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思い通りにならないときこそ

年末は何故か片付けたくなるもので
クアトロの35周年記念ライブの
チャリティオークションでゲットした
曽我部恵一さんセレクトのレコードだけど
プレイヤーは家にあるけど
長女のテクノとパンク専用みたいで
かける間がないし
ウチにあっても絵に描いた餅だな
宝の持ち腐れやと

テクノのライブもやっちゃう珈琲焙煎所に
ちょっと早いサンタクロースの配達ですって
プレゼントしようと
お兄さんの好みと思わしき盤を5枚ほど厳選
日曜日鼻息荒くしてチャリを漕いだのだけど

なあんだ日曜定休日やんかと
店の前で茫然自失して
仕方ない明日また仕事帰りに出直すかと
シコシコ戻るけど

今夜もなんだかんだで帰りが8時くらいになってしまって
まだやってるかなーって息を切らせるけど

ザアンネンシャッターが降りていて
チッ2連敗かなんだか相性が良くない
こういう星回りのときは負けが続くんだよな
あと

仕方ないとトボトボ踵を返そうとしたところで閃く

隣の元コーヒー屋の
現産直野菜の露天売りのお兄ちゃんが
いま店じまいしとるやんけと

あのースミマセン
お願い事があるんですけど


小指の思い出の伊東ゆかりさんみたいに声を掛ける笑
ちょっと比喩が違ってるかな?

はい?と訝しげながらも顔を上げてくださり
このお兄さんとも北海道の野菜や酪農の現状を憂えてマジトークしたことが何度かあるので
ええいと頼んでみる

あのースミマセン
実はですねコーヒー屋さんにレコードを使っていただきたくて昨日も持参したんですけどお休みで
今日こそと参じたのですが閉まっておられて

お会いできる気がしないので
あの明日開いたら変なおばさんから聞いてくれと爆音でかけてくださいとレコードを預かったとお渡し願えないでしょうか

え、ええ構いませんけど
レコードお好きなんですか

はい、あの、話すと長くなりますけどお仕事中によろしいですか?

ええ

あの、じゃあ少しだけ
実はですねこのレコードはクアトロの35周年記念ライブでサニーデイの曽我部恵一さんがチャリティーで出してくれたお宝レコードなんですよ(鼻の穴広げる)
曽我部さんレコード屋やってらしたんですけど閉店するんんです。
それで放出されたのかなと勝手に思ってるんですけど

ウチでカホウにしようと思ってたんですけど
よくよく考えたらタンス貯金じゃないし仕舞っとくものじゃなくて聞くものですから
聞いてなんぼですから
コーヒー屋さんでかけてもらえたら本望じゃないかと
あの押しかけ女房で持ってきちゃったんです

この前もジョーンパエズとジョニ・ミッチェルのを差し上げたんです

ほおおそうですか
実はですね
僕ラジオ番組やってまして
朝からひたすらレコードかけるやつなんですけど
だから人よりレコードについてはちょっと詳しい方だと思ってるんで
ビックリしました

こうしてお声をかけていただいたのも不思議な御縁ですねきっと
確かにお預かりして明日渡しますね
お名前お聞きしていいですか

ええ赤毛といいますけど
名前でわかるかなあ
でも変な音楽好きのオバちゃんって言って
嗚呼あの人かもって思ってくれたら嬉しいです!

音楽お好きなんですね

ええ曽我部恵一さんも素晴らしいですよ
大御所なのに進化してますから
全然初期に留まってないです影も形もないと言うか
ギュインギュンにロックしてますから
オジサンロックでスゲーって仰ぎ見ちゃいます

そうなんですよね
変わりつづけていくエネルギーが
そうやってライブをやり続けて
お客さんからエネルギーもらって
その相互作用があるから続けられるんじゃないですかね

それがなくなったら
辞めるんじゃないですかねえロックバンドを

ええオバサンも励まされます

何言うんですか
年なんて関係ないですよ(キリッ)

おおお
このアオハル全開トークが
一気に炸裂するのも
音楽の神様の思し召しだなあと
じゃあよろしくお願いしますお仕事の手をお止めして申し訳ありませんでしたと

商店街を後にするけれど

自分の思ったようにならない時に
なるようにすることから一旦離れて
お店に直接届けることを諦めて
見ず知らずのプレーヤーに託することにしたときに
ディメンションというのは音を立てて変わるもので
オモシレエと思うことが起こる

自分の思い通りにバミろうとして
バミれている間は安定走行なので
ハプニングがハプンする余地がない

わかってはいても不確定要素は不安要素でもあるから
なかなか意図的に呼び込めないけど

レコード大好きお兄さんに繋がったこの御縁が
また自分を何処かに連れて行ってくれるような気がして
まだ残っているレコードたちの嫁ぎ先が決まったなと思う月曜の夜に


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