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短篇小説:変境日誌

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誰かのふつうは、誰かのとくべつ。ショート・ショート小説『変境日誌』シリーズです。
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記事一覧

課金の町 (変境日誌/ショートショート小説)

或る町に着いた。 駅の改札を通る際、手持ちのスマートフォンにアプリケーションをインストー…

赤沼夕時
3年前
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波紋の町 (変境日誌/ショートショート小説)

或る町についた。 取り立てて特徴のないベッドタウンで、駅から十数分あるいたところにある会…

赤沼夕時
3年前
5

魚餌の町 (変境日誌/掌編小説)

或る町についた。 都市部に隣接するベッドタウンで、明朝この町で急な取材が入ったため、今夜…

赤沼夕時
4年前
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鳥獣の町/変境日誌

 或る町についた。  数年前までなんの変哲もない、関東の外れの静かな町だったが、突然沸い…

赤沼夕時
4年前
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傘の街/変境日誌

 或る街に着いた。  学生時代の友人が、ある外資の工業系大手企業に勤めている。彼が今日、…

赤沼夕時
5年前
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人形の町/変境日誌

 或る町に着いた。  この町ではまだ、生身の人間に出会っていない。往来を行き来しているの…

赤沼夕時
5年前
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静かの町/変境日誌

 或る町に着いた。  時刻は午後も5時を回ろうというところ。先頃一戸建てを手にした友人に夕食に呼ばれた僕は、やや郊外にあるこの町を腹を空かせて訪れた。彼の家まで最短ルートの車通りから一本奥へ行くと、商店街を通っていけるようだった。  僕の友人である彼は、僕と同郷人なのだが、この町に居を構えた理由は彼の奥さんの郷里だからとのことで、夕食の話題のひとつに町の雰囲気も肴になるだろうと、商店街を行ってみることにした。  買い出しの母親たちや、下校途中の小中学生、日がな一日この界

悲しみの町/変境日誌

或る町に着いた。 コンビニエンスストアの前で、色あせたミリタリージャケットを着た浅黒い肌…

赤沼夕時
5年前
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蟹の町/変境日誌

或る町についた。 この町へは電車でやってきたが、 途中の車内で奇妙な光景を目にした。 午…

赤沼夕時
5年前
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犬の町/変境日誌

或る町についた。 この町の人々は皆、犬を連れている。この町に入ってからすれ違った人々は例…

赤沼夕時
5年前
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