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*田舎暮らしはスローじゃないよ!人生のスパイスを楽しみましょう~



田舎暮らしを夢見た時、田舎に住んだらじいちゃんばあちゃん達から
色々な生きる智慧を教えてもらいながら、
衣食住の全てを自給自足してやろうと考えていた。

実際、田舎暮らしを始めたのは35歳にもなってからだったから、
もうばあちゃんは亡くなっていたし、じいちゃんも97歳。
目論んでいた教えも残念ながら得られなかった。

畑や田圃は徳島の自然農塾に毎月通って教えてもうことができた。
発酵食品や保存食はネットで調べ、本を買いあさり、実際にやってみるしかなかった。
田畑も発酵食品も失敗することが多かった。
けれど、失敗は大きな経験となって私の中に蓄積されていった。

素敵なお召し物ですね♪

衣食住の中で、一番難しいと感じたのは「衣」だった。
綿も育ててみたし、
友人の飼っている羊の毛を刈ってみたり、
葛や苧麻から繊維を採ってみようとした。
どれも時間も手間もかかり、
糸一本作れない自分に愕然とした。

「住」も色々挑戦してみた。
家を一軒建てることはできないけれど、
住環境を手作りするという小さなことから始めてみた。
丸のこやインパクト、グラインダーなどの工具を一揃えし、
テーブルや本棚を作ったりしながら少しづつ腕を上げ(?)
ホゾを掘って組み立ててみたり、家の修繕をしてみたり、
ありがたいことに、大工さんのお手伝いを少しさせてもらって
また色々教えてもらい楽しんでいる。

竹小舞が美しい~

「食」が一番結果が早く、へたくそながらも野菜は収穫できたし、
発酵食品も家庭用なら賄えるようになった。
衣食住の中では一番やりやすかったので、
こちらをメインに自給していくことにした。

田舎暮らしはスローライフなんて巷では思われているようだが、
そんな甘っちょろい生活とはほど遠く、
腰はいわすわ、手は腱鞘炎になるわ、
手の爪は真っ黒で服は泥まみれ、
蜘蛛の巣に顔から引っかかり蜂には3回刺された。
苦労して育てた野菜苗はナメや虫に食べられ、
収穫しようと待っていた作物は鳥につつかれ無くなっている・・。
いったい何をしているのか・・と情けなくなるのは日常だ。

せっかく実った米だって、台風に倒され、ウンカにやられ泣きそうになる。
発酵食品だって、失敗してお腹を壊し、醤油麹の大豆は納豆になり、
大事に保存していた小麦はネズミが全部食べている・・。

ほんとーに情けなく、ゆっくりしている暇なんて、
これっぽっちもないじゃないか!と誰にともなく怒ってしまう毎日である。

当たる場所のない怒りを淡路島では
「ゆーてくとこないでぇかぁ(言うてく所がない!)」と言って明らめる◎

そんなピリ辛スパイスのような田舎暮らしを辞められないのにもちゃんと訳があって、
もう私は都会では生きていけない!と思うくらい、ここがいい。
居心地がよくて、好きで好きでたまらない。
愛おしいとはこのことだろうか。
そんな、厳しくも愛おしい田舎暮らしを得ることができた
私の人生はとても幸せなんだろうな、とつくづく思う。

近年、田舎暮らしをし始める人々が多くなったように思う。
コロナのおかげで、仕事はリモートでオッケー、とか
AIに仕事を奪われた!なんて時代になって来たし、
安心して食べられる野菜を自分で育てたい!なんて人も
多くなってきたのではないだろうか。

そんな、田舎暮らし未経験の人達が
いきなり田舎に飛び込んできて、想像以上に田舎暮らしが大変で
都会に帰ってしまわないように(!?)
良いことも悪いことも、楽しいことも、辛いことも、
都会とは全く違う世界の事を書き記せたら、と思う。

畑や田圃は年に1回しか経験できないし、
発酵食品の仕込みだって、季節のものもあるから
数はたかが知れている。
田舎暮らしを始めて13年経つけれど、
経験としてはたった13回である。
そんな数少ない経験しかない私ではあるけれど、
田畑に立って知ったこと感じたこと、
この、愛おしい世界の事を人様と共有したいという欲がでてきてしまったようだ。

別段田舎暮らしじゃなきゃいけないわけではない。
都会の中の小さな家庭菜園やベランダ菜園、
お母さんが家庭で仕込む発酵食品はどこでもできる。
そんな、小さな手作りの生活も素敵じゃないか!

私の記事が、そんなきっかけになったり、
少しのヒントとなれば、それは私の幸福なのである。


このせかいは・うつくしい♪
あなたもわたしも・うつくしい♪

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