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「君がいなければ」なんてタイトル、反則じゃね

「君と歩いた青春」
言わずと知れた、伊勢正三の名曲。
しかし、誰がなんと言おうが
この曲は、
太田裕美が歌うべきである。

清潔感、儚さ、ひかえめなひたむきさ、
まっすぐすぎるガラスのまごころ。
その詞に込められた
ときめきやせつなさ、迷い、悔恨。

淡いオレンジ色のかすみ越しに見る
一幕のドラマを
彼女のボーカルが追想させてくれたのだ。

同様に、太田裕美の存在をMUSTに据えた曲がある
「君がいなければ」
詞は、来生えつこ。曲は浜田金吾。

当時のヒットメーカーふたりが、
時代に媚びず、阿らず
ただただ、ピュアに取り組んだにちがいない。
つつましくも、アルバムの片隅に鎮座している名曲。

最初から最後まで、スローな語り。
想いがこもった一つひとつの言葉たち
そして心地良いメロディー。
最後にのこる甘酸っぱい余韻。

流れるように過ぎてゆく季節
少年、いや青年の
揺るぐことのないひそやかな恋心

いつの日か、振り向いてくれるその時まで
ただ近くで見守るだけの恋。

心のなかの、”君” を温めつづけている・・・。
「君と歩いた青春」へのオマージュなのか。

こんな曲を歌わせたら
太田裕美さんは絶品です。
世のヒロミスト達はイチコロに決まってます。

青春時代に聴きなれた、このメロディー
こんな歳になっても
季節が代わるたびごとに、口ずさんでしまう

そんなとき、必ず思い出してしまうのは
あの頃、こころの真ん中に存在していた
”君” のこと。

ずいぶん遠くまで
来ちゃったんだなぁ。



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