【短編小説】宇宙のファンタジィ/久しぶりに会った親友に宇宙装置を売られる話
集英社 第227回 短編小説新人賞(オレンジ文庫)で「もう一歩」の作品に選出された作品です。
作品の中には色々な小ネタが仕込んであります。気がつくと一層楽しめるかもしれません。
——————————————————————————————————————-
自宅アパートから出ると、東の空に満月が浮かんでいた。綿菓子のような雲が薄く月にかかり、冷たい夜風に吹かれて、一瞬の翳りをもたらした。年が明けて、一月も中盤。この頃が一年で最も寒い気がする。今宵は風が強く、気が狂った口笛みた