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べーちゃん(モンさんへのお礼状)

モンキータイムさん。
まだ知り合って間もないのに、サポートありがとう。驚きました。

白ちゃんがサポートしてくれた同じ記事に、モンキータイムさんもサポートしてくれた。

彼はアメーバーみたいな人で、知的でウィットが効いててエッチです。
しかも、note内で神主までやっています。

霊験あらたかな神社です。

でも、私もまだこの人のことをよくわかってないです、多分。

どこか不思議なひと・モンさんには、べーちゃんのことを紹介しながらお礼の手紙を書こうと思います。


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べーちゃんはめっちゃおかっぱである。

ボブ、じゃないぞ。

小学5年の時の彼女は、ちょっとこれはおかっぱ以上じゃないかと言うくらいの超おかっぱだった。

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          (ウィキペディアより 麗子像)


いや、麗子像よりももっとすごい。



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こんなかんじか。

この絵、そっくりだ。

真っ黒で固い彼女の髪の毛は量が多くて、裾広がりだ。

いつも赤いフチの眼鏡をかけていて、唇は真っ赤で口が大きい。

そして彼女の肌の色は抜けるように白かった。


べーちゃんはクラスで誰にも相手にされていなかった。


いじめられたりはしなかったけど、ただただべーちゃんの容姿と異星人的雰囲気にタジタジしたクラスメイトたちは、私を含めて少し彼女との距離を置いていた。


でも、べーちゃんはそれを全く気にしていない。


学校で授業の合間の休み時間になると、彼女はさっとカッターナイフとティッシュペーパーを取りだし、筆箱の中に入っている鉛筆を削り出す。


休み時間中、誰も話しかけないけれど、べーちゃんは平気だ。


鉛筆を削るのに夢中なのだ。


隣の席だった私は、ヒマだったある日、べーちゃんが鉛筆を削るのを見学した。


あれ。普通は鉛筆をこう削らない?

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だが、べーちゃんはこうやって鉛筆を立てて・・・


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削るのだ。

しゃかしゃかしゃか。

べーちゃんは手慣れたかんじで、とても上手に鉛筆を削る。

当時、私たちはカッターナイフなどそんなに触る機会もなくて、みんなおっかなびっくり使うところ、べーちゃんはささささーっと削る。


あまりにも上手なので、私は見とれた。

「上手やね」

するとべーちゃんはあはは、と笑って言った。

「うちに鉛筆削りあれへんねん」

そう言って次々鉛筆をキレイに削る。


私が目が離せなくてその場から動かないものだから、やがて他のクラスメイトも数人やってきてべーちゃんの鉛筆削りを見物し始めた。


べーちゃんはお構いなしに作業を続ける。


いつのまにかべーちゃんの周囲には見物人で半円が出来ていていた。

みんなべーちゃんの手元を見ながら、いろんなことを彼女に質問する。

だって、彼女はかなり謎の女の子だったのだ。

「めっちゃ髪の毛が多いな、べーちゃん」

するとべーちゃんはあはは、と大きな口を開けて笑った。

「べーちゃん、近眼? レンズがごついな」

するとべーちゃんはまたあはは、と赤い口をあけて笑う。

誰かがべーちゃんにお願いした。

「ね、ちょっとだけやらせて」

「うん、ええよ」

べーちゃんは、笑いながら彼女にナイフと鉛筆を渡した。

でも、うまく削れない。

するとべーちゃんが丁寧にナイフや鉛筆の持ち方を教えてくれる。

「うわぁ、べーちゃんの言う通りにやったらうまいことできた!」

「えー。あたしもやりたい!」

「オレもやらせてー」

その後、私たちのクラスはみんなべーちゃん方式で鉛筆を削るのが流行った。

おそらくべーちゃんの家は豊かではなかった。

クラスメイトもうすうす感じていたと思う。

だが、そんなことは関係なかった。


べーちゃんは、自分から話しかけてくることはなかった。

彼女は自分の世界に没頭するので忙しいのだ。


でも、私たちが話しかけると、いつもあははと笑って必ず答えてくれた。


怒ったりしたことなど一度もなかった。


べーちゃんはクラスの人気者になっていった。


多分彼女は自分が人気者だということにさえも気づいていなかった。


いかにもべーちゃんらしいんだけど。


やがて私は別の町に転校したので、べーちゃんがその後どうなったのかは知らない。


でも、少しの間でもべーちゃんと知り合えてよかった。


今でもべーちゃんが元気でいて欲しいと思う。


noteで知り合う人たちの中には印象的な人がいっぱいいる。


私が何年noteを続けるかわからないけど、今までいろんな人と知り合えたことを嬉しく思う。

そしてこれから知り合う人のことを考えると楽しみだ。

モンキータイムさん。

ありがとうでござる。