8月31日の夜に

夏休みは逃避にうってつけだった。

ゲームにのめり込んだり、小説を書いたり、イラストを描いたり。

夜も遅くまで起きていて、昼は太陽が高くなってから起きる。

物語や想像の世界は自由で、好きなものであふれていて、簡単に夢中になれた。


学校に話の合う友人というものはおらず、居心地は悪かった。

いじめられてはいなかったが、どうしてだろう。

と考えていたら、思い出したエピソードがあった。


中学校に入った頃、他の小学校出身で同じクラスになったE子さんと過ごすことがあった。

一方で、小学校の頃からの友人T子さんとはクラスが分かれ、休み時間ごとに話すような時期があった。

あるとき、他の小学校出身だったE子さんから手紙を受け取った。

T子さんと話しに行く私のことを中傷する内容だったと記憶している。

意味がわからなかったが、嫌われたんだな、という理解くらいはできた。

その後、T子さんともだんだん疎遠になっていった。


この件がそれほどの影響を与えたとは思っていないし、誰も恨んではいない。

自分だって誰かに毒を吐いたり、失言で傷つけたことも、故意にさよならしたこともあるのだ。

未熟だった言葉足らずや人との距離の取り方を心の中で謝っている。


10代の頃にフツーの学生みたいな楽しい思い出はなくても、逃げ込んだ空想と創造の世界は、今振り返ってみてもキラキラとしている。

それだけで、がんばって生きてきたんだな、と思えた。