紅いココア

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気まぐれにミニ小説兼朗読用台本を上げるかもしれないアカウント 読まれる際の報告等は不要です 語尾や一人称の変更、アドリブは自由にどうぞ ※自作発言はしないで下さい(誰もしないと思いますけど念の為)

最近の記事

雨が好き

読了時間:5分未満 旧ボイコネ投稿作品 ーーーー以下シナリオーーーー 私は雨が好きだ 降り始めた時に感じる独特な雨の匂いが、これからの物語を伝えているようで ポツポツと優しく降る雨は、心地良い子守歌のように聞こえるから 水面(みなも)に落ちた雨粒が波紋を広げる様は、一つとして同じものなどなく さながら、キャンパスに描かれては消えてを繰り返すアート作品のようで ザーザーと降る雨は、雑音や不快なノイズに聞こえる人も多いけど 私には周囲の雑音をかき消しているようで、普

    • 秋空な恋模様

      ミニ小説 朗読用シナリオ 読了時間(目安):約5分 ーーーーーーー以下、本文ーーーーーーーーーーー 秋の天気と言うのは本当に気まぐれだ 5分ほど前までは太陽が出ていたのに、気が付けば地面に水たまりが出来ている 女心と秋の空なんて昔の人は上手いことを言うものだなと今の現状を見て小さくため息をついた テーブルの上には半分ほど残ったコーヒーから薄っすらと湯気が上っている そんな重たい空気の中、一枚のガラスを隔てた秋色に染まった水たまりの向こう側を見つめていた あの時、引き止めてい

      • 月の見えない夜だった

        朗読用ミニ小説 読了目安時間 5〜10分 ーーーー以下本文ーーーー 月の見えない夜だった 昼間の暑さを感じさせる生暖かい風が吹いているのを今でも覚えている それは何でもない日常の一コマのはずだった あの場所に迷い込むまでは あの日、私は初めて地元から離れた都会に遊びに着ていた まぁ都会と言っても東京程の大都市では無い訳だが、あの頃の私には都会と言っても良いだろう 自分の目に映る何もかもが輝いて見えて、ろくに地図も見ないで歩き回ったのを今でも覚えている 大小様々な建物に入る雑多