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無暖房・無冷房の家に住む

冬にリビングの隣の和室で飼っていたハムスターが死んだ。最初は低体温症から仮死状態で入院。その年はもち直してくれたが、次の冬には続き間にして暖房を使っていたのに、高齢だったこともあって助からなかった。

この悔しさから、一般的な住宅構造の欠陥に気づき、書籍で多くを学んで、床下に潜り、天井裏に上がり現実を確認した。
木造家屋のヒートブリッジが生命を脅かすほど熱を奪うし、結露するガラスよりもアルミサッシが、はるかに熱を奪うこともわかった。

そんな中で出会ったのが本書。
「暑い家は、実は寒い家」
「風呂場がカビるのは寒いから」

まさに我が家は夏になると
夜間どんなに冷房を効かせても
壁が猛烈な熱を発しつづけていた。

読めば心当たりが次から次へ。
壁板の気密を高めても熱は逃げるし、壁体内に通風構造を作っても、壁は熱さを蓄える。
解決は適正な「断熱」を施すこと。

それを実現するものが、新聞紙を再生した断熱材「セルローズファイバー」だ。

著者の山本順三先生は、自らを断熱屋と名乗っている。国内従来の断熱工法の不備を解決しようと研究して、セルローズファイバー工法の精度を上げることに行き着いた。

社屋でもある自宅を体験モデルハウスとして、宿泊体験のために開放している。私もいても立てもいられず申し込んだ。

時期は冬だったが、本当に暖房が要らなかった。
それどころか風呂のお湯はエネルギーを使わず、何日でも温度を維持したまま。
また透湿素材の中に分厚い透湿断熱材で覆われているので全く湯気もなく、湯気が無いので結露も全く無い。
これを「Z工法」と言う。

晩ごはんは山本先生が鍋ものを作って下さり、詳しくお話を聞くことができた。翌朝は遠方での講演があるため、早いお出かけを見送ると、事務員の方が出勤してきて朝ごはんまでいただいた。

金を掛けたエネルギーを使って熱を出すのではなく、
自然に人間らしく暮らせる住宅なのだ。
もし自宅に疑問があるのなら、何かの答えをいくつか得られると思う。


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