見出し画像

緊急事態下のナイトホークス(2020/05/18〜5/24)


2020/05/18(月)
午前中、テレワークについての記事を1本書く。
その後、アポ入れや細かな連絡や確認作業をしていると、
検察庁法の改正が「今国会では断念」というニュースが。
必ずしも、ネットの声が勝ったわけではないけれど、
声を上げないと始まらないことを実感する。

2020/05/19(火)
雨が断続的に降る日。
この日、発売の週刊SPA!には
「アフターコロナ」という文字が表紙にいくつも並んでいた。

昼過ぎ、スカイプで2時間ほどガッツリとした取材と打ち合わせ。
書き始めたばかりのライターや作家、書き手の女性たちが受けたセクハラ被害についての報告がツイッターやLINE で集まってくる。
この手の話で表に出てくるのはいつも氷山の一角。
そして、いつ自分も加害者になるかわからないということ。
また更に入り込んだ情報も入って来る中で、
被害者は常に「弱く美しい」という「あるべき姿」を
自分も無意識に想定していることに改めて気づく。

夕方、窪美澄さんと少しLINE 。
最近、起きたささいな出来事について話すと、
「それも書きな」「これでエッセイ書けるね」と言ってもらい、
背中を押してもらった気がした。

夜、小雨の中を軽く散歩する。
飲食店も20時には閉まり、通りは静まり返っている。
雨に濡れて、黒く光るアスファルトに
時おり走る車の音も、私の足音も吸い込まれていく。
夜間はテイクアウト営業のみになった牛丼チェーン店、
誰もいない店の明かりが、暗い大道に浮かび上がる。
まるでエドワード・ホッパーの「ナイトホークス」みたいだ、と思った。

2020/05/20(水)
小雨が降ったりやんだり。
5月下旬にしては冷えるので、ストーブを入れる。
午前中、カウンセラーの竹田淳子さんにZoomで取材。
家庭内で性暴力を受ける少女たちの話を聞く。
母親の恋人やまさかの実父からの性的虐待の話、
逃げ場のない絶望に編集者も私も言葉を失う。
事件化されず、報道されないことが世の中にはあるし、
そんな彼らのSOSを拾い続ける竹田さんたちの活動に
頭が上がらない。

午後はハラスメントについての記事を1本。
書きながら、過去の怒りがこみ上げてきたり、未払いの原稿料を思い出す。
自分のことなのか、他の人に起きた出来事なのか、
輪郭が曖昧になって、少ししんどくなる。
かすり傷も、痛みは引きずるものだ。

夕食は近所の焼き鳥屋でササッと済ませる。
帰ったらアベノマスクが届いていた。

2020/05/21(木)
小雨が降る日、この日も寒い。
上級国民が賭け麻雀と言われると
なんだか自粛自粛と、
マジメにステイホームしているのがバカバカしくなってくる。


2020/05/22(金)
午前中と午後にAV関連の原稿をそれぞれ1本ずつ書いて、
夕方には同人AVについてのZoom取材が1件。
なんだかアングラ&アダルト関連の話が続いた日。

取材を終えると、パートナーがミネストローネを作っていた。
どうやら彼はトマト系の煮込み料理が得意な模様。
せっかちで炒めものが好きな私とは選ぶ料理も違う。

2020/05/23(土)
全般的に体調不良で寝たり起きたり。
夕方、女子SPA!の記事が公開される。
スキャンダルぽい話についてはここでは触れない。
本当のことなんて、部外者には分からないことが多いはずだから
憶測ではモノはいいたくない。
けれど、それでも考えたり、怒ったりしないといけないことはある。

木村花さんの急逝のニュースでTLが気ぜわしい。
イジメ、ヘイト、パワハラ、セクハラ……
人のわかりあえなさに絶望しそうになることが多い週だったな。

2020/05/24(日)
1週間ぶりの晴れ間、久々に買い物に行く。
試着して、接客受けて、店の入り口までお辞儀してもらい、
ピカピカのショッパーを片手に街を歩く。
これって何ヶ月ぶりだろう。
そもそもUNIQLOとZARA以外の洋服を買ったのも久々だ。
たまたま入ったカフェで、某単体女優さんとばったり。
以前はよくあったこの手の「バッタリ」も、
気づくとものすごく久しぶりで、嬉しかった。
明日には緊急事態宣言が全面解除される見通しか。
よく晴れた日の夕焼けがまぶしかった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?