五反田好子

東京在住編集者(女)です。人の書いているものを整えて10数年ですが、自分で書きたくなっ…

五反田好子

東京在住編集者(女)です。人の書いているものを整えて10数年ですが、自分で書きたくなってきた。 twitterID: @GotandaYoshiko https://twitter.com/GotandaYoshiko

マガジン

  • 五反田好子、綴

    エッセイ

  • 五反田好子、旅

    写真中心、旅の記録です。国内多いですが国外もたまに、というかまずは東南アジアから。

  • 五反田好子、創

    小説すばる新人賞7年応募、1次通過5回、2次通過が最高。かつては本を出し、フリーライター歴5年。今は編集が主で、執筆は取材記事のみ。リハビリのつもりで書きます

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自己紹介(note開設動機)

note開設動機と自己紹介を。 名ばかり東京生まれ東京育ち、出版営業、新聞社、フリーライターなどを経て現在は編集者です。活字の海をさまざまな角度から泳いできました。人の書いた原稿を整える仕事が主で、大変やりがいがあるのですが、少し欲が出てきたといいますか、黒子に徹しきれなくなってきたといいますか、40代も後半に入り何かを残したくなったといいますか。 「好子はもっと腰を据えて、発信したほうがいい」という旧友の言葉に後押しされ、創作欲を、仕事やリアル知人の場所とは隔絶した場所

    • 私も「あの頃はよかった」回顧人間になってしまったのか

      ずっと昔、年下の元夫は新聞記者だった。 新聞社で新聞記者は花形ポジションだ。彼が総務部の若い男子のことをバカにしたような発言をしたとき、私はすごく怒った。 花形ポジションにいる人間は、総務や経理など内勤の人間をちょっとバカにする傾向がある(私しらべ。もちろんそうでない人もいる)。週刊文春の編集長(当時)が出した本で、花形記者と内勤記者を分け隔て無く扱うことに気を遣っている、ということを書いてて、「この人偉い」と感じた。 先日、ある若い人と話す機会があった。 その人が属する、

      • 80歳母と50歳娘が初めてのバレエを観た話

        3ヶ月ぐらい前だったか、「あさイチ」プレミアムトークで熊川哲也さんが言っていたことに興味を持ち、ふと「バレエ観に行ってみようかな」となった。 3ヶ月後のKバレエトーキョー「くるみ割り人形」のチケットが三階席ながらまだあったので、取り急ぎ取った。 熊川さんは、「台詞のないバレエは観る側の感性も問われる総合芸術」ということを語っていた。また、「日本人はもっと感情を出して」ということも。 当時私は職場の人間関係で、自分が我慢し続けることに対して悩んでおり、その言葉に共感を覚え

        • 誕生日におめでとうを言ってくれない男

          母が「お父さんがおめでとうの一言も言ってくれない。ケーキを買ってきてと言ったら次の日、一つだけショートケーキを買ってきた」と言っていて、私は父に憤った。 母は「あの人はそういう人だから」と片付けてるけど、「そういう人だから」でホントにいいのか? 「自分の妻の誕生日(しかも80)」に、妻をねぎらおう、労わろう、祝おうという感情がわかないということ? わかないなら…仕方ないのか。 それとも「口に出さなくても感謝してる」系?は? これだから〇△□は…と憤っていたが、夫も誕生日の日

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        自己紹介(note開設動機)

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        • 五反田好子、綴
          28本
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          7本
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          0本

        記事

          40代が終わるので今の心境を列挙

          40代が終わる。自分のための覚書。40代を終える今、心境を列挙。 ●それどころではない(仕事) 編集長に意見申し上げたらなんだか敬遠され(敬遠するなよ)、まあじゃあこっちはこっちでやらせてもらいますよと思っていたところ、大ブーメランで特集を振られる。お盆前にまだ原稿依頼の選定もできていない。私の意見にはゼロ回答のまま、また丸投げてきた状態。今日は急遽3つ電話インタビュー&原稿依頼。毎日会社の鍵締めて帰る。こんなやっつけ仕事をやらせて平気な管理職。まあ人数が少ない職場とはいえ

