましたか?😊

「あじろ家守舎」インスタも活用し、網代の魅力や「あじろ家守舎」の活動を投稿していますので、是非「あじろ家守舎」(@ajiroyamorisha)で検索して、フォローしてみてください!

これからも網代地域に移住してきた方や、網代で商売を営んでいる方などのインタビュー記事をnoteで投稿していく予定なので、是非フォローしてチェックしてみてください~

次回のNOTE記事予告 From いぐっちゃん


網代「小澤商店」の前にいる小澤さん

網代地域で長く、その日に水揚げたされた魚の加工および商店や旅館などへ卸している

小澤商店

店主 小澤《こさわ》 紳一郎 さん

網代名物の干物!なぜ網代の干物が美味しいのか?
干物の歴史を網代で長く商売を続けてきた『小澤商店 小澤さん』のインタビューから明らかに!?
網代の干物の魅力がふんだんに詰まった記事をお楽しみに。


筆者コーナー:
こんにちは!「あじろ家守舎」のるいです!🙋‍♀️
今回のインタビュー企画の第一弾として、あじろ家守舎の代表理事を務めている山崎さんにお話を伺いました!山崎さんにご案内いただき、実際に網代を歩いてみたら、熱海という有名な観光地にこんなに近いのに、熱海とは全く異なり、静かで穏やかな地域であることに驚きました。😮
一方で新しいお店ができたり、網代のポテンシャルも感じています!ただ、このような魅力を知っている人がまだまだ少ないということは心が痛いとも感じました。😢
インターン期間は3ヶ月という短い時間ですが、三人の力を合わせて網代の場所の魅力や人の魅力を発信していきたいと思います~

インターン生るいより


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