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ケイデンスについて理解を深める for Cyclist & Triathlete

みなさんこんにちは、川崎です。今回は海外記事のご紹介です。

サイクリストに限らずトライアスリートにも気になるケイデンス。

どのくらいのケイデンスでエネルギー効率が良いのかや、ケイデンスがサイクリングパートの後のランニングパートにどれくらい影響するのかなど、気になることが沢山あるケイデンス。

このことについてまとめてくれている海外記事をご紹介します。

今回もTrainerRoadのホームぺージに載せられている記事を参考にさせてもらいました。

Hurleyさんという方が書かれている記事で、今までの記事でもご紹介させてもらっています。(記事が楽しくて、分かりやすい!)

最後にはケイデンスとペダリング向上のトレーニング方法についても紹介があります。

是非、最後まで読み進めてみてくださいね。




ご紹介する記事


ケイデンスは気になるトピックではあるけれど、掴みどころの難しいテーマです。

体感としてはあるケイデンスは他のケイデンスとは違った感じがしますし、私たちは自然とあるケイデンスに引き寄せられます。

しかしケイデンスの違いがどれくらい影響のあるものなのかはあまり知られていませんし、このトピックには矛盾した情報がたくさんあります。

何が本当に良いもので、ペダリングのドリルでどのように効率的なペダリングへと技術を高められるのか?

それらについて、この記事でご紹介していきましょう。



ケイデンスとは何か?

サイクリングでのケイデンスはペダルの回転数のことを意味します。

一般的にはrpm(revolution per min)で表され、そこまで高価ではないセンサーで計測可能です。

もしパワーメーターをお持ちであれば、それによって自動的にケイデンスは計測されます。

ピストバイクのような固定ギアの場合は、ケイデンスはスピードに直結していますので、速く進むためにはより早いケイデンスが必要になります。

しかし変速調整が可能なバイクではスピードやペダルの抵抗に対して変速を行って、比較的コンスタントなケイデンスを保つことが可能です。



最適なケイデンスは?

最適なケイデンスはサイクリストによって、そしてシチュエーションによって様々です。

一般的に良いとされるケイデンスは80-100rpmあたりでしょう。

初心者のサイクリストであればもう少し遅く、65-80rpmが妥当です。

より経験を積んだ方であれば平均のケイデンスは75-95rpmほどになり、プロになれば100rpm以上のケイデンスを維持することも可能です。

一つ言えることは、ケイデンスが異なると体への生理学的な要求が異なってきます。

たとえば低いケイデンスであれば一回のペダルストロークでより大きな力が必要になり、速筋線維の動員が活発になります。

一方高いケイデンスでは一回のペダルストロークでの力は少なく済みますので、心肺機能や遅筋線維の動員が活発になります。

しかしこれから見ていくように、ケイデンスの変化が体に及ぼす影響は思っている以上に複雑です。



最も有効なケイデンスは?

ケイデンスは低い方が生体エネルギー効率が高いという考えを裏付ける証拠はたくさんあります。

ペダルをより早く回転させるとき、推進力はケイデンスが低いときと同じであっても酸素消費は増えてしまいます。

代謝の側面からは60rpm前後のケイデンスが最適であるとされていますが、このような回転数は維持することが難しいですね。

なぜなら、エネルギー効率よりもサイクリングには重要なことが他にもたくさんあるからです。

それはパワーをどのように生み出すかに関係しています。

低いケイデンスでは、筋線維の収縮速度が筋線維にとって最も適した速さよりも遅いものになっています。

パワー出力を高めるためには筋肉がペダルに効果的にパワーを伝える必要があります。

そのため60rpmのような低いケイデンスが代謝的なコストで有利であっても、パワー発揮の効率を制限してしまいます。

このように科学的な知見は時に矛盾する結果が導かれます。エネルギー効率とパワー発揮、視点が違えば望ましいケイデンスも変わってきます。

しかし多くのエビデンスが示していることは、最も効果的なケイデンスはシチュエーションとイベントのタイプによって異なってくるということです。

70-90rpmほどのケイデンスはウルトラエンデュランスライドのような、エネルギーの消費を抑えることが重要な場合に有効でしょう。

90-100rpmのような高回転はタイムトライアルのような出力パワーの高さが主目的となる場合に有効です。

そして100-120rpmのようなハイケイデンスはレース中でのアタックやラストスプリントといったような短い時間で非常に高いパワーを発揮する際に有効です。



トライアスリートにとってのケイデンス


トライアスリートにとって、ケイデンスの違いがランニングにどう影響するかが気になると思います。

トライアスロンのようなマルチスポーツではいかにエネルギーを節約できるかが鍵になりますので、経済的な(低い)ケイデンスが有効だと考えられます。

実際いくつかの研究ではこの考えが支持されていて、ある研究では低いケイデンスでバイク実施後の方がランニングの疲労は少ないとされています。

そのためトライアスリートは少し遅いペダルストロークがベターだと言えます。

しかしある研究においては、バイクパートのラストを高いケイデンスで終える方が、その後のランニングパート開始後のペースが速い傾向にあることが示されています。

このことはレベルが拮抗している相手と競う場合、勝敗に関わるほどの差を生み出します。

そのためトライアスリートの方も幅広いケイデンスでのペダリング技術の向上は有益です。



異なったケイデンスをトレーニングするべき?

