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痛風はどのような病気?気をつけたい生活習慣

「足の親指が痛すぎる! まさかこれって痛風……?」
ある日突然、足の親指の関節などが腫れ、激痛が伴う生活習慣病。
それが痛風です。
その痛みは痛風発作と呼ばれ、夜中や明け方に発症することが多いと言われています。
20代から50代の男性に多くみられますが、その原因や体内でなにが起こっているかは意外と知られていないかもしれません。
この記事では痛風の症状や原因、治療方法などについてお話します。


■痛風の原因は?

痛風発作の原因は「尿酸」です。
尿酸は、「プリン体」という細胞の核の中にある遺伝子の構成成分から生成される老廃物の一種。
人の体内でもつくられ人間の生命活動に必要な物質であり、食品のほとんどに含まれます。
通常は、体のなかで作られる尿酸と尿中から排出される尿酸の量は同じであるため、血液中の尿酸値は正常です。
しかし、プリン体を多く含んだ食品を習慣的に過剰摂取することで、血液中の尿酸が含有量が高くなります。

■高尿酸血症と痛風

血液中の尿酸値が7.0ml/dLを超えた状態のことを「高尿酸血症」と呼びます。
そして、この状態が継続すると結晶化した尿酸が関節にたまって炎症し、痛みを発症した状態が「痛風」。
本来、結晶として存在しない尿酸を、体内の白血球が異物として排除するため起こる炎症です。
痛風発作は歩くのがむずかしいほど痛みますが、痛みのピークは発症から24時間と言われています。
個人差はありますが、一週間前後で治まることがほとんどです。

■痛風の治療方法は?

痛風の治療はおもに痛風発作に対するアプローチ高尿酸血症に対するアプローチの2つにわけられます。

(1)患部の炎症を抑えるための治療
まずは痛みを緩和する消炎鎮痛剤や、腫れを抑える副腎皮質ホルモン剤、白血球のはたらきを抑えるコルチヒンを内服します。

(2)高尿酸血症に対する治療
今後の痛風発作を抑えるため、尿酸を生成する酵素を阻害し、尿酸値を下げる尿酸産生抑制薬、尿で尿酸を排泄しやすくする尿酸排泄促進薬で治療します。

なお、初回の痛風発作時に尿酸値を下げる薬は原則使いません。
発作が起きている状態に使うと、症状が長引いてしまうことが多いとされます。

■痛風まっしぐら?気をつけたい生活習慣7つ

下記のような生活習慣、体質の人は尿酸の生成が促進されやすいでしょう。
「この症状、痛風かも……?」と思い当たる節がある人は、自分が習慣化している行動を見直してみてください。

  1. アルコール類の過剰摂取

  2. プリン体を多く含んだ食品の摂りすぎ

  3. ストレスの蓄積

  4. サウナなど脱水を招く行為

  5. 筋トレなどの無酸素運動

  6. 腎障害がある

  7. 遺伝である

※プリン体を多く含んだ食品の一例
鶏レバー、干物、白子、アンコウの肝、豚・牛レバー、イワシ、カツオ、ビールをはじめとするアルコール類、甘い清涼飲料水など

また、痛風は発症する95%が男性です。
女性の患者が少ないのは、もともと尿酸値が低いから。
また、エストロゲンと呼ばれる女性ホルモンによって尿酸が排出されるためと考えられます。
しかし、女性は閉経を迎えるとエストロゲンの分泌が少なくなるため、注意しましょう。

■まとめ

今回は、痛風が起こるメカニズムや原因、注意すべき生活習慣についてお話しました。
前項で紹介した痛風になりやすい生活習慣を見直すことに加え、水分をたっぷり摂ることで尿酸を排泄しやすくしたり、新陳代謝を高め尿酸を排出しやすくする有酸素運動もおすすめです。
痛風うたがいがある人や尿酸値が高い人は、早めに医療機関に相談してくださいね。
この記事が皆さんの参考になればたいへん幸いです。

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