見出し画像

23歳、もうすぐ24。3年半ぶりにフリー。

3年半ほど一緒にいた恋人と別れた。あっけなかった。先週の今ごろは別れる予感なんて微塵もなくて、六本木でデートしていたよね。でっかいケーキを食べて、「次来るときは2人で1個だね。」とか話していたんだ。

だけど、2人で1個のケーキを食べる日は来ない。

別れた当日は強がって、涙の一つも出なかったのに、数日経ってみたら仕事が全く手につかない。彼から送られてきた最後の荷物を解いて、それがなかなか片付けられない。楽しい思い出ばかりが蘇って、「あんなに楽しかったのに、なんで別れることになったんだろうな?」とか考えてるよ。

いかんいかん、そんなんじゃ吹っ切れないぞ、と思って、3年前のクリスマスに2人でお揃いで買った指輪を捨てた。彼は買って3日後には指輪をなくして、「大事すぎてお手洗い行った時に水に濡れたら傷んだりするかなとか思って外したら置いてきちゃった」と泣きながら電話してきたんだったね。笑って許して、私は3年その指輪をつけ続けていた。

それも、もうない。

3年間撮り溜めた写真を全部消すことにした。私は写真を撮る習慣がなくて、ほとんど彼が取った写真ばかりだったので、私が写っているものばかりで、彼の写真は大体変顔。彼は人にカメラを向けたがる人だったけど、実は、彼自身、カメラに映るのが恥ずかしかったのかもな。美味しいものをたくさん作ったし、食べたよね。見たことない綺麗なものをたくさん見に行ったね。写真を見れば、それが何年の何月何日か全て思い出せた。

カメラロールには、彼との写真じゃないものも含めて3,000枚ほどの写真があったが、消し終わった時には1,000枚になった。

最後に、彼からもらった手紙を捨てることにした。遠距離の時間が長かったのと、なかなか言葉に出せないことや、お互いが大事だと思うことは手紙にすることにしていた。見たらダメだ、と思っていたけど、なぜか読んでしまった。

彼と付き合い始めた時の覚悟、彼と行った旅行先の思い出、私の誕生日、何気ないある日の想い、そしてどれだけ私が彼にとって大事か、彼が私をどれほど大事にしているか…。そして、ふと、3年半、本当に支えてもらったのに、「ありがとう」をちゃんと言ってなかった、と気がついた。そうだ、辛かった時、彼は真っ先に私のところに来て、大丈夫だよ、といつだって前を向かせてくれた。楽しい時はいっぱい笑って、悲しい時はいっぱい泣いていいんだよ、といつでも手をひっぱって私を連れ出してくれたんだ。

そうやって気がついた時、初めて涙を流して声をあげて泣いた。隣に彼がいたらよかったのに、と心から思った。嘘だよ、ごめんよ、と抱きしめてくれないか、と思った。

でも、私の隣に彼はいない。いつも私を車道側にしないように歩いてくれていたから、彼はいつも車道側で、私は車道側に向かってばかり話していたんだなあと気がついたり。いつも手を繋いで歩いていたから、1人だと手が軽くて、ブンブン振り回して重力をかけて重くしてみたり。な〜にやってんのwって思うようなことを最近はしているよ。

結局、手紙はゴミ箱に放り込んだけど、捨てられなくて、泣きながら拾い上げて彼からもらったレターボックスに綺麗に折り畳んで仕舞った。

あのあと、ちゃんと「3年半、本当にありがとう。楽しかったよ」とも伝えて、向こうもそう言ってくれた。信頼してるし、恋人同士じゃなくなってもお互いに大事に思ってるから、何かあったら支え合おうね、と言ってくれた。

今はつらい気持ちもあるけど、それでも3年半、お互いに切磋琢磨して、成長したな、と思う。さらに成長するために別れるんだし、今までの関係性の中で得たものは消さなくていいし、むしろ大事にしていい。彼のことは今でも大好きだから、その気持ちが薄れていくまで、とことん大好きでいるつもりだし、そうやって人を好きになれたことに自信を持っていい。

恋人としての関係は今は無くなったけど、彼とこれからもずっと本気で本音で語り合うために、こうなったのかもしれない。いつか、また一緒に歩んでいく道も来るかもしれない。とにかく、未来はわからない。今目の前にあることを、過去の思い出を磨きながら、前に進めていくだけだ。

この記事が参加している募集

眠れない夜に

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?