          40代が終わるので今の心境を列挙

          人は思ったほど動いてくれない

          朝ドラ『舞いあがれ!』を毎日観ている。 先週、主人公の舞ちゃんが、地域の町工場のおじさんたちが集う場で、「オープン・ファクトリーを皆でやりませんか?」と呼びかける展開があった。 ドラマの舞台・東大阪では、つぶれた工場の跡地に住宅ができて、越してきた住民が工場の騒音に苦情を言っている。住民の皆さんに、東大阪の町工場をもっと知ってもらいたい!知ってもらって、分かり合えれば対立もなくなるのでは──ということで、舞ちゃんが提案したのだった。 その前のドラマ『ちむどんどん』では、ヒロ

          人は思ったほど動いてくれない

          映画『コンパートメントNo.6』を観た

          『コンパートメントNo.6』という映画を観た。(ネタばれあり) 私はフィンランドのアキ・カウリスマキ監督が好きで、フィンランドのおとぎ話のような街並みで繰り広げられる独特の語り口にはまって、恵比寿ガーデンシネマやユーロスペースで封切られるたびに観に行っていた。 で、本作のうたい文句に「カウリスマキ監督に続くフィンランドの新たな才能が誕生!」とあったこともあり、新宿シネマ・カリテに足を運んだのだった。 フィンランド・ロシア・エストニア・ドイツの合作。フィンランド国内では7冠、

          映画『コンパートメントNo.6』を観た

          雑学王のカメラマン、本を読まない編集者

          団塊ジュニアの私のざっくり職務経歴。 ●大学1年生のときに4年生が就職難に(就職氷河期の始まり)。自分の時も当然、氷河期 ●何とか滑り込んだ小さな実用書の老舗出版社で営業。都内、神奈川、東北、北海道をエリアに飛び込み営業 ●激務&編集部に移れる見込みもなかったので3年弱で辞め、映画脚本の勉強をしながらアルバイト。 ●ソフト翻訳会社のアルバイトを経て就職(そこもソフトウェア翻訳系。IBM子会社)。ここも激務で辞める ●派遣会社で複数出版社の編集部で校正・校閲 ●派遣社員として

          雑学王のカメラマン、本を読まない編集者

          アラフィフ再婚の親戚付き合い

          私は子どもができないまま離婚し、40後半で再婚した。夫も再婚だ。 二人の両親とも高齢で、年相応のことはあるものの、今のところは幸い、要介護もなく元気だ。 若い頃に付き合った元・義実家と違い、夫も私もアラフィフで、もう「結婚は!?」「子どもは!?」のヤマは超えた。 親の側も、子の側も、お互いなんだか楽である。 それでも、正月などで団らんするとき、ちょーっとだけしんどくなる時がある。 親戚の誰さんがどうした、近所の何さんがどうした、という、こっちが全く分からない話を延々される

          アラフィフ再婚の親戚付き合い

          庶民・私、442年ぶりの天体ショーを味わう

          夜、442年ぶりの天体ショーがあると知ったのは当日の朝だった。 朝のニュースで知ったけど、「あ、そすか」ってなもんで、心は会社や日々の雑事から来るストレスでいっぱいで、天体ショーどころじゃなかった。 といっても、一つ一つは大したことじゃない。電話を取らない後輩、突っかかってくる局、見ないふりをする上司、妬み嫉みオーラ満載の先輩、傲慢さに気づいていない後輩、返事をよこさない執筆者、入稿開けに早いもん勝ちでテレワーク予定入れる同僚たち、連日の夕飯準備、狭い家での夫との諍い、連

