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「はなちゃんって、ご主人が養豚家って知っててつきあったの?」

放牧豚の味菜自然村の嫁 
はなちゃんこと、林はなえです。

「はなちゃんって、ご主人が養豚家って知っててつきあったの?」
結婚して10年になりますが、これ、実は、今でもわりとよく聞かれる質問です。
つまり、その裏に、こんな山奥で家族で動物を飼うスタイルの家に嫁ぐということ、結構な『覚悟』だったろうね。。。というニュアンスを含みます。

今日は、私がどうして味菜自然村の村長のところにお嫁にくることになったのか、少し書いてみようと思います。
え?急に恋バナ?と思わせちゃったらスミマセン。
私の恋バナなど、誰も求めてないですよね。
いや、恋バナをしたかったわけではないのですが、
人生のパートナーとなる人を選ぶとき、その人が選んでいる仕事、
まして、自分で事業をしている場合は特に、
仕事に、その人の人生観というか、何を大切にしている人なのかが出てくるものだと思うのです。
と、いうことで、私が結婚前後に感じた、村長がしているお仕事のことについて書いてみようと思います。

食べ物を捨てる、という仕事

結婚前の私は、実は今とは全くの畑違いの世界にいました。
レストランを経営する両親のところで育った私は、
やはり両親の背中を見て育ったのでしょうね。
初就職先に選んだのは、ラグジュアリーな会員制のリゾートホテルでした。
お客様をおもてなしすることは、嫌いではなかったのですが、
ホテルの仕事で、どうしても最後まで慣れなかった嫌な仕事があります。
それは、朝食バイキングの後片付け。
なんとなく、想像つきますよね?
一度、並べられた食べ物は、基本、バッサリバッサリと廃棄になります。
「食べ物は絶対に粗末にしてはダメ」と小さなころから教えられてきた私には、この仕事が本当に嫌で、最初の頃は涙を浮かべながら捨ててました。

捨てられる食べ物を活かす、という仕事

そんな経験をしてきた私が、
初めて味菜自然村に来て、村長のお仕事を見学しながらお手伝いした時の衝撃を、今でもよく覚えています。
まず最初は、村長が地域の病院や老人ホームなどから回収してきた野菜くずなどの食品残渣を選別する仕事です。
その時、いわゆる廃棄されるはずだった「ゴミ」が、
ここでは、もう一度活かされて豚達の命に繋がっているんだ、ということにとても感動しました。
しかも、豚にあげないようにしている肉類や、多すぎる魚は、犬や猫の餌に。
そして、これらの選別したものを煮る時に使う水は、山から引いている豊かな山水。さらに、煮るためのエネルギー源はというと、解体業者さんが届けてくれる廃材(つまりこれもゴミ)なんです。凄くないですか?
「なんて無駄なく巡っていて素敵なお仕事だろ!」って感激したのを今でもよく覚えています。

そしてまだ続きがあって、今度は乳酸発酵できた餌を漬物樽から豚達のところへ持っていく餌容器に注ぐという作業があるのですが、
これをしていると、時々豚舎のコンクリートの上に餌をこぼします。
べちゃっと。。。
「あ~、これどうやって掃除するかな~、めんどくさいな~」と思いながら仕事を進めていると、
どこからともなく犬や猫がトコトコとやってきて、ペロリ。
いつもキレイに掃除して行ってくれるのです。
もうほんと、果ての果てまでうまく巡っていて、またまた感動しちゃいました。

こんな風に味菜自然村ではたった豚舎内だけでも色々な物や命がきれいに巡っていたのです。

思えば昔から自然が大好きだった

思い返してみると、私は小さい頃から自然が好きで、エコにも関心をもっている子でした。だからこそ、彼のやっていることに大きな意味を感じて心に響いたのだと思います。
新婚当初、私は、自分の仕事が、
食べ物を捨てる側から、
捨てられる運命にあった食べ物を再び活かして、命へと繋げる側へと180度変わったことを、とてもとても誇りに感じていました。


ということで、
「はなちゃんって、ご主人が養豚家って知っててつきあったの?」という問いに対する答えは、
もちろん、私は村長さんのお仕事を知ったうえで、お付き合いしましたよ。
結婚という話になった時も、
養豚農家に嫁ぐ『覚悟』というより、むしろ、
こんな素敵な循環を自分で考えて生み出し、仕事にしている彼に、
お金とか、見栄とか、見た目とか、そういった指標では計れない
『かっこよさ』を感じ、『憧れ』を抱いていたように思います。

小さく循環して継続すること

味菜自然村では、こんな風に、
地域の中で小さく循環しながら、未来に繋がる農業の形を模索しています。
拘って、豚専用に厳選の飼料を配合する、という道もあったけれど、
味菜自然村では、その方法を選択しませんでした。
拘り過ぎると、色々な意味で持続不可能になる。
どこかをハナマルにするためにどこかを犠牲にする方法ではなく、
地域にとっても〇、地球にとっても〇、豚にとっても〇、食べる人にとっても〇になるよう、地域の中で小さく巡らせながら継続していける方法を選んでいます。
地球も、人も、家畜も、みんなで健康になれる、古くて新しいの農業の形。
そんな農業を追求しながら、こんな農業が広まればいいなぁと願っています。


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