また生物部がやらかした!A-Levelを学ぶ編¦脂質2(生体分子#6)
はい、今日は脂質についての第2回目です!
トリグリセリドですが、実は、ヒトの中性脂肪の大部分を占める物質なんですよね。
中性脂肪、つまり皮下脂肪や肝臓の脂肪のことで、たくさんありすぎると困りものですが、これらも体温維持や栄養の供給に一役買っていたりします。
身体には無駄なものなんてないんですね、、!
いや、中性脂肪は多すぎるとやっぱり嫌だな…。。
では、始めて行きましょう!
トリグリセリドはどうやって作られるの?
トリグリセリドにも、炭水化物やタンパク質と同じように縮合反応が見られます。
これらと違うのは、トリグリセリドは、モノマーが連なった鎖状にならないことです。
トリグリセリドでは、エステル結合と呼ばれる結合が3回起きています。
エステル結合は縮合反応のひとつで、水分子を1分子放出させながら、グリセロールと脂肪酸をつなげています。
逆にトリグリセリドに水分子を3つ加えて、加水分解することもできます。
細胞膜をつくる脂質、リン脂質。
からだをつくる脂質は、これだけではありません。
例えば、細胞膜はリン脂質と呼ばれる脂質でできています。
リン脂質は、脂肪酸分子のひとつがリン酸基で置き換えられている以外は、トリグリセリドとよく似ています。
リン酸基は親水性(水を引き寄せる)をもち、脂肪酸の尾は疎水性(水をはじく)をもっています。
このことは、細胞膜においてとても重要なんです。
脂質の性質
ここで、トリグリセリドとリン脂質の構造と性質を比較しておきましょう。
★どちらも水に溶けない
水に溶けないという事は、水ポテンシャルに影響を与えないということ。
つまり、浸透圧によって細胞に水が入る(膨張する)ことがないということです。
★使われ方
・トリグリセリド
「エネルギーの貯蔵」
脂肪酸の長い炭化水素の尾には、化学エネルギーがたくさん含まれていて、分解されるときに大量のエネルギーが放出されます。
この長い尾のおかげで、脂質は炭水化物の約2倍のエネルギーを含むことができます。
普段私たちは、炭水化物の分解によって得たグルコースからエネルギーを得ていますが、もし炭水化物が枯渇し始めたら、、。
トリグリセリドの脂肪酸が分解され始め、エネルギーの源となるのです。
・リン脂質
「細胞膜の二重層を構成」
リン脂質の頭は親水性、尾は疎水性なので、二重層を形成するとき、頭は水の方を向きます。
リン脂質が横に並ぶと必然的に二重層の中心は疎水性となりますので、例えば、水溶性の物質がやってきても、容易にこの疎水性の層を通り抜けることが出来ません。
つまり、この疎水性の層は、水溶性の物質に対するバリアーとして機能するんですね。
このことは、細胞膜の重要な役割である、細胞の内側と外側の物質の出入りの調節に大きく役立っています。
脂質のエマルジョンテストのやり方!
サンプル溶液に脂質が含まれているかどうかを調べるときには、エマルジョンテストを行います。
方法はとても簡単で、エタノールを加えたサンプル溶液を1分間ほど振り混ぜた後、水に注ぐだけです。
脂質は、乳白色のエマルジョン(混ざり合わない2つの液体が微小滴となって分散して見た目が乳白色になっている状態)として現れるので、サンプル溶液に脂質が多いほど、乳白色が顕著になります。
今日はこれで終わりです!
脂質について、ザっと話してみました。いかがでしたか?
脂質には様々なものがありますから、ヒトの体にとって良い脂質が何なのかや、逆に健康を損ねるような脂質が何なのかは、知っておくと役に立つでしょう!
次回はタンパク質について。
タンパク質は糖類や脂質よりも、体内ではかなり幅広く使われています。
色んな働きがあるので、ぜひ楽しみながら学んでくださいね!
では、お疲れさまでした!!!!^^
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