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「等身大」だからこそ発揮される魅力

「等身大の自分」って、どんなだろう??

というか、そもそも素の自分を曝け出したのっていつだったっけ??

我々は大人になっていくにつれ、本来の自分を後ろに引っ込め「他者から良い評価を受けやすい自分」(仮面)をやむを得ず作り上げていきます。
これを自覚した上でやる分にはいいのですが、無自覚だった場合、この作り上げた仮面の方を本来の自分だと信じるようになり、元の自分を見失うケースも結構あります。

人によっては、「こんな自分でありたい」という「理想の仮面」を作って被り、それが本来の自分だと思い込むようになる人もいたりしますね。
過去の私がそうでした。 
素の(裸の)自分でなんて戦えない、勝てるわけがない。
そもそも等身大の自分なんて、そんなものに魅力はない。
そんなものは売れない。
だからちゃんと他人に評価されるものを作り出さなきゃ。

当時の私はそんな風に考えており、等身大の自分を使うなどという発想に至ることはありませんでした。
(しかしそこから数年後、その考えが覆ることになるのですが、それはまた別の機会に…)



さて、今日ご紹介するのは、「他者基準」「相対評価」の嵐が吹き荒れまくる戦場(声優養成所)で奮闘中の、M.Kさんの近況報告です。

M.Kさんは前回のnote記事(前後編)を読んでくださったそうで、それを見て思ったことがあり、わざわざメッセージを送ってくれました。
私の声優スタジオレッスンに2回参加されたことがある方です。
(掲載の許可は頂いています)

以下、M.Kさんからのメッセージです。

※ 太字部分は私が改変/編集を加えています

樋口さん

明けましておめでとうございます。
以前、2度ワークショップを受けさせていただいたM.Kです。
最近はスケジュールや金銭的な問題でWSには参加できず、悔しい思いをしているのですが、いつも樋口さんのツイートを拝見させていただき、刺激をもらっています。

先程最新のnoteの記事(前後編)を読ませていただいたのですが、つい最近、わたしも同じように感じることがあったので、思わずDMさせていただきました。長文になってしまいましたが、是非お伝えしたかったのでお手隙の際に読んでいただければ嬉しいです。

私が最初に樋口さんのWSに参加したとき(当時21歳)、事前にお渡ししたボイスサンプルには大人の役を入れていました。でも、樋口さんは、私の普段の喋りや声から、等身大に近い女子高生の役をくださいました。
それまでボイスサンプルの収録は、あまり楽しいと思えなかったのですが、周りの経験豊富な皆さんや樋口さんが「全然こっちのほうがいい」と肯定してくださって、私の自信になりました。
自分の高校時代の経験自体を肯定された気持ちになったからです。

2回目に参加したときは、地声の雰囲気から柔らかい印象の女の子をやらせていただいて、わたしの地声の活かし方を学びました。
今まで地声に自信がなく、「透明感」や「かわいい」というような要素を自分がやるなんて…と、勝手に地声の可能性を潰していたことに気づきました。
これら2回のレッスンによって、地声や自分の経験に自信を持って、それを生かしていくことが大切なんだなと勉強させていただきました。
また、私が変わった姿を見て、樋口さんのレッスンに参加した友人もたくさんいて、「周りから見ても樋口さんのWS前後で変化があったんだな」と感じております。

最近は養成所の中で、年配の役を貰う事が多く、役の設定や年齢に執着してしまって、しんどくなってしまっていたのですが、最近改めて樋口さんのWS内で録った音声を聞き、そこで学んだことをちょうど思い出していたところでした。
そこに今回の記事が投稿されたので、思わずご連絡させていただきました。

私も、今の養成所はあと数ヶ月で終わりになり、今後どうなるか分からない状況ですが、自分が「最高に楽しくお芝居ができた養成所生活だった」と言えるように、年度末まで駆け抜けていこうと思います。

