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赤い果実

りんごと言われてまず思い浮かべるのは赤い果実かと思います。
実際、日本のりんご品種で主流なのは「ふじ」「ジョナゴールド」「つがる」など赤いものです。

さてそのりんごの赤い色ですが、アントシアニンという色素があることで色が出現しています。アントシアニンはりんごの他にブルーベリーやナスなど紫色系の作物に多く含まれています。

りんごは小さいときは緑色をしており、秋になると黄色→赤色に変化します。
その変化が多くなるためには4つの条件が大きく左右します。
①品種のアントシアニンを作る遺伝的能力
 品種ごとに色素を作る能力に差があります。例えば「紅玉」は強く「つがる」は中くらいです。強いほど色が赤が濃く、黒っぽい色に近づきます。
②紫外線
 葉の栄養を作る作用で色素の多少が変わります。葉の働きがよく果実に糖が多く溜まるほど赤い色素が多く生成されます。
③夜間気温
 「つがる」や「ふじ」だと気温が18℃以下にならないと赤い色素作りが進みません。
④土壌水分
 秋の着色期に土壌水分が多いと、土の中にあるチッソ(N)が溶けて樹に吸われます。チッソ分は色を作る成分と同じ成分と結びついてしまうため色素作りが少なくなります。

このように赤い果実を作るためにはいくつもの要素が重なる必要があります。
りんごは着色のために葉取りやつる回しなどの作業はしますがそれ以上に自然環境をちょうどよくしてあげることが大切で、栽培ではそのあたりの工夫をしてみたいなと考えています。りんごにとって色はとても重要なので。


次回はアントシアニンについて深堀りしようと思います。


こちらは「紅玉」。
まごうことなき赤い果実