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なかったことにされても、なかったことにはならない

踏みにじられた記憶は、忘れようと思っても、何年経っても、なかったことにはなりません。
それは呪いのように、腐った傷のように、いつまでも踏みにじられた人の悔しさとなって残ります。

許そう、なんて思わなくていい。
とぐろを巻いた蛇に締め付けられているような苦しさから逃れられないのに、許してなんかやらない。

あなたの隣にいませんか?
あなたの気持ちを、心を、踏みにじった人が。
平然とした顔をして生きていませんか?
その隣であなたは笑えていますか。

逃げたほうがいい。離れたほうがいい。
顔を見ているうちは一生、ずっと、思い出しているから。
顔を見なくても一生思い出すけどね。

呪いに毒されないように、逃げて、一生関わらないと決める。

眠れない夜、火を付けてやりたいなんて、燃えるような憎しみに蝕まれることもあるけれど。
うまくいかない日、あいつが平気で息をしていることすら認めたくないときもあるけれど。

やったことは消えないんです。
やったほうは忘れてしまっても。

自分だって分からない。どこかで誰かに一生呪いをかけたくなるような思いをさせてしまっているかもしれない。

なかったことにはならない。
肝に命じて生きていこう。

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