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想定外

私は、カフェが大好き。

いくつかあるお気に入りのお店では、いつもコーヒーを注文します。
落ち着いた黒色と香りが、のんびり過ごすときのお供にぴったり。

でも、たまには違う飲み物が欲しくなるときもあるのです。

散歩をしている途中で喉がかわき、たまたま目に入ったお店のガラス戸を押しました。
明るい木のテーブルに、座り心地のいい椅子。
一人だったので、カウンターに座りました。

「ウーロン茶をホットでお願いします」

コーヒーでも紅茶でもなく、ウーロン茶。
特に理由はありません。何となく、飲みたくなったのです。

お待たせしました、という言葉と一緒に、ガラスのコップに注がれたウーロン茶が、目の前に置かれました。

写真 2020-06-21 19 37 25

「あのう、もしかしたら取っ手が取れてしまうかもしれないので、すいませんが気をつけて下さい」
申し訳なさそうに、頭を下げる店員さん。

取っ手??
見ると、銀色の持ち手がコップの下から伸びています。
耐熱ガラスですから、やけど防止のために付いているのでしょう。

取っ手という言葉から、ドアノブを想像した私は、コップに取っ手といわれてもピンとこなかったのです。

その2つの違いを調べてみました。

取っ手は「押すか引くか」という動作をすることで、何かを開けるために設けられた部分を指す。
持ち手は、主に「持ち上げる」ことを意図した部分を指す。

なるほど、と思いました。
あまり意識していませんでしたが、確かにその通りです。
違いが明確になって、すっきりしました。

そして、ウーロン茶を飲んでいると、実際に外してみたくなったのです。

中身が冷めるのを少し待ちました。
店員さんがこちらを向いていない時を狙います。

すぐに外れるかなと思っていたのですが、以外にもしっかりはまっている。
持ち手が少し曲がってしまったような気がします。
まずいかも……。少し焦りが出てきました。

数分格闘して、無事に外すことが出来ました。

元に戻そうとしたのですが、今度はなかなかはまらない。
一体、私は何をしているんだろう?と思いながらも、ぐいぐい押し込もうとしました。
うまくいきません。

いったんあきらめて、ウーロン茶を飲みました。
冷めてもおいしかったです。

結局、飲み終わった後に再度チャレンジして、無事はめ込みました。
ほっとして会計を済ませます。

のんびり過ごす予定だったのに、コップの持ち手を外して、はめる事になってしまいました。想定外です。

試すのは面白いですが、わざわざやる必要は無かったかもしれません。
次回は、いつも通りコーヒーを注文します。

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