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ウォーミングアップを理解する

レース前のウォーミングアップ、皆さんはどのように行っていますか?

今回は人によって様々なウォーミングアップ、その目的や方法のアドバイスが行われている海外記事をご紹介します。

参考元はTrainerroadのサイトにアップされていた記事になります。

意訳、要約していることをお伝えしておきますね。




ご紹介する記事


レース前のウォーミングアップとしては、10-20分ほどゆったりしたペースで漕ぐことが多いと思います。

しかしスマートトレーナーの登場によって駐車場で(その場で)より効果的なウォーミングアップが行えるようになってきました。

今までのウォームアップ(ゆったりペース)から、レースや大会、その他イベントに適した内容のウォーミングアップに切り替えることで様々なメリットがあります。

まずは多くの方が抱いているウォーミングアップに関するに疑問にお答えしていきましょう。


なぜウォーミングアップを行った方がいいのか?

現段階の研究ではウォーミングアップが効果的であるという確たるコンセンサスはまだありません。

その理由の一つに各アスリートが実施するウォーミングアップが多種多様であることが挙げられます。

一方で経験的にはレースに適したウォーミングアップを行うことによって本番のパフォーマンスが向上すると考えられています。

ウォーミングアップを行う目的には、以下のようなものがあります。


◆体の準備

筋肉は使い始めると血流が増加します。

増加した血流によってより多くの酸素が供給されるため、有酸素能力に必要な酸素が確保できるようになります。

これによってグリコーゲンの消費を抑えられ、乳酸産生を抑えることもできます。

このことと関連して、私たちの体は動くことによって熱を産生します。

文字通り体を温めること(=ウォーミングアップ)はより多くの酸素の運搬を可能にします。

ヘモグロビンは5℃上昇することによって酸素を2倍運ぶことができます。

そしてウォーミングアップは筋線維の活動を高めます。

もしウォーミングアップなしでレースをハードにスタートすると、必要な筋線維数を動員させることが出来ずにケガをする可能性や筋出力の効率を下げることになりかねません。

ウォーミングアップによって筋線維の活動を徐々に高め、ケガの発生率を下げ、そしてより効率的な筋のエネルギー代謝の状態を促します。

またウォーミングアップによって神経系をレースに適した状態へ目覚めさせます。

ペダリングは一見すると前に踏み出すだけの単純な動きに見えますが、様々な体の部位が連携することで成り立っています。

ウォーミングアップでレース時に必要な統率された筋活動を体にインプットし、体を最適な状態へと導き、何も気にすることなくスタートラインに並びましょう。


◆メンタルの準備

メンタルは客観的に評価しづらいものの、ウォーミングアップを行うことでその準備を整えることができます。

タイムトライアルにしろ、シクロクロスのスタートにしろ、どのようなレースであってもメンタルが集中できていることは必要不可欠です。

良い集中状態をどのレースでも同じように作り出すためには、ウォーミングアップルーティンが一つ鍵になります。

レースによってはウォームアップを実施する環境がない場合もあるため、スマートトレーナーを用意することが最も良い方法です。

出来る限り一貫した、どのレースにおいても実施可能なウォーミングアップの方法と環境をセッティングしましょう。

ウォーミングアップで集中力を高めながら、レース本番にコミットできる状態を作ることでレースに向かう準備が整います。

落車の恐怖や、ライバルの存在、コースの特徴やレースプランなど、様々な心と頭の整理もウォーミングアップの時点で行いましょう。

そういったメンタルの問題の準備を完了させるために、ネガティブなセルフトークを遮断できるあなたにとって好ましい環境を構築しましょう。

ヘッドフォンを使ってモチベーションを高めるプレイリストを聞くことも有効です。


◆今日の自分を把握する

ウォーミングアップの目的として、今日の自分自身の状態を把握することも挙げられます。

例えばチーム スカイは、ウォーミングアップを利用してその日の選手たちの調子を予測し、戦略的な意思決定をしていることで有名です。

いつも同じウォーミングアップを実施することで調子の良し悪しが判断できるのです。

重要なことはデータを取得する際の一貫性です。

日頃から同様のウォーミングアップを実施しておくことで、その日の調子をウォーミングアップから推し測ることができるようになるでしょう。


ウォーミングアップの実施法

ウォーミングアップはレースに適したものを行うべきです。

たとえば開始直後からハードワークが求められるようなクリテリウムやタイムトライアル、マウンテンバイクやシクロクロスなどの場合は、高い強度のウォーミングアップが必要です。

ウォーミングアップの具体的な内容は個人によって異なり、実施する中でブラッシュアップされていくものです。

そのひな形として3つのウォーミングアップをご紹介します。

これらを基本型にして、皆さんに合うようカスタマイズしてみてください。


◆スタートからハードワークを行うレース

参考記事より引用

・ランプ(漸増)
・1min 80%FTP
・5min 80 to 90%FTP
・8-45sec インターバル (120-220%FTP)

このスタイルのウォーミングアップはシクロクロスやマウンテンバイク、そしてクリテリウムなどの比較的短く、ハードワークが求められるレースに適しています。

このウォーミングアップは徐々に強度を上げていき、80%FTPを1分間維持し、レストをはさんで80-90%FTPの間で5分間実施。

その後、8-45秒間のショートインターバルを120-220%FTPで実施していき、レースに必要なパワー帯を刺激します。


◆一般的なレース

参考記事より引用

・ランプ(漸増)
・1min 80%FTP
・2min 80 to 90%FTP
・5min 92%FTP
・6sec インターバル (120-140%FTP)

様々な強度で走ることが予想される、一般的なレースにおいてはこちらのウォーミングアップが良いでしょう。

80%FTPを1分間実施後に2分間80-90%FTP強度、その後5分間92%FTPを実施します。

最終的に6秒間120-140%FTPのインターバルを行います。


◆タイムトライアルなど一定強度を維持するレース

参考記事より引用

・ランプ(漸増)
・1min 80%FTP
・5min 80 to 90%FTP
・8min 92%FTP

一定の高い強度を維持するようなタイムトライアルなどのレースに向けては、一定強度を維持するスタイルのウォーミングアップが良いでしょう。

徐々に強度を高めた後に1分間80%FTP、少しのレストをはさみ5分間80-90%FTPを実施。

その後8分間92%FTPを実施することでレースの準備を整えます。



ウォーミングアップはどうすればいいのか、なかなか悩ましいのが現実です。

私が参加したことのあるヒルクライム大会(富士ヒルクライム、赤城山ヒルクライム)などでは、集合場所に多くの方がいますし、また駐車場からも離れていたりします。

しかしそんな中でもうまく場所を見つけてウォーミングアップをされている方たちもいらっしゃいましたので、私もそれを見習って集合場所から少し離れた場所で行ってみました。

5分、10分でもウォーミングアップを行えればスタート直後の感覚はかなり異なってきます。

是非皆さんも、ご自身のウォーミングアップスタイルを形作ってみてください!


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