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うつ×ADHD×東大受験 50 息子のマイペース受験記 慶應か横国か

高3の夏休みにうつ・ADHDと診断された息子。センター試験直前に親子で向き合って話をしたことで症状が改善したが、間に合わず宅浪することに。そして本番、共テ利用で理科大に合格するも、東大は入試から帰ると明るく落ちただろうと告げた。その代わり不合格と思い見ていなかった慶應に合格していた。

慶應か横国か、考える期間は5日間

思いもよらず慶應に受かったが、選択の余地なく横国に進むものと思っていたわたしたちに訪れた感情はまず戸惑いだった。え、自分たちで選ぶの?と急にひと仕事背負わされた感じ。

そしてじわじわと喜びが湧きあがる。

失敗したと思っていたのに、慶應に入れたの?すごくない?
家族中でお祭り騒ぎ。

とりあえず心配をおかけしていた親戚たちに連絡。親戚たちも喜んでくれた。

さて、慶應大学の手続き期限は3月3日で、東大入試の翌日から5日間で決めなければいけない。ダーは慶應に受かったら慶應にも入学金を払うとは約束したものの、横国に行くのなら払いたくないし、タローは横国もだいぶ気に入っているので、急いでリサーチを始めた。

ネット調査
偏差値は意外にも両者変わらず。
どちらに行くかと聞けば大差で慶應に軍配。
親戚の意見
会社では慶應の方が卒業生同士つながりがあり助け合うイメージ、と慶應推し。
通学の便
慶應は駅前すぐにキャンパスだが横国は駅からだいぶ歩く。バスは横国のキャンパスに乗り入れている。慶應の3年からは駅から離れた坂の上の矢上キャンパス。これだけでは何ともいえない。
学科
横国はほぼ情報工学に限定。慶應は理工学部学問Cで情報工学のほか数理科学、管理工学、生命情報学に進む道がある。
学費
国立である横国が圧倒的に安い。
キャンパスの雰囲気
こればかりは行かないとわからない。

ならばせっかく受験も終わったので、実際に大学に行ってみようということになった。土曜日なのでダーも一緒に3人で行ける。

慶應大学日吉キャンパス

まずは慶應大学日吉キャンパスへ。久しぶりの外出。青い空の下3人で歩くのがウキウキした。日吉駅につくと目の前にキャンパスが広がっている。奥へと続く銀杏並木が素敵だった。昔、慶應普通部を目指していたころ、日能研の普通部日特に来がてらよく見かけた光景。実際に大学で模試を受けたこともあったっけ。普通部は諦めましょうといわれて泣いていたあの頃のタローに教えてやりたい。慶應大学に合格するんだよ!

いろいろな建物を見て回ったあと、矢上キャンパスまで足を延ばした。ここで合っているのかわからずに歩いているうちに山道みたいなところに迷い込んで驚いたが、なんとか矢上キャンパスに辿りついた。
タローは「これはきついなー」というが、山道を通らずとも行くルートはあるし、これがきついなら横国はどうなるの?という気がした。残念ながら矢上キャンパスの中には入れず外から見ただけだが、きれいな建物に、ここで先進的な研究をしているのだろうなと期待が膨らんだ。

もう一度日吉キャンパスに戻ると藤山記念館の前の広場でひと休み。
「本当に素敵な大学だね。ここで勉強できるなんてすばらしいね!」

ダーが記念に写真を撮ろうというので、タローと並んで立つと、教授っぽい方が「撮りましょう」と声をかけてくださったのでお言葉に甘えた。
3人ともうれしそうな顔で写っていた。

受験勉強だけでなく、うつを乗り越えて今ここに来ていることがとにかくうれしくて仕方なかった。その時の写真を見るたびにキラキラした時間を思い出す。

駅に戻ると中途半端な時間。しかも少し疲れてしまって、これから横国に行くのはハードだねということになり、翌日出直すことにした。


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