また是非WSにも参加させていただきたいと思っておりますので、今後とも何卒宜しくお願いします。

長文失礼いたしました。

M.KさんからのDM

>地声や自分の経験に自信を持って、それを生かしていくことが大切なんだなと勉強させていただきました。

このコメント、過去の私にもシェアしてあげたい…!
(てかシェアしたところで頭が悪かったから多分理解できないとは思うけど)

ほんと、そうなんですよ。
地声や自分の過去の経験って「嘘がない」から、それらを使うと「説得力」がグッと増すんですよね。

そ  う、

等  身  大  に  は  嘘  が  な  い 。


これってものすごく強い、そして魅力的な武器(土台)になるんだと、今の私は思っています。
この土台が元にあることを認識できていれば(受け入れていれば)、どんな仮面を被ったとしても説得力がついてくる。

全ては「等身大」が出発点となり、それがイコール「唯一無二の個性」となります。

だって、自分と全く同じ経験をしてきている人っていませんよね?
ここが、誰にも真似ができない部分なわけで。

M.Kさんは現在、年配の役を振られることが増えてしんどくなってしまっているとのことですが、

「等身大の自分をどう使うか」

これを忘れずに研究していくといいのではないかなと思いました。
20代ですから(とっても若いので)、テクニカルな部分での加工(声作り)はある程度必要だとは思いますが、それはあくまでも「調味料」であり、素材の味を活かすためのものであると思います。

さて、ここで話が少しそれますが、先ほどのM.KさんからのDMで1つ気になった部分が。

「最高に楽しくお芝居ができた養成所生活だった」と言えるように、

M.KさんからのDM(一部)


だった!?

え、ちょっと待って、もう終わった後のこと考えてるの!?

早くない!?


このDMを頂いた時、私が真っ先に思ったのがこれです(笑)
これは私の個人的な「解釈」になるんですが、なんかこれ、うっすら諦めてる感じ?じゃない??って思ったんですよね。
(そうじゃないかもしれないんだけど)

で、思わずこうお返事してしまいました。

樋口
あと数ヶ月とのことですが、まだ数ヶ月「も」ありますからね!
今より少しでもレベルアップすることは可能なので、「勝ちに行く姿勢」は是非ともそのままキープしていてください。
養成所生活が終わった後のことはまだ考えなくていいと思います(キッパリ) それは終わってから考えることです。

M.Kさんへのお返事の一部

言わなくてもいいことなのかもしれないのですが、つい言ってしまいました。
これは私のエゴですね(苦笑)
でも、こういう「気合い」って結構バカにできないんです。
特にギャンブルの世界では。
(と、私は考えています)

そしたらM.Kさん、またお返事をくださってですね。
しかも、嬉しいご報告も一緒に添えてくれました!

やっぱり養成所内でも査定前になってきて少しピリついた空気があって、飲まれそうになるのですが、樋口さんからきっぱりそう言っていただいて安心しました。
あと数ヶ月もあるので、今できることを頑張ります!!

それから、最近、普段通っているボイトレ教室のwebCMのナレーションにオーディションで選んでいただきました!!!!!!
ほぼ身内しか見ない小規模のものなんですが、100人以上の応募者から選んでいただきました。そのナレーションも、以前だったら落ち着いたナレーションにしがちな私が、地声を生かして等身大でやらせていただいたので、それもこれも地声の良さをあそこで教えていただいたからだなと確信しております。

これからもっともっといい報告ができるように頑張りますので、何卒宜しくお願いします!!!

M.Kさんからのお返事DM

100人以上の中から1人!!

これってかなりすごいことですよね!
しかも地声(等身大)で挑んで勝ち取った!
M.Kさんとしては、大きな成功体験になったのではないかなと思います。

引き続き応援しています。
いつか現場で一緒にお仕事できますように。


◾️ 樋口あかりの声優スタジオ収録レッスン

毎月4回ほどのペースで開催しています。

・1回2時間/定員3名
・場所/高田馬場(スタジオネイバーズ
・レッスン終了後にお茶会(振り返りの時間)付

◉レッスン詳細・お申し込みは下記URLへどうぞ
https://sub-voicelabo-ash.ssl-lolipop.jp/taiken.html



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