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友人のマーチのこと

先日、鹿児島の友人を訪問し、一緒に人吉・三角を回ってきた。その目的の一つが友人所有のマーチの魂胆を確かめてこようというものだった。

どんな個体か

ベースは一部趣味人の間で人気のあるマーチ12SR。こういう書き始めだと、どんなチューンナップがなされているのだろうか、と期待されるかもしれないが、それは半分正しく半分が想定外となるかと思う。
元々中古車として友人が入手した時はジムカーナ用に改造されていたとのこと。パワーユニット関係はその状況のまま。タコ足とかそれっぽいエアフィルター、マフラーなど。
一方で仕事の足として色々な現場にも入ることや数百キロの移動をよく行う必要から、足回りはノーマルのマーチ用に換装。タイヤサイズも70でホイールは鉄。
改めて文字にしてみると不思議な個体だが、友人のクルマの知見・腕は知っていたのでどう纏っているのか期待があった。

助手席にて

まずは助手席インプレッション。友人はうまくダブルクラッチを踏む運転なのだが、そういうのを抜きにして居心地が良い乗り心地。友人曰く12SRのキモはボディであろうと。効果的に補強されたボディがノーマルの足でも良い方向に効いているのではないかと感じた。元々はジムカーナ用にものすごい足まわりだったらしいが友人の使い方ではちょっとした悪路で跳ねまくって大変だったそう。今の足はロールもするし、ショックを受けると揺れは生じるけれどそれは不快でない範囲で収まる。
シートの出来はうちのカングーの方が上かもと思った。ただ後で運転させてもらった時には、シートバックをいつもの角度にしたら違和感がなかったので、恐らくそれなりに自分にも適合しているのであろう。2日間乗せてもらって腰痛が出なかったのが証左かと。
排気音はそれなりなのだけど、元が静粛性が云々という車ではないので気にならない。

運転させてもらって

知らないクルマで気になるのは以下の3点

  • 真っ直ぐ走るのがラクか

  • 速度管理がラクか

  • ブレーキは踏力でコントロールできるか

自動車評論家の森慶太さんの受け売りなのだけどレンタカーを借りてもこれがどうかをお店を出た段階で確認している。
また12SRは電動パワステの出来の良さも新車当時にはよく言われていたので、そこにも注目してみた。
結論から言うとどれも引っかかるところがほとんどなかった。
走り出しのステアリングの感触はなんとなく錘が付いているような感触もあったが、ちょっと経ったら気にならなくなった。電動パワステのどうにもならない違和感はなかった。必ずしもスムーズでない国道を走っても運転手はリラックスした状態真っ直ぐ進んでいく。
速度管理も行いやすい。50km/hキープも楽勝。
ブレーキについてもボディの軽さもプラスに働いて一定の加速度で止めることがやりやすかった。
以上のように、この友人スペシャルなマーチは期待通りに気持ちも良い仕上がりだった。

最後に

若い頃はそれこそハチロクのバネ一巻き切ったようなクルマを面白がっていたのだが、人生も7割方終わる頃になると、こういうシンプルな無理のないクルマって良いなと思えるようになった。
これが老いなのかあるいは成熟なのかは、自分自身ではわからない。

終わり

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