イエス!

サイクリストはクライムやコーナーを抜けたあとの加速など、ケイデンスの変化が求められるシチュエーションが多々あります。

そのような対応への準備が出来ていなかった場合、大きな疲労を抱えてしまいます。

練習と経験によって幅広いケイデンスを用いることができるようになれば、レースでの対応力も増していくでしょう。

ケイデンスドリルはペダリングの質と効率を高めます。

実際プロサイクリストは低いケイデンスの方が経済的であるということに反して、高いケイデンスの方が効率が良いこともあります。

このような事実はプロアスリートの動作や技術が練習によって獲得されたものであり、後天的に獲得できるものであることを示しています。

そのため、ケイデンスドリルは私たちにとっても有効です。



どのようトレーニングするか

ケイデンスドリルでは効率性や動作パターンの改善を目的としているため、低め~中程度の強度で実施します。

ベーストレーニング期間に行うことで、シーズンに向けてよりよい準備が出来るでしょう。

ケイデンスドリルは典型的にはベーストレーニング期に集中して行うことが通例ですが、改善をしたいと感じたタイミングであればシーズンのどの期間に行っても良いものです。

ケイデンスドリルは高い出力を出すことはありません。主とする目的は良いフォームを確立することです。

(目標としている)パワーの向上計画を妨げない頻度で、軽めの負荷で取り組むようにしてください。

始めは退屈に感じるかもしれませんが、ペダリングの向上は体力の向上に比べれば早く訪れます。

ここからは、いくつかのトレーニング方法をご紹介していきますね。


エンデュランススピニング(Endurance Spinning)

このドリルはあなたにとって好ましいケイデンス帯での能力を引き上げます。

いつものケイデンスから3-5rpmほど高いケイデンスを5分間維持しましょう。


シングルレッグ・フォーカス(Single-leg Forcus)

シングルレッグ・フォーカスドリルでは一回転のペダルストローク全体で効果的にパワーを生み出せるようにすることが目的です。

どちらか片方の脚のみに注意を向けて、ペダリングのボトム(6時方向あたり)で軽く脚を引き、軽く膝を上に持ち上げ、そして柔らかくペダルを蹴りだします。

数分行ったら、逆側の脚でも実施しましょう。


アイソレートレッグトレーニング(Isolated Leg Training)

シングルレッグ・フォーカスドリルと似ていて、アイソレートレッグトレーニングは一回転のペダリング全体でパワーを生み出せる能力を高めることが目的です。

片側の脚はペダルに固定せずに休息させます。(宙に浮かせたり、ペダルの上で休憩させたり、フレームに乗せたり、なんでも構いません)。

ゆっくりなケイデンスから10-20秒間ほど行いましょう。

特に0時と6時方向にペダルがあるときには集中してください。

ペダリングにデッドスポットがあると「ノッキング音」(力が一瞬抜けて、再度ペダルに力が加わることで発生する「カン」といった音)が発生します。

チェーンを常に引っ張るように意識してください。悪い癖がつかないように、5-10秒ほどで脚を替えましょう。


キック&プル(Kick & Pull)

上死点(0時)と下死点(6時)という、ペダリングのウィークポイントで力を逃がさないようにするトレーニングです。

上死点に差し掛かったときに、少しつま先で靴の先端を押します(キック)。そして下死点では踵で靴の後端を少し引きます(プル)。

30-60秒ほどキックに意識を向け、その後同じようにプルに意識を向けます。キックとプルは交互に意識して実施しましょう。



エネルギー効率から見た場合のケイデンス、筋肉の特徴から見た場合の最適なケイデンスが異なるということを私たちは実際のライドで無意識に感じているからこそ、ケイデンスに強い関心があるのかもしれませんね。

サッカーやアメリカンフットボールを経験してきた私にとって、サイクリングというスポーツは非常にシンプルに映ります。

ペダルを回す、以上!

もちろんレースでは局面局面で戦術があって、チェスにたとえられることもあるほどに頭脳戦でもありますので、こんな言い方は怒られるかもしれません。(すみません)

でも、このペダルを回す難しさは日々実感しているところで、技術的に良くなったなと感じることもできるサイクリングの楽しいところでもあります。

シンプルであるが故に奥も深い。そして楽しい。

この記事を読んで、私もケイデンスドリルに励んでおります。

今回はそんなペダリングのケイデンスについての海外記事のご紹介でした。


最後までお読みくださりありがとうございました。

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