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愛猫みいちゃんの思い出

昔書いたエッセイのうち、
みいちゃんに代筆してもらった3点をアップした。


みいちゃんと出会ったのは、川辺にある広い公園でバーベキューをしていた時だった。野良猫を見つけて追いかけていくと、そこにボロボロの服を着たおじさんが座っていた。一瞬たじろいだけど、勇気を出して声をかけた。
「このへんに、猫、いますよね?」
すると、おじさんは
「ああ、一週間ぐらい前だったかなぁ。野良が子供産んでなぁ」
「へえ~」
「だけど親猫が病気らしくて、満足に乳が出ないんだよ。4匹生まれたけど2匹は死んじゃってな。あと2匹も、もうダメかな」
「ええ、そんな・・・・・・どこにいるんですか?」
「見るかい?」
「はい」
おじさんはヨイショと立ち上がって植え込みの裏に向かった。私は後についていった。
「ほら。こいつだよ」
ダンボールを横にした中に毛布が敷かれていて、その上に母猫が横になっている。そばで2匹の小さな子猫がニャーニャーと鳴いていた。
おじさんは2匹のうちの1匹をひょいと手に取ると、私の顔の前に子猫を差し出した。
「こいつも親猫の風邪がうつってこんな顔してるけど、まだ元気だ」
よく見ると、目ヤニで両目とも半分しか開いていない。でも足をパタパタ動かして元気よく鳴いている。
「こいつ、持ってってよ」
「え?」
「病院に連れていきゃあ、元気になるだろ」
「はぁ・・・・・・」
おじさんは子猫を私に差し出した。私は両手で受け止めた。
「かわいい・・・・・・」
小さくて、本当に可愛い子猫だった。もう連れて帰るの一択だった。私は子猫を抱いてバーベキューの片付けをしている相方さんのところに戻った。
「どこまでいってんの?」
「この子、もらってきた」
「えええ!? 猫?」
「うん。すぐ病院に連れてかなきゃ」
「飼うの?」
「うん」

この日から、みいちゃんは家族になった。
病院で綺麗に目ヤニを取ってもらったら、クリっとした綺麗なお目目が顔を出した。

子猫のみいちゃん
まんまるお目目

実家ではずっと犬を飼っていたけど、猫を飼ったことはなかった。東京に出てきてからは、ペットを飼うなんて想像もしていなかった。
猫の育て方を本で調べたり動物病院に相談したりして、当時はドタバタだったのを思い出す。
トイレを用意したのに全然おしっこをしていなくて、どこにしてるんだろう? もしかして、おしっこしてないのかな? と心配しまくっていたら、なんとゴミ箱の中におしっこが溜まっていたりとか(笑)
2階のベランダから飛び降りちゃったりとか😱
子育てならぬ「猫育て」は、私のこれまでの生活をガラリと変えた。

それから17年。
みいちゃんはずっと私の大事な相棒だった。
最期は私と一緒のお布団の中で、静かに虹の橋に向かった。
ずっと頑張ってくれた。最後までちゃんと自分でトイレに行って、でも力尽きてトイレの中で伏せてしまったり・・・・・・
嗚呼、ダメだ。泣けてきた。
ありがとう、みいちゃん。
あなたは私を、家族みんなを、幸せにしてくれたよ。
みんなで虹の橋に行くから、もう少し待っててね。

LOVELY Mii


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