新米農家の催事販売。メリット、デメリット。

催事販売やイベント販売って稼げるんですよ。
小規模農家、百姓の収入源として、ファーマーズマーケットや直売会は今や普通になってきていますし、少し規模が大きくなっても、百貨店やショッピングモール、駅などで対面販売に繰り出している機会は良くありますよね。
最近では、キッチンカー、フードカーによる対面販売も流行してます。

今回は、そんな催事についての私の経験と所感をつらつらと書いてみました。今年(2022年)から方針を変えたので、そのあたりも。

まずは私の基本的なスタンスから。

催事販売に対する私の考え

- 描く将来像、極論、生き方に向けて有効な場合も害になる場合もある
- 活動のステージによって活用の具合は変わる
- ターゲット顧客次第で大変有効
- 要は事前の目標設定と設計次第!!

催事販売に対する私の取り組み姿勢

- 知名度(商品、自社)を高めるために活用する
- テストマーケティングとして活用する
- 販路拡大の入り口として活用する
- 取扱頂いている店舗の賑やかしとして協力する
- 恒久的な収入源としては活用しない
- スポット的な収入源として活用する
- 街づくり、地域おこし(地域活性化)として参加する
- 将来的な常設販売に繋がらない場合は活用しない

そもそも催事販売・イベント販売とは

催事販売とは、百貨店やショッピングセンター、スーパーにおいて期間限定で特設コーナーを設けて商品を販売する方法です。大きな施設の催事会場、店舗の入り口付近などで行われる事が多いです。
対して、もう少し主催が小規模で、短期間(半日〜2日とか)、少しラフな感じがイベント販売と呼ばれているような感覚です。

どちらも、主催者のスタンスによって、事前準備や取り組みスタンス、売り場作りなど差が出てきます。が、この辺りはまた別途。

私達のこれまでの経験

当社は新規就農4年が満了しました。5年目の2022年からは、スポット的な催事への出店は減らす計画です。

では、これまでは?

当初の計画段階で、『知名度を高めるために、3年間は催事・イベント販売頑張ろう!』という意気込みでスタートしました。

1年目…後半から屋外イベント(民間主催、都内・県内)に出展開始
2年目…前半は同様。後半モールや道の駅催事に参加できるようになる
3年目…やっと百貨店催事参入。加えてモールや道の駅催事継続
4年目…3年目同様

正直、1年目は散々(というか、ものづくりで精いっぱい)で、売り方も何たるか、全くわかっていなかったので、ひたすら勉強(失敗)の出店で、2年目から何とか催事・イベントも収入源になってきたかなというところ。

動向的には、5年目以降も同様に出店はできそうな雰囲気はありますが、以下メリット・デメリットの比較で、一つステージアップしようと考え、前出の方針となりました。

(追記)1年目の経験~何もわからないと大変ね

 本当に対面販売については何もわからずスタートした1年目。夏ころから地元のイベントがあればお邪魔したり、県内のクラフト系イベントに参加させてもらったりしました。 そして、販売機会が少ないのと、「大きなイベントで売ってみたい、どうせやるなら日本一大きなファーマーズマーケットねらおう!」という良くわからない方針を立て、東京は青山のファーマーズマーケットなんかにも月1~2回参加するようになりました。
 この頃はまだ①生ハーブ、②ピクルス、③ハーブパウダー、④ハーブティというラインナップ。結果は微々たるものです。

(追記)2年目の経験~加工品にシフト、デザイン見直し

 散々な1年目を経て、勉強になったのは、「ハーブはそんなに売れない」「ピクルスはそんなに食べない」「ハーブティは使いやすくれば行けるかも」ということ。高い勉強代を払いました(笑)そして、商品ラインナップを①ハーブティ、②ドライハーブ、③生ハーブという形へ変更し、いろいろな方に相談させてもらいながら、ターゲット層やユースケースを明確にして、デザインや販売形態を刷新。2年目早々にこの決断ができてなかったら、多分詰んでました。よかった。。。デザインを変え、ティバック加工したハーブティを販売できるようになってようやく生きた心地がしてきました。併せて、地元群馬県内の食品製造の先輩方に面倒見て頂けたのが、ホントに一命を取り留めた感じで助かりました。この時期にお世話になった皆さんには、足を向けて寝られませんw

(追記)3年目の経験~新商品開発はベースアップ

今や巷で大人気(だと思っている)ムゲンソルトは、3年目に、対面催事でのテストマーケティングを経て形になっていきました。風味は初期からあまり変わりませんが、提案の仕方やデザインなどはこの時期の催事による経験が非常に大きなウェイトを占めています。まだ試食ができた時期には、大変高評価をいただいたこともありました。試食って魔力です。

(追記)4年目の経験~やり方は変わる

コロナで試食ができなくなり、一瞬すごく困りました。しかし、これこそチャンス。食品をどう味を見せずに催事で売るのか。結論は、並べ方、売り場づくりですね。「試食できなきゃ売れねーよ」と言っていては学べないことはたくさんあります。良い経験になった時期です。


と、このような4年を経験してみて、催事やイベントのメリット・デメリットを以下大公開(あくまで個人の感想です)。

メリット

  • 資金繰りがとても良い!(対面販売~自社会計の場合は特に)

  • お客様と近い距離でコミュニケーションとれる

  • リピーターになってもらいやすい

  • 改善意見をもらいやすい

  • 横のつながりで出店者(事業者)仲間が増える

  • 前回実績を元に、ある程度売上計画をもって事業展開できる

  • 新商品のテストマーケティングがやりやすい

  • POP、陳列のレベルが格段にUPする、参考事例が回りにたくさんいる

  • (飲食・調理伴うと)物販に比べ売上が大きく伸ばせる

デメリット

  • 期間中の人件費または時間拘束が必須

  • 事前準備、事後片付けの時間が必要

  • (屋外の場合)天候に左右されやすい。最悪中止もありうる

  • お客様の来店が保証されているわけではない

  • 初めての場所では、商品説明・知名度確保に時間がかかる

  • 対面販売はかけた時間が売上に繋がるわけではない

  • 単発の売上で、後の継続(また買いたいときは…)ができない場合が多い

  • 釣銭、什器などの準備が必要

まとめ

個人的には、4年目まではメリット>デメリットだったので、積極的に出店していました。が、5年目に入り、生産(栽培・製造)により重きを置きたいと考えると、特に「私自身の拘束時間」という面で、メリット<デメリットとなってきました。

 餅は餅屋、で、ここ1~2年で、日頃お世話になり販売頂いているお取引先のスタッフさんは、どこも、大変当社の商品を気に入って頂けたうえで、おススメいただいており、私が対面でするのと同等(もしくはそれ以上)の熱量で、販売いただけるようになってきた(そのようなお取引先さんだけに絞ってきた)事もあり、販売は販売のプロにお任せして、ハーブ屋はハーブ屋らしく農業にウェイト置けるかなぁ~という、環境変化に起因する事からの決断になります。

 もちろん、私たちのケースがそうだっただけで、状況変わればスタンスが変わりますので、あくまで一事例として、これから催事ご検討の皆さん、参考にしていただければ幸いです。

では。

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