          庶民・私、442年ぶりの天体ショーを味わう

          岩波ホール閉館に思う

          コロナ禍で世が思ってもいない方向に動く昨今、いろいろな人がいろいろな場面で「悲しい」思いをしているんじゃないか。行きつけのお店の閉店、行事の中止。 先日、「岩波ホールが7月29日で閉館する」というニュースを目にした。 「ショック」というほど通っていなかったけど、苦々しさが胸を襲う。悲しいけど、私には悲しがる資格がない。忘れかけていた人生の一時期がよみがえってくる。 私(団塊ジュニア)の多感な小中学生時代は、「E.T.」「「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「ゴーストバスタ

          岩波ホール閉館に思う

          団地の記憶

          新卒で就職した出版社の同期は今、東京から離れた地で、4児の子育てに加え、会社経営で奮闘している。彼女とは歳も誕生日も同じという偶然から、年に一回「誕生日おめでとう&ありがとう」メールを交換する仲だ。 ある時、私が「あんなことがあったねえ、懐かしいねえ」的な、出版社での思い出を書いたら彼女はスパっと「そうだっけ。忙しすぎて過去のことはとっくに忘れた」と書いてきた。4児の子育て&会社経営の彼女の本音だろうけど、「今を生きる人は、過去は振り返らない」ということを思い知らされたよう

          団地の記憶

          2020?2021?東京オリンピック備忘録

          2021年なのに「2020東京オリンピック」が始まった。記録として書いておく。それにしても「TOKYO2020」の旗、東京の商店街のそこらにあるけど、1年以上持つものだなあ。 オリンピックは好きだ。幼少時はカール・ルイスに憧れたし、リレハンメルのテーマ曲も今思い出せるし、バルセロナ古賀選手の金メダルは徹夜で見て泣いたし、長野はチケットもないのに母と雰囲気を味わいに行って善光寺参りしたし、リオは今思い出すと腹立たしい男(笑)と一緒に一喜一憂したし。母は1964年の国立競技場の

          2020?2021?東京オリンピック備忘録

          小説新人賞に応募し続けるということ

          3月27日、『小説すばる新人賞』に応募した。よく覚えてないけど、2年ぶり7回目かな?  7回か。(遠い目) もう1カ月以上過ぎてしまったけど、直後の雑感を記録として書きます。 誰に頼まれたわけでも強制されたわけでもなく、ただ自分のために週末と夜を小説書きに捧げるって酔狂だと我ながら思う。 この2年は同居人がいたので孤独は感じにくくなったけど、過去5年ぐらい、独り暮らしで年末ぐらいから会社以外の人に会わず飲み会も行かずひたすら架空の話を考えては文をこねくり回して推敲して

          小説新人賞に応募し続けるということ

          結婚指輪を取りに行って「たいめいけん」で食べた日

          結婚ネタが続くが、忘備と自己分析を兼ねて。 単なる日記ではアレなので、「結婚とは」を発展させて「ちょっといいレストランで二人で記念にお祝いする」とはどういうことかを考えたい。 何度か書いたが、私たちは40代50代の再婚同士ということもあり、コロナもあり、親や親戚との食事会もせず静かに籍を入れた。 別に「40代50代の再婚同士」だからって派手に祝ってはいけないことはない。そういうカップルがいたら素敵だし、外国でそういう光景をみたこともあるし、実際に私たちが結婚式を挙げたら

          結婚指輪を取りに行って「たいめいけん」で食べた日

          2回目の結婚の日

          金曜日、目黒で待ち合わせて夕食を兼ねて飲んだ。 明日は区役所に婚姻届を出しに行く。指輪は間に合わなかったけど気にしない。 ただ、お互い「2回目だし地味婚で全くOK」で合意していたつもりだったけど、あまりに日々が普通で緊張感がなくて、私はプチ情緒不安定になっていた。ああ、私も一見斜に構えといて、「パカっとハコ開けて指輪」とか「プロポーズの言葉」とか欲しがってたんだろうか。 そしたら、不意に彼氏Sさんが「ほら、これ」と紙袋からプレゼントを出した。赤い腕時計。ここに来る前に新

          2回目の結婚の日